ローマのゲットー地区にある、 チンクエ・スコーレ広場

チンクエ・スコーレ広場に行ってきました！

ローマの「チンクエ・スコーレ広場」は、16世紀に整えられたゲットー地区（旧ユダヤ人居住区）の中にある広場。ここならではの見どころを広場の歴史とともにご紹介します。

チンクエ・スコーレ広場とは？絶対行くべき理由

「チンクエ・スコーレ広場（Piazza delle Cinque Scòle/ピアッツァ・デッレ・チンクエ・スコーレ）」は、ローマの中心部を流れるテヴェレ川付近に中世の頃に設けられた、ゲットー地区の一角にある広場。決して大きな広場ではないのですが、この場所ならではの建物やモニュメントがたくさんあり、イタリア観光、ローマ観光にアクセントをつけることが出来ます。

チンクエ・スコーレ広場 押さえておくべき魅力とは？

ゲットー地区ならではの雰囲気

チンクエ・スコーレ広場があるのはローマのゲットー地区の一角。ゲットー地区とは、いわゆる旧ユダヤ人居住区のことで、ローマ教皇パウルス4世（在位：1555年から1559年）の時代に、ローマに点在していたユダヤ人たちをひとところに集め、隔離する為に形成されました。建物等にヘブライ語が刻まれていたり、独特の食料品が売られていたり、ローマ市内の中でもちょっとだけ異なる雰囲気が味わえる点がポイント。

”チンクエ・スコーレ”の名前にまつわる歴史

”チンクエ・スコーレ”とは”5つの学校”という意味のイタリア語。この場所に1628年、ジローラモ・ライナルディ（Girolamo rainaldi）によって宗派の微妙に異なる「Scòla Nova」「Scòla del Tempio」「Siciliana」「Castigliana」「Catalana」という5つのユダヤ人の為の教育機関が整えられたことからその名が付きました。

Palazzo Cenci-Bolognetti

こちらは広場の南側にあるチェンチ・ボロネッティ家のお屋敷（パラッツォ・チェンチ・ボロネッティ）。チェンチ家は11世紀から続く名門中の名門貴族（チェンチ・ボロネッティ家は1723年にチェンチ家とボロネッティ家による結婚を機に出来た家系です）。ゲットー地区周辺だけでも、サン・トマッソ・アイ・チェンチ教会（Chiesa di San Tommaso ai Cenci）やチェンチ宮（Palazzo Cenci）など彼らのゆかりの場所がたくさんあります。

Fontana di piazza delle Cinque Scole

広場のシンボルといえば中央にある「チンクエ・スコーレ広場の噴水（フォンターナ・ディ・ピアッツァ・デッレ・チンクエ・スコーレ）」。イタリアを代表する芸術家、ジャコモ・デッラ・ポルタ（Giacomo Della Porta）がデザインしたもので、すぐ横にあるサンタ・マリア・デルピアント教会にちなんで「ピアントの噴水（Fontana del Pianto/フォンターナ・デル・ピアント）」と呼ばれることもあります。

足元にあるストルパーシュタイン

ゲットー地区を歩いていると地面に金色の小さなレリーフがあることに気付きます。これは「ストルパーシュタイン（つまづきの石）」と呼ばれるもの（伊：Pietre d’inciampo/ピエトレ・ディンチャンポ）。第二次世界大戦中、ナチスによる迫害を受けた人々（ユダヤ人等）の名前などが刻まれたプレートで、ローマには329個のストルパーシュタインが設置されています。

チンクエ・スコーレ広場 是非食べてほしい逸品

Kosher Cakes

「コーシャ・ケイクス」は、ユダヤ教の人たちが食べても良いもの（コーシャ,ユダヤ教の聖典には食べて良いものと、いけないものが細かく決められています）を扱うお菓子屋さん。Sufganiyah（スフガニーヤ）やハッラー（Challah）といったユダヤ教徒ならではのスイーツが揃っていて、イタリアのお菓子とはまた違った逸品を味わうことが出来ます。

チンクエ・スコーレ広場 ワンポイントアドバイス

「ヴェネツィアにもある”ゲットー地区”」
イタリアにあるゲットー地区と言えばヴェネツィアのものも有名。現地では「Ghetto di Venezia（ゲットー・ディ・ヴェネツィア）」と呼ばれています。ヴェネツィアの陸の玄関口”ヴェネツィア・サンタ・ルチーア駅”から歩いて10分弱のところにありますので、陸路でヴェネツィアにお越しの際は、機会があれば是非足を延ばしてみてください（治安が若干悪い為、日中に行くのがベターです）。

チンクエ・スコーレ広場での注意点

チンクエ・スコーレ広場周辺には地下鉄の駅がありません。パンテオンやナヴォーナ広場といった有名観光スポットから徒歩約10分のところにありますので、セットでの観光がオススメです。

まとめ

チンクエ・スコーレ広場や周辺は、ローマの歴史地区とは少し赴きの異なる風景に出会いたい方にはもってこいの場所。レストランで頂けるお食事やスーパー、日用品店などで売られているものも、イタリア特有のものとは少し異なる為、それらを見て回るだけでも好奇心がそそられると思います。機会があれば是非遊びに行ってみてください！