圧倒的な美を誇る、古代ローマ時代の城壁跡。サン・パオロ門
サン・パオロ門に行ってきました!
サン・パオロ門はその昔、ローマを外敵から守るためにつくられた城壁の出入り口のひとつだった場所。今日でも、その美しい姿が綺麗に残されていることから、観光客が絶えません。人気の観光スポットを、詳しくご紹介します。
サン・パオロ門とは?絶対行くべき理由ベスト3
- 駅チカで比較的見学に行きやすい場所にある点。
- ピラミットとセットで観光出来る点。
- 館内が無料博物館になっている点。
「サン・パオロ門(Porta San Paolo/ポルタ・サン・パオロ)」はローマ市内を走る地下鉄、ピラミデ駅(Piramide)から歩いて2-3分のところにある古代ローマ時代の城壁跡。すぐお隣にはガイウス・ケスティウスのピラミッド(紀元前18~12年頃建設)もあり、セットで観光することが出来ます。門の中に入ることも可能。中は無料の博物館になっています。
サン・パオロ門 押さえておくべき魅力とは?
絵本に出てきそうな、美しい外観
ぷっくりとした2本の塔が、絵本やアニメの世界に出てきそうなサン・パオロ門。こちらは目の前にある大通り、オスティエンセ通り(Via Ostiense)から見た姿です。サン・パオロ門はまさにこの、オスティエンセ通り(オスティエンセ街道)の起点に建てられた門。オスティエンセ街道は古代ローマ時代に、生活物資などを運ぶ為に整えられた街道で、ここから約30キロ離れたオスティア港からこの道を通って、様々なものがローマ市内へ運ばれてきました。
かつてのローマ市内側から望む、門の姿
こちらはジオット通り(Viale Giotto)から撮った1枚。先ほどと違って、門の出入り口が2つあることに気付きます。実はこちらが本来のサン・パオロ門の姿。最初にローマ皇帝アウレリアヌスの指示のもと城壁(いわゆるアウレリアヌス城壁)が築かれた際は、入口が2つあったのですが、その後、オスティア港の衰退や、さらなる防御力アップの目的から、ローマ市街側の入口は、後年、1つに改築されました。
門にあしらわれた祠
門をよくみると宗教画のようなものが描かれた祠があることに気付きます。これも後年追加されたもの。門が建てられた当時は、キリスト教は迫害の対象。しかし、その後キリスト教が公認となり、浸透していくにつれて、これらのモニュメントがどんどん追加され、オスティア港とのやりとりが激減してからは、門もローマの他の門たちと同様、カトリック風の名前が与えられ「サン・パオロ門」と呼ばれるようになりました(ちなみに、それ以前は港の名前にちなんで、オスティエンセ門と呼ばれていました)。
門の歴史を刻む、碑文 その1
こちらは東側(冒頭の写真の右側)の塔のふもとに掲げられた碑文。1749年にローマ教皇ベネディクトゥス14世の指揮のもと、改修工事が行われたことが記されています。2つあった出入り口を1つに減らす工事が行われたのは、西ローマ帝国初代皇帝ホノリウスの時代(401年頃)。それからさらに1300年以上経過した後も、改修、補強され、門がローマを守るために使われ続けていたという事実を、この碑文から知ることが出来ます。
門の歴史を刻む、碑文 その2
サン・パオロ門は結局1920年頃、東塔側から徐々に壁が取り除かれ、その後、西側(ガイウス・ケスティウスのピラミッドと接続していました)も第二次世界大戦中の爆撃により破壊され、今日のような1つの独立した門になりました。外壁には戦中~戦後の歴史についても刻まれており、例えば上の碑文では第二次世界大戦での休戦直後に起こった、陰惨な出来事について、後世に伝えるべく記されています。
サン・パオロ門 是非食べてほしい逸品
Osteria Fratelli Mori
「オステリア・フラテッリ・モリ(Osteria Fratelli Mori)」はサン・パオロ門から歩いて5分くらいのところにあるレストラン。コンチャトーリ通り(Via dei Conciatori)沿いにある店は、席数も多く、開放的な雰囲気で、中では一通りのローマの郷土料理を楽しむことが出来ます。ヴァカンスシーズンなどでランチ・ディナー難民になってしまった時などは、是非覗いてみてください。
サン・パオロ門ワンポイントアドバイス
「オスティエンセ博物館」
サン・パオロ門の館内は、現在無料の博物館(Museo della via Ostiense)になっています。オスティエンセ街道(Via Ostiense)にまつわる展示品が中心ではありますが、起点となったサン・パオロ門にまつわる貴重な品々も展示されております。上階に行くことも可能。2つの塔の間の部分からパノラマビュ―も楽しめますので、時間が合えば、立ち寄ってみてください。
サン・パオロ門観光での注意点
- 博物館は、火曜から日曜の9時から13時半迄開いています。
- 博物館は入場無料です。
- 門はくぐることは出来ません。
サン・パオロ門自体は365日24時間見学可能です。一方、オスティエンセ博物館は毎週月曜、およびクリスマス、元旦、メーデーはお休みとなりますのでご留意ください。
まとめ
サン・パオロ門は3世紀から現代までのローマにまつわる様々な歴史を1つの建物の中にぎゅっと濃縮した場所。イタリアの名だたる芸術家がつくったものではありませんが、その美しさとオーラは、圧倒的なものがあります。一番近い地下鉄のピラミデ駅からは徒歩2-3分でアクセス可能。市内に残るアウレリアヌス城壁にまつわる遺跡群の中では、圧倒的に好アクセスですので、気になる方は是非足を運んでみてください。
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