郊外にひそむ美しいお屋敷、トリノ「ストゥピニージ宮殿」

郊外にひそむ美しいお屋敷、トリノ「ストゥピニージ宮殿 | イタリア観光ガイド

ストゥピニージ宮殿に行ってきました!

ストゥピニージ宮殿は、トリノ郊外にある世界遺産。ガイドブックなどで紹介されることは少ないですが、一度その美しい姿を見たら、あっという間に心を奪われてしまう…そんなパワーがあります。ここではストゥピニージ宮殿について、詳しくご紹介します。

ストゥピニージ宮殿とは?絶対行くべき理由ベスト3

おすすめのポイント
  1. シンメトリーの美しい宮殿である点。
  2. 市街地から割と近くにあり、観光しやすい点。
  3. イタリアの誇る世界遺産である点。

「ストゥピニージ宮殿(Palazzina di caccia di Stupinigi/パラッツィーナ・ディ・カッチャ・ディ・ストゥピニージ)」は、イタリア第四の都市、トリノ郊外にある世界遺産。左右対称の美しい外観は、一目見た瞬間に「世の中にこんなに美しい宮殿があるなんて!」と、誰もが息をのむこと必至です。郊外…といっても、市街地から割と近く(約10キロ)、バスやタクシーでも簡単に足を延ばせる点も魅力です。

ストゥピニージ宮殿 押さえておくべき魅力とは?

シンメトリーのエレガントな外観

イタリア…というよりも、どことなくおフランスの香り漂うシンメトリーな美しい外観。広大な土地に突如現れるストゥピニージ宮殿は、一目見たら誰もが感嘆のため息を漏らさざるをえないでしょう。もともとフランス出身だったサヴォイア王家がトリノに遷都したタイミングで築き上げてきた美しき都トリノ。現在世界遺産に指定されている「サヴォイア王家の王宮群」の中でもとりわけ美しいストゥピニージ宮殿の外観をまずはゆっくりご覧ください。

てっぺんを見ると…可愛らしい「鹿」!

ストゥピニージ宮殿の外観をよく見ると…中央真上に鹿のブロンズのオブジェ(本物は屋内:写真ご参照ください)があることに気付きます。これはストゥピニージ宮殿が狩猟のための宮殿であることが理由。ストゥピニージ宮殿のイタリア語名に含まれている「カッチャ(Caccia)」という言葉には「狩り」という意味があり、当時のサヴォイア王家の貴族たちは、ここで寝泊まりしつつ、狩りを楽しんでいました。

広大な庭園

狩りを楽しむからには、広大な敷地は不可欠です。ストゥピニージ宮殿は、裏に広大な庭園…そしてなんと、さらにその奥には、もっと広大な公園(Parco naturale di Stupinigi)が広がっています。庭園の敷地面積だけでも約31.000 平方メートル。自然保護公園はなんと約1610ヘクタールもあります。正直、車がないととても巡ることは出来ませんが、宮殿越しにどこまでも広がる緑の風景を眺めるだけでも、抜群の爽快感を味わえます。

豪華絢爛なお屋敷内部

狩りを楽しむためのお屋敷として活躍していたストゥピニージ宮殿ですが、時代を経てどんどん内容が盛りだくさんになっていきます。写真は遊びをするためのお部屋(La sala da gioco/ラ・サラ・ダ・ジォッコ)。オリエンタルなエッセンスも加えられた室内は、1765年頃完成したものだそう。写真奥に写っている猫足のテーブルは美しい象牙のチェス盤で、ここでカードゲームやボードゲームなどを楽しんでいたそうです。

圧巻の中央ホール

建物中央部分(先ほどご紹介した鹿がいる部分)にあたる中央ホール(Salone centrale)は、屋内も宮殿内で一番豪華でした。森や狩猟の女神さまなどが描かれた、狩猟の館らしいフレスコ画。シームレスなドーム屋根。サヴォイア王家の王宮群をいくつも手掛けた、フィリッポ・ユヴァッラ(Filippo Juvarra)は、このフロアの完成を前に亡くなってしまいましたが、ここは彼の遺作にして最高傑作と言われています。

ストゥピニージ宮殿 近くまで行ったら是非食べてほしい逸品

Grissini

細長いサクサク食感のパン「グリッシーニ」。これはトリノの名物であり、ストゥピニージ宮殿にもたいへんゆかりのある食べ物です。というのも、このパンは幼少期に病弱だったヴィットーリオ・アメデーオ2世の為につくられたものだから。ヴィットーリオ・アメデーオ2世といえば何を隠そうこのストゥピニージ宮殿の建設を命じた人物。狩り好きな彼の裏に病弱な一面があったというのですから驚きです。

ストゥピニージ宮殿 ワンポイントアドバイス

「四季折々のイベントに遭遇するチャンスも…!?」
イタリアのお城や宮殿は、時期によっては特別イベントが行われていることも少なくありません。ストゥピニージ宮殿も同じで、イベントが行われている時はホームページや街のポスター、新聞などで大々的に告知されます。是非気になるものがあれば宮殿の見学とあわせて立ち寄ってみてください。

ストゥピニージ宮殿観光での注意点 押さえておくべき事項3選

ストゥピニージ宮殿観光での注意点
  1. 交通手段を吟味しておく。
  2. 営業時間を確認しておく。
  3. 屋外or屋内?どこを周るか検討しておく。

トリノの市街地―ストゥピニージ宮殿間は、一本道なので決して難しくはないのですが、近くに駅がない為、バスorタクシー(レンタカー)を利用する必要があります。バスに少しでも不安があればタクシーが無難。開館時間や所要見学時間などを踏まえつつ、交通手段を吟味しましょう。

まとめ

「電車で行けない場所にある」ということで、長らく行くことをためらっていたストゥピニージ宮殿。いざ行ってみたらあまりの美しさに「どうして今まで行かなかったのだろう」と後悔するほどでした。市内から少し距離があるので、観光客でごった返していることは少なく、ゆっくり館内をみてまわることが出来ます。是非興味のある方は足を運んでみてください。

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