宝物がずらり。フィレンツェ、サンタ・クローチェ教会付属美術館

宝物がずらり。フィレンツェ、サンタ・クローチェ教会付属美術館|イタリア観光ガイド

サンタ・クローチェ教会付属美術館に行ってきました!

フィレンツェのサンタ・クローチェ教会(サンタ・クローチェ聖堂)内にある「サンタ・クローチェ教会付属美術館」。「付属」の美術館だと侮ることなかれ!至極のラインナップの中から、是非ご覧いただきたい作品を5つご紹介します。

サンタ・クローチェ教会付属美術館とは?絶対行くべき理由ベスト3

おすすめのポイント
  1. サンタ・クローチェ教会とセットで見学できる点。
  2. イタリアを代表する芸術家たちの作品を堪能できる点。
  3. フィレンツェと洪水についての深い歴史を知ることが出来る点。

フィレンツェ中心部にあるサンタ・クローチェ教会。敷地内を利用してオープンした「サンタ・クローチェ教会付属美術館(Museo dell’Opera di Santa Croce/ムゼオ・デッロペラ・ディ・サンタ・クローチェ)」は、イタリアを代表する芸術家たちの傑作の宝庫です。1966年11月4日にフィレンツェを襲った大洪水(Alluvione/アッルヴィオーネ)の災害遺構が見られる場所としても有名。

サンタ・クローチェ教会付属美術館 押さえておくべき魅力とは?

災害遺構としても知られる十字架

美術館のシンボル的存在なのが、13世紀後半にチマブーエ(Cimabue)によってつくられた「十字架(Crocifisso)」。その完成度の高さもさることながら、この十字架は1966年にフィレンツェを襲った大洪水の被害を物語る災害遺構としても知られています。洪水ではなんと水位が4.88メートルにも達したのだとか。イエスさまの顔や身体全体に大きな損傷が見られますが、あえてこのままにして展示されています。

もうひとつの十字架

教会付属の美術館だけあり、館内にはカトリックにまつわる宝物がたくさん。チマブーエの十字架と並んで有名なのが、リッポ・ディ・ベニヴィエーニ(Lippo di Benivieni)の十字架です。元々サン・ピア・マッジョーレ教会(Chiesa di San Pier Maggiore)内のフィリカイア礼拝堂(cappella dei Filicaia)に飾られていた宝物。14世紀前半に制作されたもので、こちらはかなり良い状態で残っています。

食堂に描かれたフレスコ画

サンタ・クローチェ教会付属美術館は敷地内の修道士たちの為の食堂、回廊、いくつかのフロアにまたがって展開されています。中でも食堂の展示品は見ごたえアリ。皆のお目当ては突き当たりの壁に描かれたタッデオ・ガッディ(Taddeo Gaddi)のフレスコ画。生命の樹(Albero della Vita)と呼ばれる作品の下に最後の晩餐(Ultima cena)が描かれた大作で、なんと縦約11.2メートル×横約11.7メートルもあります。

食堂にあるもうひとつの傑作

食堂にはもうひとつ、アーニョロ・ブロンズィーノ(Agnolo Bronzino)の「キリストのリンボへの降架(Discesa di Cristo al Limbo)」という傑作があります。”リンボ”とは平たく言うと天国と地獄との間にある場所のこと。作品は近年修復されたこともあり、画面上にびっしりと描かれた人々の肌の艶感が、まるで生身の人間かのように生き生きとしています。

光り輝く彫刻作品

最後は彫像作品の中から傑作をご紹介。こちらは元々サンタ・クローチェ教会の外にあしらわれていたドナテッロ(Donatello)の「トゥールーズの聖ルイ像(San Ludovico di Tolosa)」です。最初はフィレンツェのオルサンミケーレ教会(​Chiesa di Orsanmichele)の為に制作されたもので、その後この地へ。現在は食堂内に展示されており、多くの人を魅力しています。

サンタ・クローチェ教会付属美術館 是非食べてほしい逸品

Brillo

「ブリッロ」は、フィレンツェのご当地チーズ。羊のミルクからつくったチーズを赤ワインに漬け込んでつくります。表面が赤紫色をしているのが特徴。リゾットやパスタとあえていただくこともありますが、個人的にはそのまま食べるのもオススメ。大きくて特徴的な色味をしていることから、スーパーなどでも目立つ存在。時間がない方も、是非、どのようなチーズかだけでもお店でチェックしてみてください。

サンタ・クローチェ教会付属美術館ワンポイントアドバイス

「美術館のあらまし」
サンタ・クローチェ教会の空きスペースを利用して徐々に拡充されていったサンタ・クローチェ教会付属美術館。1900年には食堂にて既に作品展示が行われていたようです。その後、1959年にサンタ・クローチェ教会付属美術館としてオープン。1966年の洪水被害で多くのエリアが一時公開不可となってしまいましたが、長い修復期間を経て、現在またその素晴らしい姿を私たちに披露してくれています。

サンタ・クローチェ教会付属美術館での注意点

サンタ・クローチェ教会付属美術館での注意点
  1. 入場料は8ユーロです。
  2. 月曜から土曜は9時半から17時半迄開いています。
  3. 日曜祝日は14時から17時半迄開いています。

元旦、イースター、6月13日、10月4日、クリスマス、12月26日は見学不可となりますのでご注意ください。また「美術館のみ」のチケットは発売されていません(敷地内全体の共通チケットのみ販売)。

まとめ

とにかく広いサンタ・クローチェ教会。1つのチケットで敷地内全てを巡ることが出来るので、美術館の場所がよくわからなくとも、館内を見学しているウチに次々と傑作に出会えることでしょう(そもそも”ここからが美術館です”といった線引きもされていません)。教会全体の雰囲気を楽しむもよし。お目当ての作品に会いに行くもよし。目的に合わせて様々な楽しみ方が出来る場所ですので、是非足を運んでみてください。

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