名画がひそむ。ナポリ、ピオ・モンテ・デッラ・ミゼリコルディア教会

名画がひそむ。ナポリ、ピオ・モンテ・デッラ・ミゼリコルディア教会|イタリア観光ガイド

ピオ・モンテ・デッラ・ミゼリコルディア教会に行ってきました!

「ピオ・モンテ・デッラ・ミゼリコルディア教会(ピオ・モンテ・デッラ・ミゼリコルディア聖堂)」は、ナポリ中心部にある教会。カラヴァッジョゆかりの地として知られており、ファンにとっては聖地のひとつともいえる重要な場所です。

ピオ・モンテ・デッラ・ミゼリコルディア教会とは?絶対行くべき理由

おすすめのポイント
  1. 美しい教会とカラヴァッジョの名画を無料で鑑賞できる点。
  2. 2階に絵画館があり、美しい美術作品をさらに楽しめる点。
  3. ナポリのドゥオーモからスグの好アクセスである点。

「ピオ・モンテ・デッラ・ミゼリコルディア教会(Pio Monte della Misericordia/ピオ・モンテ・デッラ・ミゼリコルディア)」は、ナポリ大聖堂(サンタ・マリア・アッスンタ大聖堂)から歩いて1-2分の好立地にある教会。複合施設になっており、上の階では、よりじっくりと絵画作品を楽しむことも出来ます。カラヴァッジョの名画を所蔵していることで有名。これだけは見逃せません。

ピオ・モンテ・デッラ・ミゼリコルディア教会 押さえておくべき魅力

教会前に広がる広場

シスト・リアリオ・スフォルツァ広場(Piazza sisto riario sforza)の前に建つ教会。正確には教会と美術館が合体した複合施設で、館内では2つの楽しみ方が出来ます(今回は教会部分に絞ってご紹介しています)。道しるべは広場の真ん中にそびえる「サン・ジェンナーロ方尖塔(Obelisco di San Gennaro)」。高さ約24メートルの大変大きなオベリスク(方尖塔)で、てっぺんにはナポリの守護聖人(守り神)サン・ジェンナーロの彫像が設置されています。

アーケードの下の入口

ピオ・モンテ・デッラ・ミゼリコルディア教会の入り口は1階。軒先(伊:ポルティコ)に掲げられた、カラヴァッジョを所蔵していることを示すのぼり旗が目印です。建物自体は1602年に慈善団体(ピオ・モンテ・デッラ・ミゼリコルディア)の活動の場として整えられたもの。教会は建物の中に組み込まれるように設けられていて、5つあるアーチの、右から2番目が教会への入口となります。すぐ左手のアンドレア・ファルコーネ(Andrea Falcone)作、慈悲の聖母のモニュメントにもご注目。

美しいクーポラのある風景

館内は天井の高い、八角形の開放感溢れる空間。壁に沿って7つの礼拝堂と1つの主祭壇が設けられています。天井に目をやると、美しいクーポラ(ドーム屋根)。アーチの間に縦に2つずつ設けられた窓。その先から伸びる神殿の柱のような彫刻がなんともダイナミックで、17世紀から18世紀初めにかけて隆盛を極めたバロック様式の良さが、存分に発揮されています。

礼拝堂に飾られた絵画たち

最も有名な絵画は主祭壇(扉正面)に飾られたカラヴァッジョのものですが、それ以外の礼拝堂の絵画たちも、十分見ごたえがあります。個人的に印象深かったのは主祭壇の左手にある礼拝堂に飾られたファブリッツィオ・サンタフェーデ(Fabrizio Santafede)の作品。聖ペトロの奇跡にまつわる物語を表した1枚(San Pietro che resuscita Tabitha)で、中央にいる女性(タビサ)の華やかさに心惹かれます。

カラヴァッジョの名画

館内で最も人を集めているのは、主祭壇に飾られたカラヴァッジョの「慈悲の七つの行い(Sette opere della Misericordia)」。当時、良くも悪くも超有名人だったカラヴァッジョ。この作品によって、さらにその知名度を上げました。絵画の意味を理解するには”七つの慈悲”について学ぶ必要がありますが、それを知らなくとも、1つの絵画の中で7つの行いが同時進行されている構図は思わず「お見事!」と言ってしまうほどの見ごたえです。

ピオ・モンテ・デッラ・ミゼリコルディア教会 是非食べてほしい逸品

Friarielli

菜の花とほうれん草が合体したような葉物野菜「フリアリエッリ」。特にナポリでよく食べられる食材のひとつで、お肉料理の付け合わせ、ピザの具、とにかく色々なものに登場します。ちょこっと苦みがある点も菜の花に似ているかも…。ソーセージやチーズ、トマトソースなどの味の濃い料理と一緒だと食べやすいので、是非トライしてみてください。

ピオ・モンテ・デッラ・ミゼリコルディア教会ワンポイントアドバイス

「七つの慈悲」
七つの慈悲は一言でいうとカトリック教徒が他人に対して行うべき7つの慈悲(働きかけ)を説いたもの。「食物の施与、飲物の施与、衣服の施与、巡礼者の歓待、病気の治癒、死者の埋葬、囚人の慰問」の7つがそれに当たるもので、カラヴァッジョ以外には、ピーテル・ブリューゲル (子)などがこのテーマにまつわる絵画を残しています。

ピオ・モンテ・デッラ・ミゼリコルディア教会観光での注意点

ピオ・モンテ・デッラ・ミゼリコルディア教会での注意点
  1. 教会のみの見学は無料です。
  2. 月曜から土曜は9時から18時、日曜は9時から14時半迄開いています。
  3. 絵画室への入場は有料(8ユーロ)です。

教会(Chiesa/キエーザ)は1階の右から2番目の扉から入場可能。日曜の午後は中に入ることが出来ないのでご注意ください。また、周辺はあまり治安が良くない為、お手回り品にはご注意ください。

まとめ

なお、ピオ・モンテ・デッラ・ミゼリコルディア教会は、ピアッツァ カヴール駅(Piazza cavour)から徒歩10分前後。周辺にもナポリきっての観光スポットが密集しているので、ナポリでの滞在時間が短い方にも効率よく回ることが出来てオススメです。ナポリ中心部は、全体的にあまり治安が良くない為、明るいウチの訪問はマスト。安全に留意しながら、是非名画をゆっくりとお楽しみください。

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。