寺院と教会のハーフ&ハーフ!?リミニ、マラテスティアーノ教会

寺院と教会のハーフ&ハーフ!?リミニ、マラテスティアーノ教会|イタリア観光ガイド

マラテスティアーノ教会 に行ってきました!

アドリア海沿いのリゾート地リミニ。ここにはイタリアの中でもかなり珍しい施設があります。名前は「マラテスティアーノ教会」…と言いたいところですが、別の名前も。その理由とは!?詳しくご紹介します。

マラテスティアーノ教会 とは?絶対行くべき理由ベスト3

おすすめのポイント
  1. 寺院と教会のハーフ&ハーフ!独特の外観が楽しめる点。
  2. リミニのルネサンス期を代表する建物である点。
  3. 駅チカで、徒歩で観光しやすい点。

マラテスティアーノ教会は、イタリア語で「Tempio malatestiano(テンピオ・マラテスティアーノ)」。「テンピオ」はイタリアで、カトリック以外の宗教施設に対して用いられる語で(*日本のお寺や神社もテンピオです)、この教会の区分が、一筋縄ではいかなかった過去を暗示しています。日本での呼び名も「マラテスティアーノ寺院」「マラテスタ神殿」とさまざま。駅から10分足らずの距離ですので、これは正体を暴きに行くっきゃありません!

マラテスティアーノ教会  押さえておくべき魅力とは?

作りかけの「外観」

マラテスティアーノ教会を正面からみると、まるで上から白い壁を重ね着したかのような、いびつな形に気付きます。これは、もともと教会だったものを、時の権力者、シジスモンド・パンドルフォ・マラテスタ(Sigismondo Pandolfo Malatesta)が、上から白い外壁を重ねて自身のお墓につくり替え…なおかつそれが、完成途中のままになってしまった為。世にも奇妙な外観を、じっくりと御覧ください。

教会…っぽくない「館内」

マラテスティアーノ教会が未完のまま現在に至る理由は、ここが建設の最中に、揉めに揉めたことにあります。当時、自身のお墓にするべく改装に奮闘していたシジスモンドは、ローマ教皇ピウス2世とバッチバチ。元々そりが合わなかった上に、教会に異教風のものをどんどん設置してしまった為、ついに破門。建物自体も、シジスモンドが建設途中に亡くなってしまった為、その後、誰も建設を引き継がないまま未完となっています。

教会内にある「イニシャル」の謎

教会全体を見渡すと、マラテスティアーノ教会がカトリックの教会っぽくないことは、さらにご理解いただけるかもしれません。こざっぱりしていて、まるで体育館のよう。極め付けは、至る所にあしらわれたS と I のアルファベット入りの紋章で、これは、シジスモンドとその愛人(のちの奥様)イゾッタのイニシャルを用いてつくられたと言われています。(ちなみにこの教会の改装が始まった当時、シジスモンドはまだ前の奥様と婚姻関係にあり…その後奥様は毒殺され、イゾッタと結婚しました…恐。)

「Crocifisso di Rimini」

「クロチフィッソ・ディ・リミニ(十字架上のキリスト)」はイタリアの誇る芸術家、Giotto di bondone(ジョット・ディ・ボンドーネ)の代表作。フィレンツェに行ったことのある方は、フィレンツェのドゥオーモの隣にある”ジョットの鐘楼”の名で、彼のことを知っているかもしれません。作品は、14世紀前半に描かれたもの。シジスモンドが生まれる前、まだこの建物がサン・フランチェスコ教会だったころに設置されました。

「聖シジスモンドの前に跪くシジスモンド・マラテスタ」

「聖シジスモンドの前に跪くシジスモンド・マラテスタ(Sigismondo Pandolfo Malatesta in preghiera davanti a san Sigismondo)」はピエロ・デッラ・フランチェスカ(Piero della Francesca)の描いたフレスコ画の中で最古のものと言われる作品。ピエロ・デッラ・フランチェスカといえば、こちらもイタリアの超巨匠。名前を知らなくとも代表作を見たら「教科書でみたことある!」というものがたくさんあると思います。

マラテスティアーノ教会  是非食べてほしい逸品

Passatelli

「パッサッテリ」はパン粉ベースのパスタ。チーズや卵を加え、生地をこねたら、ところてんのような機械で押し出して、澄んだブロードのスープに浮かべていただきます。おせんべいのひねり揚げのように揚げたタイプや、ペンネパスタのようにソースに絡めていただくことも。リミニのある、エミリア=ロマーニャ州全般で食べられていますが、街やお店ごとに食感が異なるので、食べ比べてみるのも面白いです。

マラテスティアーノ教会  ワンポイントアドバイス

「名前がいっぱいある、マラテスティアーノ教会」
紆余曲折を経て、今はリミニのドゥオーモ(街で最も重要な教会)として機能しているマラテスティアーノ教会。しかし、現地では「テンピオ・マラテスティアーノ」と呼ばれている為、日本のガイドブックでも「マラテスティアーノ寺院」と訳される場合が多いです。また、マラテスタ家の所有物であるため「マラテスタ寺院」「マラテスタ神殿」などと呼ばれることも。どれも同じ施設ですのでご留意ください。

マラテスティアーノ教会 観光での注意点

マラテスティアーノ教会 観光での注意点
  1. イタリア語名、英語名を控えておきましょう。
  2. 教会は入場無料です。(入場料を取ろうとするスリや詐欺にご注意)
  3. 教会にはお昼休みがあります。

教会のイタリア語名および英語名(Malatesta Temple)を控えておくと、道に迷った時安心です。教会は入場無料。ただし12時から15時30分(土日は12時30分から15時30分)は昼休憩となります。

まとめ

マラテスティアーノ教会の改装等を通じて、リミニにルネサンスの華を咲かせようと奮起したシジスモンド。結果的に、自身の墓は未完成のままとなってしまいましたが、そのことが逆に現代を生きる私たちの強い興味をそそることとなりました。リミニはリゾート地として紹介されることが多いですが、興味深い史跡もたくさんあります。チャンスがあれば是非、歴史探訪も楽しんでみてください。

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