ビルみたいな不思議な形。フィレンツェ、オルサンミケーレ教会

ビルみたいな不思議な形。フィレンツェ、オルサンミケーレ教会|イタリア観光ガイド

オルサンミケーレ教会に行ってきました!

フィレンツェの中心部にあるオルサンミケーレ教会。私は過去に何度か目の前を通ったことがあったのですが、まさかここが教会だとは知りませんでした。その理由とは…秘密をご紹介します。

オルサンミケーレ教会とは?絶対行くべき理由ベスト3

おすすめのポイント
  1. フィレンツェ中心部にある好アクセススポットである点。
  2. 美しい彫像、祭壇画を楽しめる点。
  3. 教会らしからぬ見た目で、穴場感がある点。

「オルサンミケーレ教会(キエーザ・ディ・オルサンミケーレ/Chiesa di Orsanmichele)」は、フィレンツェの街の中心部にある教会。元々穀物倉庫だった場所を改装してつくられた為、パッと見はビルのような雰囲気で、とても教会とは思えません。それだけに近付くにつれて見えてくる美しい彫像や、麗しい館内の様子は感動必至。穴場感があるのも魅力です。

オルサンミケーレ教会 押さえておくべき魅力とは?

ビルのような外観

ビルのような形をした3階建てのオルサンミケーレ教会。言われなければ、ここが教会だとはイタリア人でも気付かないでしょう。現在の建物が整えられたのは、14世紀半ば。もともと大天使ミカエル(サンミケーレ)に捧げられた教会だった場所に建てられた穀物倉庫が、現在のオルサンミケーレ教会の元となっているため、ご覧のような不思議な形をしています。

外観にあしらわれた彫像たち

オルサンミケーレ教会の名物のひとつが、外壁に並ぶ有名彫刻家たちの彫像たち。全部で14体あり、いずれも本物は上階にある博物館にて大切に保管されています。14体のウチ、普段カトリック文化にあまり馴染みのない方でも判別しやすいのが、ランベルティ通り(Via dei Lamberti)にある聖母マリアとイエスさま(Madonna della rosa/マドンナ・デッラ・ローザ)の像(聖母子像)。時間がない方も、ぜひ外観をぐるり一周して探してみてください。

テラコッタのレリーフ

外観でもうひとつ目を引くのが、彫像の上にあしらわれた陶器のレリーフたち。ほとんどが15世紀にロッビア家(ルネサンス期に陶器彫刻家として活躍した一族)の精鋭たちによってつくられたものですが、1つだけ、オルサンミケーレ通り(Via Orsammichele)にあるレリーフは1858年、日本でも有名なフィレンツェの陶器ブランド、ジノリ社によってつくられたものです(注:写真は別のもの。上の外観全体の写真に写っているものがジノリが手掛けたレリ―フです)。

華やかな祭壇

館内に入ると思わず感嘆の声をあげてしまいそうになるのが絢爛豪華な祭壇。レースのような細かな模様で縁取られた天蓋の中には、1347年にベルナルド・ダッディ(Bernardo Daddi)によって描かれた、聖母マリアとイエスさまの姿があります。館内全体は、元倉庫だったためか、どことなく暗め。しかし、天蓋の華やかさも手伝って、二人の姿はさらに神々しく見えます。

館内左手の彫像

天蓋の左側には白亜の彫像が鎮座しています。フランチェスコ・ダ・ザンガッロ(Francesco da Sangallo)による1526年頃の作品。聖母子と一緒にいるのは聖アンナ(聖母マリアのお母さま)で、周りの壁にあしらわれた聖人たちの壁画やステンドグラスとのコントラスがとっても絶妙。舞台を見ているかのような気持ちにさせられます。

オルサンミケーレ教会 是非食べてほしい逸品

Castagnaccio

「カスタナッチョ」は栗のケーキのこと。カスターニャ(栗)に由来する可愛らしい名前のケーキです。栗の粉に松の実やレーズンなどを入れてつくる焼き菓子なのですが、甘みがほどよいので朝ごはんなどにも最適。大きな円盤状になって売られていることが多いので、その場で食べきれなさそうであれば、日本へのお土産にしてもよいかもしれません。

オルサンミケーレ教会ワンポイントアドバイス

「どうして倉庫が教会に!?」
元倉庫を教会に改修…と聞くと、なんだか罰当たりな気がしてしまいますが、イタリア(日本でも?)では市場の中に祈りの場が設けられている所は少なくありません。元倉庫だったオルサンミケーレ教会は、倉庫時代にも礼拝スペースが存在していました。それがペストの流行などどもあり、参拝者が急増。倉庫が火災にあったことをきっかけに、市場を別の場所に移動し、1階全体を教会として、再建しました。

オルサンミケーレ教会観光での注意点

オルサンミケーレ教会観光での注意点
  1. 教会は1階のみです(上階は美術館)
  2. 毎日10時から16時50分迄開いています。
  3. 入場無料です。

オルサンミケーレ教会は、3階建ての建物の1階部分のみが教会となっております。1階はイタリアでは「Piano terreno(ピアノ・テッレーノ/地上階)」などと表記されているので、合わせて控えておくと安心です。

まとめ

なお、オルサンミケーレ教会の上階にある美術館(Museo di Orsanmichele/ムゼオ・ディ・オルサンミケーレ)も無料で見学することが出来ます。開館日が月曜の10時から16時50分、土曜の10時から12時半迄(いずれも最終入場時刻は閉館時刻10分前)とかなり限られていますが、チャンスがあれば是非立ち寄ってみてください。

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