謎の足跡を解明せよ!ローマ、ドミネ・クォ・ヴァディス教会
ドミネ・クォ・ヴァディス教会に行ってきました!
ローマの南側に広がるアッピア街道州立公園。この内にある「ドミネ・クォ・ヴァディス教会」というちょっと変わった名前の教会は、小さな建物の中に、大きな秘密が隠されているんです!
ドミネ・クォ・ヴァディス教会とは?行くべき理由ベスト3
- イエスさまと聖ペトロのゆかりの地である点。
- アッピア街道州立公園とセットで見学できる点。
- 旧アッピア街道を歩ける点。
「ドミネ・クォ・ヴァディス教会(Chiesa del Domine Quo Vadis/キエーザ・デル・ドミネ・クォ・ヴァディス)」は、ローマ陸の玄関口こと”ローマ・テルミニ駅”から南へ約6キロ進んだ所にある教会。周辺には「アッピア街道州立公園」が広がっており、丸々一日いても遊び尽くせないほど、たくさんの見どころに溢れています。
ドミネ・クォ・ヴァディス教会 押さえておくべき魅力とは?
手前にある道しるべ
約4,580ヘクタールもある広大な、アッピア街道州立公園(Parco Regionale dell’Appia Antica/パルコ・レジョナーレ・デッラッピア・アンティカ)の中にあるドミネ・クォ・ヴァディス教会。広大な敷地の中から教会を探す際に道しるべとなるのが「セポルクロ・ディ・プリシッラ(Sepolcro di Priscilla/プリシッラのお墓)」です。これは西暦1世紀に建てられたもの。この円筒形の塔が見えれば、まもなく教会が見えてきます。
かわいらしい外観
現在私たちが見ることの出来る教会は、9世紀に建てられた礼拝堂を1637年に再建したもの。窓の上にあしらわれた3匹のハチの紋章は、再建を指示したフランチェスコ・バルベリーニ(Francesco Barberini)枢機卿(ローマ教皇の最高顧問)のご実家、バルベリーニ家のものです。扉上に刻まれている「ドミネ・クォ・ヴァディス」は「主よ、どこへ行かれるのですか?」という、聖書の中に書かれた有名なフレーズのひとつ。その意味とは…後ほどご説明します!
館内の様子
館内突き当たり、中央祭壇には、聖母子(サンタ・マリア・イン・パルミス/Santa Maria in Palmis)の祭壇画が飾られています。教会自体も実は正式名称はこの宝物にあやかり「サンタ・マリア・イン・パルミス教会(Chiesa di Santa Maria in Palmis)」というのですが、次項でご紹介する「あること」が理由で「ドミネ・クォ・ヴァディス」と呼ばれるようになりました。
イエスさまの足跡
こちらが「ドミネ・クォ・ヴァディス」と呼ばれるようになった最大の理由。イエスさまの足跡のレリーフです。「主よ、どこへ行かれるのですか?」とは、弟子の聖ペトロがイエスさまに対して言った言葉。ペトロはまさにこの場所で十字架にかけられるべく目的地へ向かうイエスさまに出会い、「どこへ行くの?」と質問をしたため、教会の名前に反映されるようになりました。
館内にあるポーランド人の彫像
祭壇近くにあるブロンズ像。こちらも実は「ドミネ・クォ・ヴァディス」にゆかりのある芸術作品なんです。これは、ポーランド人のノーベル文学賞受賞作家、ヘンリク・シェンキェヴィチ(Henryk Sienkiewicz)の胸像。彼はイタリア滞在中、まさに前述のエピソードを盛り込んだ小説「クォ・ヴァディス(Quo Vadis)」を執筆したことで有名。そのことがきっかけでこの地に胸像が設置されることとなりました。
ドミネ・クォ・ヴァディス教会 是非食べてほしい逸品
Mondo Arancina
「モンド・アランチーナ」は、地下鉄レパント駅(Lepanto)から歩いて5分ほどの所にあるアランチーニのお店。アランチーニは平たく言うと”ライスコロッケ”のような食べ物で、ナポリがメッカなのですが、現在ではイタリア全土で気軽につまめるファストフードとして親しまれています。モンド・アランチーナはアランチーニ以外にもナポリのグルメが気軽に食べられる点が(写真は”カンノーロ”)◎是非ローマ旅行にアクセントを付けたい方は立ち寄ってみてください。
ドミネ・クォ・ヴァディス教会ワンポイントアドバイス
「イエスさまの足跡の正体」
教会の中に入ってスグの所にある、イエスさまの足跡。もちろん実際はこの大理石の上にイエスさまが直接乗ってレリーフを制作したわけではなく、オリジナルの足跡(足型)をもとに本レリーフがつくられました。ということでオリジナルがあるのは…サン・セバスティアノ・フオーリ・レ・ムーラ聖堂(Basilica di San Sebastiano fuori le Mura)。足跡(足型)は礼拝堂内に飾られていますので、機会があれば是非見に行ってみて下さい。
ドミネ・クォ・ヴァディス教会 での注意点
- 冬季は8時から19時迄開いています。(火曜、木曜は20時迄)
- 夏季は8時から20時迄開いています。
- 入場無料です。
夏季は4月1日から10月31日、冬季は11月1日から3月31日迄となります。近くに鉄道の駅がないため、バスまたはタクシー(車)を利用するのが吉。バスの場合「Appia Antica/Domine Quo Vadis」という同名のバス停が教会の目の前に停車します。
まとめ
ドミネ・クォ・ヴァディス教会自体はこじんまりとした観光スポット。ですが、広大なアッピア街道州立公園の中にはこれ以外にも10を超えるたくさんの観光スポットが密集しています。ローマ中心部から少し離れた場所にありますが、古代ローマ時代に興味がある方にとっては、ゆっくり時間を取ってでも、遊びに行ってみる価値アリ!是非足を延ばしてみてください。
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