お屋敷の中に潜むフレスコ画の世界。フィレンツェ、マージ礼拝堂

お屋敷の中に潜むフレスコ画の世界。フィレンツェ、マージ礼拝堂|イタリア観光ガイド

マージ礼拝堂に行ってきました!

フィレンツェの中心部にある「マージ礼拝堂(マギ礼拝堂)」は、メディチ・リッカルディ宮殿(リッカルディ宮)の中にある、フレスコ画が有名な礼拝堂。その見どころを詳しくご紹介します。

マージ礼拝堂とは?絶対行くべき理由ベスト3

おすすめのポイント
  1. 街中にあり、初めてのフィレンツェ観光でもアクセスしやすい点。
  2. 貴族のお屋敷をセットで見学できる点。
  3. フレスコ画に囲まれたユニークな礼拝堂である点。

「マージ礼拝堂(Cappella dei Magi/カペッラ・デイ・マージ)」は、フィレンツェの中心部、アカデミア美術館からスグの所にある礼拝堂。”メディチ・リッカルディ宮殿”という元、貴族のお屋敷の中にある為、外からはその様子が全くわからないのですが、一歩中に足を踏み入れると、万華鏡の中にいるかのようなフレスコ画だらけの世界に圧倒されます。

マージ礼拝堂 押さえておくべき魅力とは?

礼拝堂のあるメディチ・リッカルディ宮殿

マージ礼拝堂のあるのは”メディチ・リッカルディ宮殿”というお屋敷の2階。メディチ・リッカルディ宮殿(写真)は、フィレンツェで最も有名な貴族、コジモ・デ・メディチ(コジモ・イル・ヴェッキオ)の指示で、1446年から1464年にかけて建てられたもので、この中に1459年、プライベートチャペルとしてマージ礼拝堂が整えられました。

東側の絵画

”マージ”の名前の由来は、室内に描かれたベノッツォ・ゴッツォリ(Benozzo Gozzoli)のマージ(マギ,東方三博士)にまつわるフレスコ画によるもの。こちらは祭壇右手(東側)の様子で、絵の中にはメディチ家の中で最も有名な人物のひとり、ロレンツォ・デ・メディチ(Lorenzo de’ Medici,白馬に乗っている人物)や、お父様のピエロ・ディ・コジモ・デ・メディチ(Piero di Cosimo de’ Medici,ロレンツォの後ろで馬に乗っている人物)も描き込まれています。

中央祭壇

中央祭壇(北側)にはルネサンスの巨匠、フィリッポ・リッピ(Filippo Lippi)が描いた「Adorazione del Bambino di palazzo Medici(メディチ・リッカルディ宮殿の幼子イエスの礼拝)」が飾られています。1458年から1460年にかけて描かれたもの。本物はベルリン(ドイツ)にて所蔵されており、こちらはレプリカとなります。

西側の絵画

こちらは祭壇左手(西側)の壁に描かれたフレスコ画の様子。水色の服を纏い、豹と一緒に写っているのが、ジュリアーノ・デ・メディチ(Giuliano de’ Medici,ロレンツォ・デ・メディチの弟)。その右にはコンスタンティノープル総主教(正教会の最高位聖職者,フィレンツェで行われる会議に参加するべく来訪)ヨーゼフ2世と、従者の魔術師たちの列が続きます。

南側の絵画

最後は中央祭壇の真正面(南側)にあるフレスコ画をご紹介します。中央で白馬にまたがっているのは、、東ローマ帝国パレオロゴス王朝(東ローマ帝国最後の王朝)の皇帝、ヨハネス8世パレオロゴス。こちらもフィレンツェ公会議(1439年開催)に参加するべく約700名の従者を従えてやってきたシーンからインスピレーションを受けており(写真には写っていませんが)左手には、ピエロ・ディ・コジモ・デ・メディチの3人の娘たちも描かれています。

メディチ・リッカルディ宮殿 是非食べてほしい逸品

Cantina del Gelato

「カンティーナ・デル・ジェラート」は、フィレンツェ中心部を流れるアルノ川のほとりにあるジェラート専門店。マージ礼拝堂からは歩くと15分ほどかかるのですが(但し道中フィレンツェの街の中心部を抜けるので、楽しみながら向かえると思います)地下貯蔵庫(カンティーナ)を模した、クールなジェラート店は雰囲気も味も最高!特にフルーツを使ったジェラートが絶品ですので、是非試してみてください。

マージ礼拝堂 ワンポイントアドバイス

「フィレンツェにある、もうひとつの”幼子イエスの礼拝”」
マージ礼拝堂の中央祭壇に飾られている「幼子イエスの礼拝」は”メディチ・リッカルディ宮殿の”の一言が添えられる場合があります。理由は、ウフィツィ美術館に、彼の息子であるフィリッピーノ・リッピが描いた同名の作品がある為。マージ礼拝堂の絵より約20年後(1483年頃)に描かれた油絵で、礼拝堂のものとはまた違った雰囲気を楽しむことが出来ます。

マージ礼拝堂での注意点 押さえておくべき事項3選

マージ礼拝堂での注意点
  1. マージ礼拝堂”のみ”の見学チケットはありません。
  2. 礼拝堂の見学所要時間は約30分。全部見て回ると1時間半ほどかかります。
  3. 入場料は7ユーロです。

マージ礼拝堂に行くためには「メディチ・リッカルディ宮殿」への入場チケットを買う必要があります。開館日は毎週木曜から火曜の9時から19時迄(水曜休み)。館内2階に礼拝堂があります。

まとめ

マージ礼拝堂はメディチ・リッカルディ宮殿の中で最も有名なスポットのひとつ。故に、日本の観光ガイドやマップなどではPalazzo medici riccardi(メディチ・リッカルディ宮殿)のことを”マージ礼拝堂”と訳している場合もあります(ご注意ください!)。小さな礼拝堂ですが、フレスコ画の保存状態も良く、大変見ごたえのある場所。機会があれば、足を延ばしてみてください。

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。