ミケランジェロがプロデューサー!ローマ、ピア門

ミケランジェロがプロデューサー!ローマ、ピア門|イタリア観光ガイド

ピア門に行ってきました!

かつてローマ市内を、敵から守るべくぐるりと囲んでいた城壁。その出入り口の1つとして活躍していた「ピア門」は現在でも非常にきれいな状態で保存されています。その様子を詳しくご紹介します。

ピア門とは?絶対行くべき理由ベスト3

おすすめのポイント
  1. ミケランジェロゆかりの地の一つである点。
  2. ローマの城壁の歴史について知識を深められる点。
  3. イタリア統一の歴史の現場に触れることが出来る点。

「ピア門(Porta Pia/ポルタ・ピア)」はかつて、ローマを外敵から守るために設置された城壁の一部。建設を指示したローマ教皇ピウス4世(Pio IV)にちなんでこの名が付きました。設計にはあの、イタリアが生んだ巨匠ミケランジェロも携わっているというのだから驚き。門が完成したのは彼の亡くなったちょっと後…ということで、ミケランジェロの遺作の一つとも言われています。

ピア門 押さえておくべき魅力とは?

ミケランジェロも携わった外観

ガイドブックなどでピア門が紹介される際、おそらく使われているであろうショットがこちらのヴェンティ・セッテンブレ通り(Via Venti Settembre)から見た優美な姿。まるでお屋敷!?のようなゴージャスな外観は、ダヴィデ像の作者として知られるミケランジェロが人生最後に設計に携わったもので、ファンにととっては聖地のひとつでもあります。

反対側から見たピア門の姿

ピア門の面白い点は、反対側から見ると、全く違う姿をしている点。ポリクリニコ通り(Viale del Policlinico)から望むピア門の外観は、ヴィルジニオ・ヴェスピニャーニ(Virginio Vespignani)が後年、手掛けたしたもの。1853年に損傷部分の修復と拡張工事を行った際にあれこれ追加したため、反対側から見ると、ミケランジェロ設計部分の面影はなく、まるで違う門のように見えます。

かつて存在した門の存在

ピア門の外観に刻まれた碑文曰く、1575年にピア門が出来た際、もともと使っていた「ノメンターナ門(Porta Nomentana)」が閉鎖されたそう。そもそもこれらの門は、当時ローマをぐるりと囲んでいたアウレリアヌス城壁の出入り口だった場所。街の人口増等に伴い、壁の位置を修正した際、門の位置もちょこっとだけズレて、ノメンターナ門⇒ピア門へと置き換えられました。ノメンターナ門は現在はありませんが、周辺には当時の城壁跡が残っています。

碑文から読み取れること

ノメンターナ門にまつわる記述は、ヴェンティ・セッテンブレ通り側の外壁の碑文に書かれていること。反対側にはさらに長い碑文が掲げられており、ヴィルジニオ・ヴェスピニャーリによる再建時、ローマ教皇だったピウス9世(在位:1846年-1878年)にまつわる、ある事故からの脱出劇について書かれています。真下まで行った際は、扉の横に飾られた聖アグネス(女性)と聖アレッサンドロ(男性)の彫像もお見逃しなく。

真下からみる美しい装飾たち

実はミケランジェロが設計したといわれるピア門は、設計図が約460年間絶賛紛失中!当時つくられた記念硬貨などと見比べると、どうやら現在私たちが見ているピア門の姿とはかなり異なっているようで…どこまでがミケランジェロの設計図に則って造られたものなのかは、いまだに謎多き点があります。とはいえ、誰が見ても「美しい!」と思えるようなピア門。入口の上には天使に囲まれ、ピウス4世のご実家、メディチ家の紋章が飾られています。

ピア門 是非食べてほしい逸品

Breccia Bistrot

「ブレッッチャ・ビストロ」はピア門から300メートルほど歩いた所にあるファストフードのお店。新しいお店で清潔感があり、座って足の疲れを取ったり、軽食を食べたりするのにもってこいです。ランチに良さそうなハンバーガーやパニーニなどもあり、外にはテラス席もたくさん。盛り付け方やお皿、カトラリーなどもイマドキっぽくて可愛いです。是非覗いてみてください。

ピア門ワンポイントアドバイス

「メディチ家の紋章の上には…」
ピア門に掲げられたメディチ家の紋章。その上にある丸(○)は時計…?と思いきや、針も文字盤もありません。実はこれ、なんと「石鹸」と「洗面器」と「タオル」。ピウス4世のご先祖さまに床屋さんがいたことから、ミケランジェロが床屋さんのシンボルであるこれらを外観に刻んだそうです。タオルはフリンジ付きなので、マフラーにも見えるかも…。とにかく一度、ご覧あれ。

ピア門観光での注意点

ピア門観光での注意点
  1. 周辺は交通量が多いので、車に気を付けて見学しましょう。
  2. 門の中は博物館になっています。
  3. 見学は無料(博物館も無料)で出来ます。

現在ピア門の中は、歩兵部隊歴史博物館(Museo Storico dei Bersaglieri)になっています。月曜から金曜の9時から15時まで自由に見学出来ますので、興味のある方は立ち寄ってみてください。

まとめ

ピア門はローマの城壁の歴史に触れられる場所であると同時に、イタリア王国建国ゆかりの地でもあります。ヴェンティ・セッテンブレ通りの”ヴェンティ・セッテンブレ”も日本語にすると9月20日で、イタリアの兵士たちが城壁を破ってローマを攻略した日。門の中にある「歩兵部隊歴史博物館」ではまさにその当時にまつわる貴重な品々が飾られています。様々な角度からイタリアが学べる場所。是非機会があれば立ち寄ってみてください。

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