ミトラ教の神殿跡も有名。ローマ、サンタ・プリスカ教会
サンタ・プリスカ教会に行ってきました!
ローマの南西方面、チルコ・マッシモから歩いて10分弱のところにある「サンタ・プリスカ教会」は、質素な外観からは想像できない、華やかな中央祭壇が見どころの教会なんです。
サンタ・プリスカ教会とは?絶対行くべき理由ベスト3
- 聖プリスカを祀る貴重な教会である点。
- チルコ・マッシモとセットで観光しやすい点。
- 美しい中央祭壇をじっくり楽しめる点。
「サンタ・プリスカ教会(Chiesa di santa prisca/キエーザ・ディ・サンタ・プリスカ)」は、ローマの南西方面にある小さな教会。建物密集エリアにある為、うっかりすると通り過ぎてしまいそうな、ごくごく普通の外観の教会なのですが、一歩中に足を踏み入れると美しい世界とご対面!観光客も多くないため、ゆっくりと教会との対話を楽しむことが出来ます。
サンタ・プリスカ教会 押さえておくべき魅力とは?
聖プリスカを祀る、歴史ある姿
ローマの街並みの中にぎゅっと押し込められたように立つ「サンタ・プリスカ教会」。その歴史は意外にもとても深く、前身となる建物は4~5世紀頃には存在していたと言われています。「サンタ・プリスカ」とは西暦1世紀頃誕生した、ローマ出身の女性「聖プリスカ(エステの聖女ベアトリス)」のこと。彼女を祀る教会はここと、メキシコの街タスコ(Taxco)にあるものが世界的に知られています。
外観に刻まれた、教会のあゆみ
現在私たちが見ることの出来る外観は、1599年から1611年にかけてカルロ・ランバルディ(Carlo Lambardi)によって整えられたもの。三角屋根の下の縁取りの部分には、ベネデット・ジュスティニアーニ枢機卿(BENEDICTUS CARD)が、1600(MDC)年の聖年(カトリックにおける聖なる年。この年にローマに巡礼に来た人たちには、特別な施しが与えられました)にあわせ、現在の姿へ整えられたことが刻まれています。
Fonte battesimale
こちらは中に入ってすぐ右手の礼拝堂の中に置かれた「洗礼盤(フォンテ・バッテズィマーレ,洗礼の時に使う聖水を入れておく器)」です。てっぺんにあるのは、アントニオ・ビッギ(Antonio Biggi)による現代彫刻。それ以外の部分は、(実際は2世紀頃制作されたものの為、違うのですが)イエスさまの十二使徒のひとり、聖ペトロが存命中(西暦1世紀)、聖プリスカに洗礼を施した時使ったものといわれています。
館内いち豪華な、中央祭壇
中央祭壇はドメニコ・クレスティ(Domenico Cresti)によって描かれた、聖プリスカに洗礼を施す聖ペトロの様子が描かれています。手前のアーチの上部を飾る紋章はクレメンス12世のご実家、コルシーニ家のもの。彼の指示で1732年に建てられたトレヴィの泉のてっぺんにも同じ紋章があるので、どちらも観光予定の方は、要チェック!
通路の両側にあしらわれた、優雅な装飾たち
中央通路の両サイドには、フィレンツェ出身の画家、アナスタシオ・フォンテブォーニ(Anastasio Fontebuoni)によるフレスコ画「受難の道具を持った、天使と聖人たち(Angeli e Santi con gli strumenti della passione)」があしらわれています。1600年の聖年にあわせてローマへやってきたアナスタシオ・フォンテブォーニ。描かれた天使や聖人たちの姿は、よく見ると、ひとりひとり持ち物や役割が異なっているので、是非ゆっくりと鑑賞してみてください。
サンタ・プリスカ教会 近くまで行ったら是非食べてほしい逸品
Il Chianti Vineria
「イル・キャンティ・ヴィネリア」はトレヴィの泉から数十メートルの所にあるレストラン。”キャンティ”とはフィレンツェなどのあるトスカーナ州のご当地ワインのことで、全体的にはトスカーナ料理を中心に提供する店なのですが、ローマ料理とはちょっと違う味わいを求めている方にはもってこい!特に自家製パスタがもちもちでおいしいので、召し上がってみてください。
サンタ・プリスカ教会 ワンポイントアドバイス
「Mitreo di Santa Prisca」
サンタ・プリスカ教会の地下には、ミトラ教(キリスト今日以前に隆盛した宗教の1つ)の神殿跡「ミトレオ・ディ・サンタ・プリスカ」があります。第2、第4土曜日の10時からのみ係の方の同行のもと見学可能。入場料は4.5ユーロで、事前予約必須…というちょっとハードルの高い見学スタイルではあるのですが、教会の地下に眠る貴重な遺跡を見学することが出来るので、ご興味のある方はチェックしてみてください。
サンタ・プリスカ教会での注意点
- 月曜から土曜は、おおむね朝夕(8時、18時頃)ミサが行われます。
- 日曜はおおむね10時半、12時も追加でミサが行われます。
- 入場無料です。
(平日)10~5月は8時と18時、6月は8時と19時、7月と8月は8時にミサが行われます。(土)10~5月は8時と18時、6~9月は8時と19時にミサが行われます。(日祝)は10~5月は8時、10時半、12時、18時、、6~9月は8時、11時、19時にミサが行われます。
まとめ
サンタ・プリスカ教会は、地元イタリア人たちからはミトラ教の神殿跡が見られる場所として有名。しかし、それが叶わなくとも華やかな中央祭壇や通路上部のフレスコ画は見ているだけで心が洗われるものがあります。あまり観光客が押し寄せないエリアの為、入る時にちょっと緊張するかもしれませんが、是非気軽に立ち寄ってみて!地元っ子気分でのんびり教会と向き合うことが出来るでしょう。
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