山間の大草原に立つ。ヴァッレ・ダオスタ州、サール城

山間の大草原に立つ。ヴァッレ・ダオスタ州、サール城|イタリア観光ガイド

サール城に行ってきました!

北イタリア、ヴァッレ・ダオスタ州にある「サール城(カステッロ・レアーレ・ディ・サール)」。山間の緑豊かな大草原の中にぽつんと佇む、どこかはかなげな名城は、思わず心惹かれるものがあります。

サール城とは?絶対行くべき理由ベスト3

おすすめのポイント
  1. サヴォイア王家が愛した名城を見学できる点。
  2. 国立公園の絶景を一緒に堪能できる点。
  3. 動物の骨をあしらったユニークな内装を愛でることが出来る点。

北イタリアのヴァッレ・ダオスタ州(Valle d’Aosta)にある人口約5,000人ほどの小さな集落「サール(Sarre)」。サールの街を象徴する「サール城(Castello Reale di Sarre/伊語読み:カステッロ・レアーレ・ディ・サッレ)」は、1869年から長らくサヴォイア王家が所有していたことから”王家(Reale)”の名を冠する由緒正しきお城です。

サール城 押さえておくべき魅力とは?

コーニュ渓谷に立つ名城

アルプスの山間にあるコーニュ渓谷(Valle di Cogne)に建てられたサール城。この辺りはグラン・パラディーゾ国立公園(Parco Nazionale del Gran Paradiso)に指定されているため、とにかく大草原と山々とのコントラストが最高に美しいエリアです。サール城まではアオスタ駅から車で10分強。アルプスの素敵な景色を楽しみながらお城を目指しましょう。

実は長い歴史を持つサール城

建物の起源は13世紀頃まで遡るそうですが、現在私たちが見ることの出来るサール城の姿は、1710年に実業家、ジョヴァンニ・フランチェスコ・フェロッド(Giovanni Francesco Ferrod)によって再建された後のものになります。その後も城の所有者は次々と変更。その中で最も著名なのがサヴォイア王家で、館内では彼らのエッセンスが随所に感じられます。

Galleria dei Trofei

こちらはカール城の中の様子。サヴォイア王家のウンベルト1世肝入りの「トロフィーのガレリア(ガレリア・デイ・トロフェイ)」と呼ばれている長い通路(ガレリア)で、壁や天井をよく見るとトロフィー(戦利品)の名の由来になったアイテム、アイベックスとシャモア(いずれもアルプスに生息するヤギのような立派な角を持った動物)の角が見事な模様を描いています。

Salone dei Trofei

こちらはトロフィーのガレリアから続く建築家アキッレ・マニョーニ(Achille Majnoni)がプロデュースした「トロフィーの大広間(サローネ・デイ・トロフェイ)」の様子。サヴォイア王家の人々は屋外で狩猟を楽しんだ後、こちらのトロフィーの大広間で宴を催していたそうで、ここでも壁にはびっしりとアイベックスとシャモアの角&骨があしらわれています。

Camera della Regina

最後はカール城の中にある女性的な一面をご紹介します。写真は「女王の部屋(カメラ・デッラ・レジーナ)」。ウンベルト1世の奥様、マルゲリータ妃によって整えられた場所です。狩猟に興味の無かった彼女は、結局1880年の夏に一度しかカール城に滞在しなかったそうですが、その後はウンベルト2世ご夫婦らサヴォイア家の末裔によって、1972年まで大切に使われ続けていきました。

サール城 近くまで行ったら是非食べてほしい逸品

Porcini impanati

「ポルチーニ・インパナーティ」は、日本のイタリアンレストランなどでも時々見かける香り高きキノコ「ポルチーニ茸」にパン粉をつけて焼いたものです。パン粉を付けてやくことをイタリアでは”インパナーティ”と言い、ポルチーニ以外にもアスパラガスやイカなどのインパナーティをよく見かけます。せっかく香り豊かなポルチーニが勿体ない⁉と思いきや、サクサク食感の中から香しい匂いがして最高!特に秋に北イタリアへ行く予定がある方は是非お味見してみてください。

サール城 ワンポイントアドバイス

「サール城の前を走る国道26号線」
サール城へ向かう際に利用することになる国道26号線は、ヴァッレ・ダオスタ州の大動脈的存在。全長約156,355キロメートルあり、ピエモンテ州のキヴァッソ(Chivasso)という街から、イタリアとフランスとの国境付近にあるプチ・サン・ベルナール峠(Colle del Piccolo San Bernardo)まで続いています。

サール城 観光での注意点 押さえておくべき事項3選

サール城での注意点
  1. 10月から3月は10時~13時、14時~17時迄開いています。
  2. 4月から9月は毎日9時~19時迄開いています。
  3. 入場料は5ユーロです。

冬季(10月から3月)は毎週月曜、およびクリスマスと元旦はお休みです。上記以外は冬季でも見学可能ではあるものの、9月頃からぐっと冷え込み、雪が降る日も増えてきますので、秋~春に観光予定の方は、お天気には十分ご注意ください。

まとめ

サール城はヴァッレ・ダオスタ州の中にある古城たちの中でも国道26号線沿いからスグの所にある観光スポットゆえ、ドライブがてら立ち寄りやすいスポットのひとつです。国道26号線沿いにはバールの要塞(Forte di Bard)等、ヴァッレ・ダオスタ州を代表する観光スポットがたくさんラインナップされています。車窓からそれらを眺めるだけでも十分旅を満喫できますので、是非機会があれば、足を延ばしてみてください。

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