彫刻も絵画も一気に楽しめる。ピサ、サン・マッテオ国立美術館

彫刻も絵画も一気に楽しめる。ピサ、サン・マッテオ国立美術館|イタリア観光ガイド

サン・マッテオ国立美術館に行ってきました!

サン・マッテオ・イン・ソアルタ広場に建つ、元修道院を利用した「サン・マッテオ国立美術館」。第二次世界大戦後の1949年に開業した美術館は中世~近世の作品を中心に、興味深い展示品で溢れています。

サン・マッテオ国立美術館とは?絶対行くべき理由ベスト3

おすすめのポイント
  1. 彫刻も絵画もバランスよく展示されている点。
  2. ビザンティン芸術が豊富にラインナップされている点。
  3. 元修道院を利用した、イタリアらしい美術館である点。

「サン・マッテオ国立美術館(Museo Nazionale di San Matteo/ムゼオ・ナツィオナーレ・ディ・サン・マッテオ)」は、ピサの斜塔で有名なトスカーナ州の街、ピサにある美術館。元修道院を利用した館内は、館内に入る前から趣があります。トスカーナ州にゆかりのある芸術家たちの作品を中心に絵画も彫刻もたっぷり。若干中~上級者向けではあるものの、雨の日の観光スポットとしてもオススメです。

サン・マッテオ国立美術館 押さえておくべき魅力とは?

修道院時代の面影を残す、回廊

サン・マッテオ国立美術館は、サン・マッテオ教会に併設されていた修道院を利用してオープンしました。ゆえに、正面口を抜けると間もなく回廊(中庭)が広がっています。ここだけ写真におさめると、なんだか教会に来ているかのよう!当時、ここで修行に励んでいた、ベネディクト会の修道女たちに思いを馳せながら、ゴシック様式の美しい建築美や草木の緑をお楽しみください。

ピサーノ親子の、大作

展示品は主に2階に飾られています。こちらは館内でも特に人気の「授乳の聖母像」。トスカーナ旅行を楽しまれた方は何度か耳にしたかもしれない有名彫刻家、アンドレア・ピサーノ(Andrea Pisano)とその息子、ニーノ・ピサーノ(Nino Pisano)との合作で、同市にあるサンタ・マリア・デッラ・スピーナ教会の館内の宝物も、こちらの展示室に飾られています。

ドナテッロの手がけた胸像

こちらはアンドレア・ピサーノの死後40年ほどして誕生した、有名彫刻家ドナテッロ(Donatello)の手がけた「聖ルッソリオ(San Lussorio)」です。近くで見ると、今にも動き出しそうな臨場感!ドナテッロもトスカーナ(特にフィレンツェ)旅行中は何度も登場する、この地ゆかりの人物。多くの人でごった返していない、サン・マッテオ国立美術館は、彼の作品とじっくり向き合う絶好のチャンスです。

鮮やかな、マヨルカ焼き

こちらは、ベネデット・ブグリオーニ(Benedetto Buglioni)の手がけた聖母子をモチーフとした陶器作品。ベネデット・ブグリオーニは写真のような色鮮やかなマヨルカ焼きの傑作を多く世に放ったことで有名。同じような作風で当時名を馳せたあの、ロッビア家(フィレンツェを旅行していると目にする機会があると思います)とはライバル関係にあったそうで、両者の腕の競い合いが、陶器芸術を更なる高みへと到達させたと思うと、感慨もひとしおです。

豊富なビザンティン芸術

館内は特にビザンティン芸術(現在のトルコの辺りで生まれた芸術文化作品)がたくさん展示されており、存分に楽しむことが出来ます。中でも目を引くこちらは、シモーネ・マルティーニ(Simone Martini)による、アレクサンドリアの聖カタリナをモチーフとした多翼祭壇画(教会の祭壇に飾る屏風のような作品)。すぐ目の前まで行って鑑賞できる為、身近に感じてしまいますが、なんと約700年前の1320年につくられたものだというのだから、驚きを隠せません。

サン・マッテオ国立美術館 是非食べてほしい逸品

Pizzeria Le Scuderie

「ピッツェリア・レ・スクデリエ」はサン・マッテオ国立美術館から歩いて5分程のところにあるピザ専門店。一般的な丸型のピザもあるのですが、ここの名物は横に細長~いピザ。なんと1メートルサイズの「Pizza al metro(ピッツァ・アル・メートル)」があり、パーティメニューの定番です。半分のサイズ「Pizza 1/2 metro(ピッツァ・メッツォ・メトロ)」もアリ(写真)。複数名でご旅行予定の方は是非オーダーしてみてください。

サン・マッテオ国立美術館ワンポイントアドバイス

「隣接するサン・マッテオ教会」
サン・マッテオ美術館に隣接する「サン・マッテオ教会」は、1027年に建てられた、大変歴史のある教会です。イエスさまの十二人の弟子(十二使徒)のうちの一人、聖マタイ(サン・マッテオ)を祀った教会。ベネディクト会(カトリックの修道会のひとつ)の修道女たちのためにつくられた施設は、無料で見学することが出来ますので、お時間があれば覗いてみてください。

サン・マッテオ国立美術館観光での注意点

サン・マッテオ国立美術館観光での注意点
  1. 入場料は5ユーロです。
  2. 火曜から土曜は、8時半から19時迄開いています。
  3. 日曜祝日は、9時から13時半迄開いています。

毎週月曜日はお休み。また、元旦、メーデー、クリスマスもお休みです。美術館までは、駅からもピサの斜塔からも歩いて15分程かかります。必要に応じてタクシーの利用等も検討してみてください。

まとめ

サン・マッテオ国立美術館には、歴史や美術の教科書に登場するほどの超有名作品はありません。が、同じトスカーナ州にあるフィレンツェとセットで訪れると、トスカーナで活躍した芸術家たちの大作を隅々まで味わい尽くすことが出来るため、満足度が高いです。もちろんピサの中では最も重要な美術館のひとつ。ピサの斜塔とセットで是非足を運んでみてください。

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