ナポリの歴史が動いた場所。メルカート広場
メルカート広場に行ってきました!
「メルカート広場」は、ナポリの街の中心部にある広場。数ある広場の中でも、特に深い歴史を持つ場所です。ナポリ中央駅からも歩いて10分程度!アクセスも抜群の広場の様子を詳しくご紹介します。
メルカート広場とは?絶対行くべき理由ベスト3
- ナポリの歴史を紐解くことの出来る場所である点。
- 今後さらなる発展が期待できる場所である点。
- 周辺に魅力的な教会や聖堂が並んでいる点。
「メルカート広場(Piazza del Mercato/ピアッツァ・デル・メルカート)」は、ナポリ中央駅から1キロほどの所にある大きな広場。13世紀から賑わいを見せており、ナポリの人たちの生活に欠かせない場所であったと同時に、そこに集う人々によって、数々の歴史が動かされてきた場所でもあります。現在、長期にわたる修復作業中。訪れるたびにお色直ししていく広場の姿からも、目が離せません。
メルカート広場 押さえておくべき魅力とは?
広大な広場の風景
メルカート広場の”メルカート”とは”市場”を意味するイタリア語。メルカート広場は、いにしえよりナポリの商業の中心地として栄え、今日のような大きな広場へと発展してきました。現在は、戦災復興事業の折に建設された建物によって、分断されてしまいましたが、南東側にあるカルミネ広場(Piazza del Carmine)も、昔はメルカート広場の一部。まずは、広場の真ん中で、開放感たっぷりの風景をお楽しみください。
奥に鎮座する教会
メルカート広場の北側にある印象的な建物が「サンタ・クローチェ・アル・メルカート教会(伊:Chiesa di Santa Croce e Purgatorio al Mercato)」です。実は、ここはある事件の舞台となった場所。1268年、当時、ナポリ(シチリア王国)を治めていたホーエンシュタウフェン家の最後の一人が、シャルル一世(伊:Carlo I/カルロ1世)によって殺された場所として知られています。日本でいう、関ケ原の合戦の舞台となった場所のようなものでしょうか…。ちなみに教会が建ったのは事件よりも後となります。
マザリエッロ、生誕の地のレリーフ
さて、シャルル一世のご実家、アンジュー家の尽力によって、13世紀より商業の場として整備されていったメルカート広場ですが、数百年後、またもや事件が勃発します。それがこの近所に住む商人、マザニエッロが起こした反乱(写真はマザリエッロ生誕の地のレリーフで、広場の一角に飾られています)。いわゆる日本の百姓一揆のようなもので、1647年に重税に反発する形で勃発。まもなく時の支配者であったスペイン軍に鎮圧されてしまうのですが、その後、この反乱は、じわじわとスペインにとってダメージとなっていきます。
4つの噴水
時代はさらに進み、1781年。メルカート広場の多くの店が火災で焼失したのをきっかけに、建築家フランチェスコ・シクーロ(Francesco Sicuro)による大きな改修が行われました。その際つくられたのが4つの噴水。市場の商品を運ぶ馬たちの水飲み場としての役割も担っており、古代エジプトの神殿などに建てられていたモニュメント、オベリスクをイメージした美しい噴水となっています(ちなみに現在残っているのはこちらのみ)。
メルカート広場前にのびる道
メルカート広場の前の道を西に進むと、サン・エリージョ通り(Via San Eligio)との接続部分で見ることの出来る、美しい風景。右手に見えるのはサンテリージョ・マッジョーレ教会(Chiesa di Sant’Eligio Maggiore)で、アーチに飾られた大きな時計が目を引きます。建設がスタートしたのは1270年。メルカート広場とほぼ同時期につくられた教会の姿もお見逃しなく。
メルカート広場 是非食べてほしい逸品
Pizzeria Del Popolo
「ピッツェリア・デル・ポポロ」はメルカート広場の一角にある、人気のピザ専門店。日本でいうとワンコインでお釣りが返ってくるようなリーズナブルな値段でピザが食べられるとだけあって、一日中多くの人で賑わっています。ちょっとざっくばらんな雰囲気なので、落ち着かないかもしれませんが、気軽に立ち寄れる場所のひとつ。是非美味しいピザが食べたくなったら覗いてみてください。
メルカート広場ワンポイントアドバイス
「現在、修復に向けて鋭意作業中!」
メルカート広場は老朽化等に伴い、2006年に再開発をすることとなりました。しかしながら、なかなか完全なリニューアルには至っておらず、、現在でも、場所によってはがれきの山などが見られます。一方で、新しいベンチが設置されたり、石畳が舗装され、綺麗になっている場所も多数!作業はなかなか進んでいませんが、今後もメルカート広場の変化から目が離せません。
メルカート広場観光での注意点
- サンタ・クローチェ・アル・メルカート教会は中には入れません。
- 訪問は明るいウチに済ませましょう。
- 広場は足元の悪い箇所アリ。注意しましょう。
メルカート広場は歴史好きな方には是非行ってもらいたい場所である一方、正直あまり治安が良い場所ではないため細心の注意が必要です。観光時間は手短に済ませ、荷物も出来るだけ少なくして行きましょう。
まとめ
メルカート広場を囲むお店や市場は、現在ではだいぶさびれた雰囲気になってしまいましたが、少しずつ修復され綺麗になっている場所もあります。行くたびに新しい広場の顔に出会えるのはオツなところ。ご紹介した2つの教会以外に、広場の東側にはカルミネ・マッジョーレ聖堂(Basilica del Carmine Maggiore)という美しい聖堂もあります。是非、広場から望むナポリらしい風景にどっぷり浸ってみてください。
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