圧巻の館内装飾。クレモナ、サン・ピエトロ・アル・ポー教会

圧巻の館内装飾。クレモナ、サン・ピエトロ・アル・ポー教会|イタリア観光ガイド

サン・ピエトロ・アル・ポー教会に行ってきました!

バイオリンづくりが盛んな街として有名なロンバルディア州の都市クレモナ。市街地にある「サン・ピエトロ・アル・ポー教会」は、美術館顔負けの名画が一堂に会しています。

サン・ピエトロ・アル・ポー教会とは?行くべき理由

おすすめのポイント
  1. クレモナ大聖堂から500メートルほどでアクセスできる点。
  2. クレモナを代表する画家たちの競演が見られる点。
  3. 穏やかで優雅な教会の世界に浸れる点。

「サン・ピエトロ・アル・ポー教会(Chiesa di San Pietro al Po/キエーザ・ディ・サン・ピエトロ・アル・ポー)」は、クレモナ大聖堂から7分ほどポー川(Fiume Po)の方へ歩いた所にある、聖ペトロ(サン・ピエトロ)に捧げられた教会。館内は、クレモナで美術鑑賞をする際は絶対覚えておいて損のない、名だたる芸術家たちの装飾で溢れています。

サン・ピエトロ・アル・ポー教会 魅力とは?

道しるべとなるポンキエッリ劇場

聖ペトロ(サン・​ピエトロ・アポストロ)が祀られているサン・ピエトロ・アル・ポー教会。「アル・ポー」はクレモナを流れるイタリアいち長い、ポー川の近くにあることに由来します。サン・ピエトロ広場(Piazza S. Pietro)に建つ立派な教会。すぐ近くにある有名なポンキエッリ劇場(Teatro Ponchielli*写真参照)が教会への道しるべとなります。

落ち着いた雰囲気の外観

教会の起源は11世紀にまでさかのぼりますが、現在私たちが見ることの出来るファサード(正面口)は、1570年代にフランチェスコ・ダッタロ(Francesco Dattaro)によって整えられたもの。フランチェスコ・ダッタロは、クレモナ大聖堂(街で最も重要な教会)なども手掛けた市内きっての芸術家で、息子のジュゼッペ・ダッタロ(Giuseppe Dattaro)もこの地で芸術家として活躍しました。

マニエリスム様式の装飾

フランチェスコ・ダッタロによる再建後、地元出身の芸術家たちによって、内部が華やかに彩られました。当時流行していた「マニエリスム」という様式で描かれたフレスコ画たち。ジュリオ・カンピ(Giulio Campi)ジョヴァンニ・バティスタ・トロッティ(Giovanni Battista Trotti)といった、クレモナの「美」には欠かせない芸術家たちが携わっています。

アントニオ・カンピが手掛けた中央祭壇

中央祭壇はアントニオ・カンピ(Antonio Campi)の「栄光の聖母と聖人たち(Vergine in gloria e santi)」が飾られています。アントニオ・カンピは中央祭壇以外にも館内装飾を多数担当しており、左手の礼拝堂の中にある祭壇画(Madonna della Colomba)も有名です。是非合わせてお楽しみください。

食堂に飾られた巨大な壁画

こちらは教会に付属しているベネディクト会(カトリックの修道会のひとつ)の修道院の食堂に描かれた、ベルナルディーノ・ガッティ(Bernardino Gatti) の巨大な壁画(Moltiplicazione dei pani/パンの増殖)です。いわゆるイエスさまの起こした奇跡の1つにまつわる宗教画で、食堂に飾るのにぴったりの華やかな風景が広がっています。

サン・ピエトロ・アル・ポー教会 今日の逸品

Torrone

クレモナで定番中の定番お土産といえば「トッローネ」です。ヌガーのようなお菓子で(正確にはヌガーよりも少しだけ柔らかいです)、中にピスタチオやアーモンドなどがぎっしり詰め込まれています。見た目より甘さ控えめで、くどくないのでパクパクつまめます。トッローネ祭りが開催されるほど、銘菓中の銘菓ですので、是非見かけたらご賞味ください。

サン・ピエトロ・アル・ポー教会ワンポイント

「サン・ピエトロ・アル・ポー教会に関わった芸術家たちの相関関係」
サン・ピエトロ・アル・ポー教会の装飾を担当した芸術家たち。ジュリオ・カンピとアントニオ・カンピは異母兄弟。ジョヴァンニ・バティスタ・トロッティの師匠は、カンピ兄弟の親戚(ベルナルディーノ・カンピ)。そして、ジョヴァンニはベルナルディーノの姪っ子と結婚しています。

サン・ピエトロ・アル・ポー教会 注意点

サン・ピエトロ・アル・ポー教会注意点
  1. 入場無料です。
  2. ミサは8時半、10時半、18時15分(平日のみ)に行われます。
  3. 食堂スペースはコンサートや展示会などで使用されている場合もあります。

食堂スペースで開催されるイベントは、一般客向けのものも少なくありません(絵画展、コンサート等)。入場無料なことも多いので、機会があれば是非立ち寄ってみてください。

まとめ

クレモナ駅から向かうと、歩いて20分強かかってしまうサン・ピエトロ・アル・ポー教会。しかし、大抵の人が観光の起点とするクレモナ大聖堂(サンタ・マリア・アッスンタ大聖堂)からは歩いて7分ほどで行くことが出来ます。市内で自由時間が取れる方は是非立ち寄ってみてはいかがでしょうか。人も少ないので、のんびりと館内を巡ることが出来ます。

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