秘められた最後の晩餐。フィレンツェ、旧サンタポッローニア修道院
旧サンタポッローニア修道院に行ってきました!
フィレンツェの誇る「最後の晩餐」。旧サンタポッローニア修道院(旧サンタポロニア修道院)内にあるアンドレア・デル・カスターニョの大作について、詳しくをご紹介します。
旧サンタポッローニア修道院とは?絶対行くべき理由ベスト3
- アンドレア・デル・カスターニョの傑作のひとつである点。
- 元修道院とセットで見学することが出来る点。
- 入場無料、事前予約なしで楽しめる点。
「旧サンタッポッローニア修道院」は、現地では「Museo del Cenacolo di Sant’Apollonia(サンタッポッローニアの最後の晩餐美術館/ムゼオ・デル・チェナーコロ・ディ・サンタッポッローニア)」の愛称で親しまれている、フィレンツェきっての観光スポット。元々修道院だった場所を美術館として一般開放しているのですが、最後の晩餐(チェナーコロ)にまつわる名画が楽しめることで知られています。
旧サンタポッローニア修道院 押さえておくべき魅力とは?
Via Ventisette Aprile沿いの入り口
「4月27日通り(ヴィア・ヴェンティセッテ・アプリーレ)」と「サンタ・レパラータ通り(Via Santa Reparata/ヴィア・サンタ・レパラータ)」の交差するあたりに建つ、旧サンタッポッローニア修道院。入口は修道院らしく、超質素。クリーム色の壁に小さく案内板(*写真は館内にある案内板です)が出ているだけなので、来館時は道に迷わぬよう、ご注意ください。扉の上のEUとイタリア国旗が道しるべです。
元食堂だった、メインフロア
入り口を抜けると小さな前室があり(ここにも何枚か美しい宗教画が飾られています)、そこを抜けるとすぐにメインフロアに到着します。天井が高く、かなり開放感溢れる空間。こここそが、1339年に設立したサンタッポッローニア修道院の食堂だった場所で、場所柄、一般の人が気軽に立ち入れる場所でなかった為、19世紀になってからようやく、多くの人々の脚光を浴びることになりました。
壁いっぱいに描かれたフレスコ画
メインフロアの中にはいくつか芸術作品がありますが、最も注目すべきは、壁一面に描かれた大きなフレスコ画といって間違いないでしょう。タテ約9.1メートル×ヨコ約9.75メートルの壁全体を覆う大作。大きく真ん中で2段に分かれており、いずれも1445年~1450年頃にアンドレア・デル・カスターニョ (Andrea del Castagno)が描いたフレスコ画となります。
下段に描かれた、最後の晩餐
大きく2段に分かれた作品のウチ、最も有名なのが、下段に描かれた「最後の晩餐」です。イエスさまを裏切ったユダが、画面手前に描かれていたり、イエスさまのお気に入りの弟子、使徒ヨハネ(ゼベダイの子ヨハネ)がイエスさまの隣で寝てしまっていたりするのが、なんともユニークな一枚。十二使徒それぞれの表情やしぐさを、端からじっくり観察していくのも面白いと思います。
上段に描かれた、3つのテーマ
上段には、実は3つのテーマが一画面に同時に描かれています。左から「イエスさまの復活」「十字架にかけられる場面(磔刑)」「処刑後十字架から降ろされる場面(降架)」となっており、時系列で見ると「真ん中→右→左」の順に物語が推移します。日本の絵巻物のような独特の手法。「異時同時法」というフィレンツェで生み出された技法で、ルネサンス絵画の象徴のひとつでもあります。
旧サンタポッローニア修道院 是非食べてほしい逸品
Coratella di agnello
「コラテッラ・ディ・アネッロ」は、仔羊のモツのこと。「コラテッラ」は、小さな動物のモツを表すイタリア語で、羊以外にウサギや鶏のモツなども含まれる為「ディ・アネッロ(仔羊の)」と書き添えられていることが多いです。ローズマリーなどのスパイスをたくさん入れて作るので、臭みはなく、美味しい一品。トマトベースのものなどもありますので是非好みのものを見つけてみて下さい。
旧サンタポッローニア修道院ワンポイントアドバイス
「主要絵画のイタリア語名」
ご紹介した絵画たちのイタリア語名をご紹介します。「最後の晩餐(Ultima Cena・ウルティマチェーナ若しくはCenacolo・チェナーコロ)」「イエスさまの復活(Resurrezione/レスレツィオーネ)」「磔刑(Crocifissione/クロチフィッシオーネ)」「降架(Deposizione/デポジツィオーネ)」。他の美術館で同じタイトルのものを見る機会もたくさんあるハズ!是非頭の片隅にいれておいていただけたら嬉しいです。
旧サンタポッローニア修道院観光での注意点
- 月曜から日曜の8時半から13時半迄開いています。
- 第1、第3、第5土曜日曜、クリスマス、元旦はお休みです。
- 入場無料です。
旧サンタポッローニア修道院は、近くに電車の駅がありません。館内にはベンチ(腰かけ椅子)がありますが、行きと帰りの体力をしっかり残して、体調を万全に整えておでかけください。
まとめ
なお、旧サンタポッローニア修道院はサンタ・マリア・ノヴェッラ駅から約1キロ。ドゥオーモから約800メートルほどの所にあります。主に午前中しか開いていない為、朝、旧サンタポッローニア修道院へ行き、その後街中(ドゥオーモなどのある歴史地区)へ向かうオススメ。ワンフロアで30分もあれば十分楽しめる観光スポットですので、是非足を延ばしてみてください。
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