時代を象徴する彫刻たちの共演。ローマ、バラッコ古代彫刻美術館

時代を象徴する彫刻たちの共演。ローマ、バラッコ古代彫刻美術館|イタリア観光ガイド

バラッコ古代彫刻美術館に行ってきました!

ローマのナヴォーナ広場から徒歩2-3分のところにある「バラッコ古代彫刻美術館(ジョバンニ・バラッコ・アンティーク彫刻美術館)」。いったいどんな芸術作品に出会えるのか?見どころをご紹介します。

バラッコ古代彫刻美術館とは?絶対行くべき理由ベスト3

おすすめのポイント
  1. 無料で貴重な古代彫刻を鑑賞できる点。
  2. 観光地ど真ん中の好アクセス。
  3. 初期カトリックの歴史の一端に触れられる点。

「バラッコ古代彫刻美術館(Museo di Scultura Antica Giovanni Barracco/ムゼオ・ディ・スクルトゥーラ・アンティカ・ジョヴァンニ・バラッコ)」は、ローマ市内にある古代彫刻をメインで扱う美術館。貴族、ジョヴァンニ・バラッコ(Giovanni Barracco)から寄贈されたコレクションが中心にラインナップされており、館内に一歩足を踏み入れれば、外に広がる古代ローマ時代の風景よりもさらに昔の時代にタイムトリップすることが出来ます。

バラッコ古代彫刻美術館 押さえておくべき魅力とは?

美術館を構成するファルネジーナ宮

ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世通り(Corso Vittorio Emanuele II)に立つバラッコ古代彫刻美術館。16世紀に建てられた「バウラッリのファルネジーナ宮(Farnesina ai Baullari)」というお屋敷を、20世紀に入ってから博物館として整えたもので、1948年に博物館としての歩みをスタートさせました。

Mosaico con Ecclesia Romana

建物は階建て。2階と3階が展示スペースで、時代毎に分かれた9つのフロア(2階に1~4、3階に5~9迄の部屋があります)には約400の芸術作品が展示されています。とりわけ多くの人が足を止めるのが貴石などが盛り込まれた絢爛豪華な「ローマの教会のモザイク(モザイコ・コン・エクレシア・ロマーナ)」。もともと初代サン・ピエトロ大聖堂(バチカン,現在は消失)の中にあったもので、13世紀頃に制作されました。

Maschera di mummia

こちらは古代エジプト時代(プトレマイオス朝時代)の棺(マスケラ・ディ・ムンミア,ミイラの仮面)。紀元前1世紀後半のもので、金が多く使用されていることから、位の高い人物のものだったことがわかります。棺も立派な古代彫刻のひとつ、これらを見てからローマの街に繰り出すと、不思議なことにあちこちにある遺跡や美術品たちが、なんだか最近つくられたもののように思えてしまうから不思議なものです。

Testa di leone fenicia

小さなお子様にも大人気!2ショット写真を撮る人も多い、博物館いち可愛らしい彫像が「ライオンの頭の像(テスタ・ディ・レオーネ)」です。イタリアから遠く離れた地中海東部(現在のレバノンの辺り)で暮らしていた、フェニキア(Fenicia)人が制作したもの。しかしながら、発見された場所がサルディーニャ州(イタリア)である点など、実は謎多き作品のひとつでもあります。

Hermes Kriophoros

こちらは紀元前5世紀に制作された彫像「ヘルメス・クリオフォロス」を古代ローマ時代にコピーしたもの。ヘルメス(ヘルメース)はギリシャ神話に登場するゼウスの子のひとりで、クリオフォロスは「善き羊飼い」の意味。羊飼いとなったヘルメスが羊を肩に乗せているこちらの姿は当時の流行で、様々な彫刻で見られるモチーフのひとつとなっております。

バラッコ古代彫刻美術館 近くまで来たら是非食べてほしい逸品

Hosteria Grappolo d’oro

「オステリア・グラッポロ・ドーロ」は美術館のすぐ南側にあるレストラン。特にカルボナーラが美味しいことで有名で、店の中に入るとほとんどのテーブルで皆、カルボナーラを楽しんでいます。1皿2,000円前後と、少しお高めかもしれませんが、その分雰囲気も良くリラックスして食事が出来ますよ!ローマ旅行の思い出にぜひ立ち寄ってみてください。

バラッコ古代彫刻美術館 ワンポイントアドバイス

「美術館の名称にご留意を」
バラッコ古代彫刻美術館は、イタリアでは「Museo di Scultura Antica Giovanni Barracco」略称で「Museo di Barracco(ムゼオ・ディ・バラッコ) 」と呼ばれています。「Barracco」の発音はどちからというと「バッラッコ」に近い点に注意。日本のガイドブックでは翻訳の仕方が様々なので、来館時は、伊語名も控えておくと安心です。

バラッコ古代彫刻美術館での注意点

バラッコ古代彫刻美術館での注意点
  1. 入場無料です。
  2. オーディオガイドは5ユーロです(伊英のみ)。
  3. 最終入場時刻は閉館30分前です。

冬季(10月から3月)は火曜から金曜の10時から16時、土日の10時から19時迄開いています(12月24日と31日は14時迄)。夏季(6月から9月)は火曜から金曜の13時から19時、土日の10時から19時迄開いています。月曜、元旦、メーデー、クリスマスはお休みです。

まとめ

バラッコ古代彫刻美術館は、何かと物価の高いローマ市内において、貴重な古代の美術作品を無料で楽しめる貴重な場所。写真撮影もオッケーなので、イタリア語、英語がわからなくとも、気になるものがあれば写真に収めておいて、あとでその作品の歴史を紐解いてみるのもよいでしょう(ホームページなども参考になります)。是非足を伸ばしてみて下さい!

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