頭上に広がる麗しの世界。ヴェネツィア、グリマーニ館美術館
グリマーニ館美術館に行ってきました!
ヴェネツィアにある「グリマーニ館美術館」。ヴェネツィアきっての観光スポット「ため息橋」にもその紋章が刻まれるほどの名家、グリマーニ家が所有していたお屋敷を利用した美術館で、とにかく「天井」に見どころが詰まっています。
グリマーニ館美術館とは?絶対行くべき理由ベスト3
- グリマーニ家の栄華の一端に触れられる点。
- 心奪われる華やかな天井画を堪能できる点。
- センス良く並べられた彫像作品を楽しめる点。
「グリマーニ館美術館(Museo di Palazzo Grimani/ムゼオ・ディ・パラッツォ・グリマーニ)」はヴェネツィア本島のカステッロ地区にあるグリマーニ家のお屋敷を利用した美術館。カンポ・ディ・サンタ・マリア・ファルモーザ(Campo di Santa Maria Formosa)区画のすぐ近くにあることから、お屋敷自体を「Palazzo Grimani di Santa Maria Formosa」と呼ぶこともあります。
グリマーニ館美術館 押さえておくべき魅力とは?
大階段を飾る天井画
グリマーニ宮美術館へは、ラーモ・グリマーニ通り(Ramo Grimani)にある出入り口から入ります。館内は展示品がひとところに集中している為、それ以外の場所では基本的に「天井画」が主役となります。こちらは入口入ってすぐのところにある「モニュメントの大階段(Scalone monumentale)」の天井で、1563年から1565年にかけて制作されたもの。化粧漆喰と絵画とのバランスが最高に美しい場所です。
ラオコーンのレプリカ
こちらは「Camaron d’oro(金のカマロン)」と名付けられた部屋。かつて壁を飾っていたタペストリーからその名が付いたそうですが、他の部屋と比べて展示物がやや多めな点が特長です。中でもひと際存在感を放っているのが、窓際に設置された「ラオコーン像」。ラオコーン像といえば、1506年にローマで発掘されたイタリアで最も有名な彫像のひとつ。もちろん、本物はヴァチカン市国にあり、こちらは発掘当時、グリマーニ家に贈られたレプリカとなります。
葉っぱの広間
打って変わって、こちらは天井画が大変見ごたえのある部屋。カミッロ・マントヴァーノ(Camillo Mantovano)が手掛けた緑豊かな「葉っぱの広間(Sala di fogliami)」です。1560年代に整えられた場所で、自然への賛歌をテーマとしています。館内には他にも天井画が美しい部屋はいくつもありますが、神話や宗教、歴史に紐づいていないこちらの部屋は、子供から大人まで誰でも楽しめることでしょう。
彫像がざっくざく、トリブーナ
お待ちかね。こちらは館内で最も有名かつ、美術品が多く並ぶ「トリブーナ(Tribuna)」と呼ばれる部屋です。サッカースタジアムの一番高い観戦席などにも使われる「トリブーナ」というイタリア語。その名の通り、壁にはずらりと彫像が。そして入口付近を見ると、突き当たりに先ほどご紹介したラオコーン像がちらりと見え、なんともカッコイイ雰囲気を醸し出しています。
トリブーナの天井
トリブーナは天井も必見。ローマの建築物に強い興味を持っていたジョヴァンニ・グリマーニがパンテオンをモデルに整えたという天井は、たしかに天井の一点から光が差し込み、なんとも神聖な気持ちにさせてくれます。真ん中に下がっている彫像は神話に登場する「ガニュメデスの略奪」 のシーンを表現したもの。鷲に変身したゼウスが想いを寄せるガニュメデスを誘拐してしまう、ドラマチックな瞬間が切り取られています。
グリマーニ館美術館 是非食べてほしい逸品
Granseola
「クモ蟹(グランセオラ)」は、ヴェネツィア周辺でよく食べられている蟹の一種。クモのような細長い足が特長的なタラバ蟹サイズの比較的大きな蟹で、甲羅を器にしたパスタやリゾットなども定番です。一応シーズンは冬なのですが、冷凍品などもあるため、それ以外のシーズンでも食べられるチャンスがあります。カニ好きの方は是非味わってみてください。
グリマーニ館美術館ワンポイントアドバイス
「ヴェネツィアにはグリマーニ家のお屋敷がたっくさん!」
ヴェネツィア本島の中には、グリマーニ家のお屋敷が複数あります。グリマーニ館美術館以外に有名なのが「Palazzo Grimani di San Luca(グリマーニ・ディ・サン・ルカ宮)」。また「Palazzo Vendramin Grimani(ヴェンドラミン・グリマーニ宮)」という場所もありますのでご注意ください。特にグリマーニ・ディ・サン・ルカ宮については、時々日本のガイドブックでも間違って写真掲載されているものを散見します。
グリマーニ館美術館観光での注意点
- 火曜から日曜の10時から19時迄開いています。
- 月曜はお休みです。
- 入場料は15ユーロです。
元旦、クリスマス、メーデーはお休みです。また最終入場時刻は閉館時間の30分前(18時半)となりますのでご注意ください。入り口は「Ramo Grimani」の突き当たりです。
まとめ
2008年にオープンしたグリマーニ宮美術館。実は開館当初は現在ほどたくさんの美術品は飾られておらず(それゆえ入場料もお手頃でしたが…)、トリブーナもイベントを機に一気に現在のような華やかな空間へと進化しました。これからさらに私たちを楽しませてくれるであろう美術館。是非、昔一度ご来館されたことがある方も、改めて足を運んでみてください。
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