丘に建つ。ローマ、サン・シルヴェストロ・アル・クィリナーレ教会
サン・シルヴェストロ・アル・クィリナーレ教会に行ってきました!
ローマのクイリナーレの丘にある「サン・シルヴェストロ・アル・クィリナーレ教会」。開館時間は短めなのですが、チャンスがあれば是非覗いて欲しい!素敵な空間が広がっています。
サン・シルヴェストロ・アル・クィリナーレ教会とは?行くべき理由
- クイリナーレの丘とセットで観光出来る点。
- 外からわかりにくい、隠れ家的観光スポットである点。
- 開館時間が短く、レア度が高い教会である点。
「サン・シルヴェストロ・アル・クィリナーレ教会(Chiesa di San Silvestro al Quirinale/キエーザ・ディ・サン・シルヴェストロ・アル・クィリナーレ)」はローマを形作る7つの丘のひとつ、クイリナーレの丘に建つ教会です。左右の建物と一続きになっている為、外からは教会だと気付かないような穴場スポット。開館時間も短く、知る人ぞ知る隠れ観光地でもあります。
サン・シルヴェストロ・アル・クィリナーレ教会 押さえておくべき魅力
扉が2つある「正面口」
ローマ教皇シルウェステル1世(サン・シルヴェストロ)を祀るサン・シルヴェストロ・アル・クィリナーレ教会。現在私たちが見ることの出来る正面口は、19世紀に入ってから、ローマ出身の建築家、アンドレア・ブシーリ・ヴィーチ(Andrea Busiri Vici)によって再建されたものです。2つある扉のうち、左手の小さな方が現在の入口。ここを抜け、階段を上がって、教会の中に進みます。
聖母マリアの「格天井」
館内に入ると、外の賑わいを忘れさせてくれるかのような、静かで穏やかな空間が広がっています。まず目に留まるのが天井に広がる額縁を組み合わせたかのような豪華な格天井。フランス出身の芸術家、フラミニオ・ブーランジェ(Flaminio Boulanger)の手によって整えられたもので、中央付近には、可愛らしい聖母マリアとイエスさまの装飾が見て取れます。
絵画で埋め尽くされた「中央祭壇」
教会の中の壁は所狭しと絵画が並んでおり、どこから見たらよいか思わず悩んでしまうほど…。ですので、時間がない方は、是非、中央祭壇からご見学ください。真ん中にはシピオーネ・プルゾーネ(Scipione Pulzone)の祭壇画。その上を彩るドメニキーノ(Domenichino)の宗教画や、縁取りのフランチェスコ・モーキ (Francesco Mochi)彫刻など、見どころ満載。これらは教会の完成(1524年)から約100年後の1628年頃整えられました。
授乳の聖母の「礼拝堂」
メインフロアの右手にある礼拝堂(Cappella della Madonna del latte)は、他の礼拝堂と一風異なる趣を感じることの出来る空間です。目を引くのは、中央に飾られた聖母マリアとイエスさま。格天井(16世紀後半に制作)に彫られた聖母子像とまるで異なる、硬い表情の威厳を放つ姿。13世紀の作品で、ビザンティン美術の特徴がよく表れています。
世紀の発見との「深い関係」
こちらはローマ国立博物館(パラッツォ・マッシモ)の中にある有名作品「休む拳闘士(Pugile in riposo/プジエ・イン・リポーゾ)」です。1885年、紀元前のブロンズ像が発見されたとかなりの話題になったのですが、これが出土したのがなんとサン・シルヴェストロ・アル・クィリナーレ教会のすぐ裏!今はなき、劇場を建設する際に出土しました。
サン・シルヴェストロ・アル・クィリナーレ教会 是非食べてほしい逸品
Cotiche
「コーティケ」は豚の皮を意味するイタリア語。白インゲン豆(Fagioli/ファジョーリ)と一緒に煮込んだ「Fagioli con le cotiche(ファジョーリ・コン・レ・コーティケ)」が定番で、ローマの下町が発祥の料理と言われています。豚の内臓は昔は安価で美味しい庶民にとって欠かすことの出来ない存在でした。ローマならではのローカルフード。是非試してみてください♪
サン・シルヴェストロ・アル・クィリナーレ教会ワンポイント
「サンタンドレア・アル・クイリナーレ教会との混同にご注意」
ローマには「サンタンドレア・アル・クイリナーレ教会(Chiesa di Sant’Andrea al Quirinale)」という全く別の教会があります。しかしながら断然こちらの方が知名度が高い為、インターネット等で検索すると「サンタンドレア・アル・クイリナーレ教会の間違いでは?」などと表示されることもしばしば。名前が長いのでどうぞ、ご注意ください。もちろんイタリア語名で検索すれば間違って表示されることはありません。
サン・シルヴェストロ・アル・クィリナーレ教会での注意点
- 外観が教会っぽくないためご注意ください。
- 入り口を抜けると最初に階段があります。
- 教会が開いているのは土日の午前中となります。
教会の見学可能時間は土日の10時から12時。開館時間が短いのでご興味のある方はご注意ください。入口がわかりにくいので事前に地図などで周辺情報を確認してから向かうと安心です。
まとめ
サンタンドレア・アル・クイリナーレ教会は、周辺にも美術館や宮殿、教会がたくさんある為、たっぷり一日かけて散策するのも良いでしょう(ちなみにサンタンドレア・アル・クイリナーレ教会までは約500メートルです)。アップダウンがあるため、夏場は水分補給をお忘れなく!教会自体は開館時間が限定的ですが、その分、扉が開いていた時の感動はひとしお♪是非、チェックしてみてください。
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