フィレンツェの芸術家たちの美の饗宴、サンティ・アポストリ教会
サンティ・アポストリ教会に行ってきました!
フィレンツェの中心を流れるアルノ川付近にある「サンティ・アポストリ教会」。質素な建物の中に入ると、フィレンツェを代表する芸術家たちの傑作が、私たちを出迎えてくれます。
サンティ・アポストリ教会とは?絶対行くべき理由
- フィレンツェゆかりの芸術家たちの作品を多数見られる点。
- フィレンツェ中心部にあって、徒歩で観光しやすい点。
- あの「映画」のロケ地である点。
「サンティ・アポストリ教会(Chiesa dei Santi Apostoli/キエーザ・ディ・サンティ・アポストリ)」は、フィレンツェの街の中心部にある教会。外観こそ質素な雰囲気ですが、一歩中に入ると、世界の有名美術館に作品が飾られるほどの著名な芸術家たちの作品が、右に左にお出迎えしてくれます。あの大ヒット映画「冷静と情熱のあいだ」のロケ地としても有名。
サンティ・アポストリ教会 押さえておくべき魅力とは?
リンボ広場に立つ教会
「リンボ広場(Piazza Limbo/ピアッツァ・リンボ)」に立つサンティ・アポストリ教会。「リンボ」とは「辺獄(平たく言うと、カトリックにおいて天国と地獄の間に存在する場所)」を意味するイタリア語で、その昔、洗礼を受ける前に亡くなった子供たちがこの地に埋葬されていたという言い伝えから、この名が付いています(※ちょっと不気味なイメージを持ってしまうかもしれませんが、とても綺麗な広場なのでご安心ください)。
質素な外観
花の都フィレンツェにしては、やや武骨な印象のファサード(正面口)。なんと11世紀(ロマネスク様式が主流だった時代)に、整えられたものがベースになっていて、ゆえに、ルネサンス文化が花開いた14世紀から16世紀頃の建築様式と比べると、やや粗削りな雰囲気となっています。石造りの扉周りの装飾は、ベネデット・ダ・ロヴェッザーノ(Benedetto da Rovezzano)によって16世紀に追加されたもの。少しだけ周りと雰囲気が異なる点がポイントです。
16世紀の鐘楼
正面左後ろに控える鐘楼も、16世紀にバッチョ・ダーニョロ(Baccio d’Agnolo)によって追加されたもの。バッチョ・ダーニョロは、同市内にあるサント・スピリト聖堂の鐘楼なども手掛けた建築家兼彫刻家で、ヴェッキオ宮殿の修復や、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会の初期の建設などにも携わっています。教会左手にまわると、鐘楼がよく見えるのでオススメ。ふもとにある聖母マリアの像も必見です。
ヴァザーリの名画
館内右手には、サンティ・アポストリ教会で最も有名な絵画のひとつ、ジョルジョ・ヴァザーリの「無原罪の御宿りの寓意(Allegoria della Concezione)」が飾られています。イタリア国外にコピーが存在するほどの名画。上部に描かれた神々しい光を放つ聖母マリアが、下にいるアダムとイブらに救いの手を差し伸べる場面が躍動感たっぷりに描かれています。
テラコッタのお堂
館内左手にある、テラコッタ(陶器)のお堂(タベルナコロ)も必見。テラコッタ作品を多数世に放った、アンドレア・デッラ・ロッビア(Andrea della Robbia)の手掛けたお堂で、彼らしいビタミンカラーの華やかな雰囲気が、館内を盛り上げます。イエスさまにまつわる宝物を祀ったお堂。ここには聖墳墓(イエスさまのお墓)の石が収められていると言われています。
サンティ・アポストリ教会 是非食べてほしい逸品
Pappardelle
「パッパルデッレ」はフィレンツェのあるトスカーナ州でよく食べられているパスタ。日本の「ほうとう」や「きしめん」にちょっと似た形をしていて、平打ち麺がクリーム系のソースやミートソースなどと絡むと、絶妙なハーモニーを奏でます。お土産用の乾麺もたくさん売っていますが、まずは本場でイタリア人がつくるレシピを是非味わってみて!気に入ったらお土産にパッパルデッレを買ってみてください。
サンティ・アポストリ教会ワンポイントアドバイス
「冷静と情熱のあいだのロケ地」
サンティ・アポストリ教会は、知る人ぞ知る、映画「冷静と情熱のあいだ(2001)」のロケ地のひとつ。劇中では外観のみ登場しており、物語のハイライトで登場する「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」などと比べるとちょっぴり影の薄い存在なのですが、フィレンツェでロケ地巡りをする方には必見の場所!是非映画を再度見てから足を運んでみてください。
サンティ・アポストリ教会での注意点
- 毎日9時半から12時、16時から19時迄開いています。
- 入場無料です。
- 入口はリンボ広場に面しています。
フィレンツェ市内には地下鉄は走っていません。最寄りの観光スポットはシニョーリア広場(徒歩4分)、レップブリカ広場(徒歩4分)となりますのでそれらを巡る際、セットで観光することをオススメします。
まとめ
なお、サンティ・アポストリ教会は中央祭壇(トップがご参照)のヤコポ・ディ・チョーネ(Jacopo di Cione)とニコロ・ディ・ピエトロ・ジェリーニ(Niccolò di Pietro Gerini)による多翼祭壇画も有名。聖母マリアとイエスさまを囲むように、たくさんの聖人が描かれたとてもゴージャスなものです。14世紀に制作された、歴史ある一枚。是非合わせてご覧ください。
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