北イタリア、クレモナの街にそびえる巨大な八角形！クレモナ洗礼堂

クレモナ洗礼堂に行ってきました！

バイオリンの街として知られる北イタリアの都市クレモナ。街で最も賑わいのあるコムーネ広場にある、八角形の不思議な建物「クレモナ洗礼堂」の魅力について、詳しくご紹介します。

クレモナ洗礼堂とは？絶対行くべき理由ベスト３

「クレモナ洗礼堂（Battistero di Cremona/バッティステロ・ディ・クレモナ）」はクレモナ駅から歩いて20分弱のところにある観光スポット。街の中心地、コムーネ広場（Piazza del Comune/ピアッツァ・デル・コムーネ）の一角にあります。八角形の織りなす建築美は一見の価値アリ。普段、カトリック文化に触れる機会の少ない方も、見学を通じて「洗礼儀式」というカトリック文化の一端に触れられることと思います。

クレモナ洗礼堂 押さえておくべき魅力とは？

広場に鎮座する「美しい佇まい」

洗礼堂とは、キリスト教徒になるためのお清め（洗礼）を行う為の施設。教会の中に設けられている場合も多いですが、教会横に専用の施設を所有している場合もあります。（イタリアではピサやフィレンツェにあるサン・ジョヴァンニ洗礼堂が有名です）。クレモナ洗礼堂の場合は、すぐ横にあるクレモナ大聖堂の付属施設。まずは広場にて、クレモナ大聖堂との美しいコラボレーションをお楽しみください。

上から望む「美しさ」

クレモナ洗礼堂はとにかく大きい！高さはなんと約34メートル、直径は約20.5メートルもあります（ちょうど10階建てのビルくらいの大きさです）。ありがたいことにクレモナ大聖堂に付属するもう一つの施設「鐘楼（伊：トラッツォ）」に上がれば洗礼堂の全体像を上から見学することが出来ますよ！鐘楼の高さは約112メートル。高所恐怖症でない方は、是非、上ってみてください(ちなみにエレベーターは無し。階段は約500段あります）。

洗礼堂の中から見る「クーポラ」

中に入ると、まずはどこまでも高く開放感あふれる天井に心奪われます。シンプルなドーム屋根（クーポラ）は見ているだけで心穏やかに…。中央にある鳩のレリーフがさらに、ゆったりとした心地にさせてくれます。クレモナ洗礼堂の建設がスタートしたのは1167年のこと。フィレンツェのドゥオーモにあるクーポラより、さらに200年ほど前につくられた巨大建造物には、畏敬の念すら覚えます。

最も見るべき宝物「洗礼盤」

洗礼堂の中央に鎮座するのは、館内で最も重要な「洗礼盤(Fonte battesimale/フォンテ・バッテズィマーレ)」。洗礼の儀式を執り行う際に使う聖水を入れて置くための容器です。ロレンツォ・トロッティ（Lorenzo Trotti）が1527年に手掛けた作品。外壁の赤レンガとは違う、ヴェローナ産の大理石ならではの独特の赤色にもご注目ください。

見ごたえのある「展示物たち」

洗礼盤を囲むように、館内には豪華な祭壇や、貴重な調度品が展示されています。中でも興味深いのが、12世紀につくられた昔の洗礼盤。ロレンツォ・トロッティのものと比べると、新生児がひとり浸かれるかどうか…という程のこじんまりしたサイズなのですが、それでも周りにあしらわれた彫刻の表情などからにじみ出る圧倒的なオーラは、中央の洗礼盤以上のものがあります。

クレモナ洗礼堂 是非食べてほしい逸品

Marubini

「マルビニ」はクレモナの郷土料理のひとつ。いわゆるラビオリパスタのことを表します。トマトソースなどと絡めてショートパスタとしていただく場合もありますが、シンプルなブロードの中に入れて、スープパスタとして食べるのも定番です。具の中にナツメグパウダーやチーズが入っているので、特に寒い日に食べるとじんわりお腹の中から温まりますよ！秋～冬にクレモナにいらっしゃる方には特にオススメです。

クレモナ洗礼堂ワンポイントアドバイス

「八角形のひみつ」
イタリアで何度か洗礼堂を巡ったことのある方の中には、八角形のものが多いことに疑問を抱いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。これは一週間と密接な関係アリ。カトリックでは、神様は6日かけて世界を創造し、その次の日を休む日（日曜日）としたとされています。つまり「8」は安息日の次の日。初めの一歩に戻る、大切な日であり数字なのです。

クレモナ洗礼堂観光での注意点

クレモナ大聖堂は入場無料。洗礼堂は3ユーロ、鐘楼(Torrazzo)は5ユーロします。洗礼堂と鐘楼を両方見学予定の方はセット券6ユーロがあるので、そちらがオススメです。

まとめ

私は、まだイタリアについてほとんど知識がない頃に、初めてクレモナに行き、広場の中心に鎮座する巨大な八角形の建物にかなり驚かされました。それが”洗礼堂”であるということや、カトリックの中で”洗礼”というものがいかに大切な儀式なのかを知るにつれ、建物への理解も進み、さらに感動するように…。建物への理解が進むと旅はもっと楽しくなることと思います。この記事が皆さまの旅のお役に立てますように！素敵なクレモナ観光をお楽しみください。