遺跡の後ろに潜む。ローマ、サンタンジェロ・イン・ペスケリーア教会

遺跡の後ろに潜む。ローマ、サンタンジェロ・イン・ペスケリーア教会|イタリア観光ガイド

サンタンジェロ・イン・ペスケリーア教会に行ってきました!

「サンタンジェロ・イン・ペスケリーア教会」は、ローマの古代遺跡群のひとつ、オッタヴィーアのポルティコの後ろにひっそりと立つ穴場スポット。その不思議な立地や外観、内部の魅力をご紹介します。

サンタンジェロ・イン・ペスケリーア教会とは?絶対行くべき理由

おすすめのポイント
  1. 古代遺跡とドッキングした不思議な教会である点。
  2. 紀元前の古代ローマ遺跡をセットで楽しめる点。
  3. 観光客でごった返すことが少ない点。

「サンタンジェロ・イン・ペスケリーア教会(Chiesa di Sant’Angelo in Pescheria/キエーザ・ディ・サンタンジェロ・イン・ペスケリーア)」は、ローマのゲットー地区(旧ユダヤ人街)にある教会。周辺はかつて、カンプス・マルティウス(Campo Marzio)という街が栄えていた為、右に左に当時の貴重な遺跡がゴロゴロしており、教会自体もそのウチの1つにドッキングする形で建てられています。

サンタンジェロ・イン・ペスケリーア教会 魅力とは?

教会の前にある謎の遺跡

地図に従ってサンタンジェロ・イン・ペスケリーア教会を目指すと…教会の前になにやら大きな遺跡があって、びっくりさせられます。こちらは「オッタヴィーアのポルティコ(Portico d’Ottavia)」。”ポルティコ”とは、いわゆるアーケード街を指すイタリア語で、パッと見は門のように見えるのですが、現役で使われていた頃は、この場所を起点に両サイドに長いポルティコが続いていました。

遺跡にドッキングした教会の入口

オッタヴィーアのポルティコがつくられたのは紀元前27年から23年。初代ローマ皇帝アウグストゥスが、姉の小オクタヴィア(オッタヴィーア)に捧げるべく建設が進められました。その後、長い年月を経てポルティコはお役目を終え廃墟に…。当時の建物の材料を生かしてローマ教皇ステファヌス2世が752年に建設を指示したのが、今日のサンタンジェロ・イン・ペスケリーア教会の姿となります。

外観とガラリと異なる館内の風景

ごつごつとした遺跡を基調とした外観とは打って変わって、館内はいわゆる普通⁈の教会の姿をしています。正面突き当たりに飾られているのは、大天使ミカエル(サン・ミケーレ・アルカンジェロ/San Michele Arcangelo)のフレスコ画。イタリアを代表する画家、グイド・レーニ(Guido Reni)が1635年に手掛けたもののコピーとなります。

Cappella di Sant’Andrea

左右に並ぶ礼拝堂の中から、心に残ったものをご紹介。こちらは、聖アンドレアの礼拝堂(カペッラ・ディ・サンタンドレア)の床に飾られている可愛らしい装飾。”オプス・セクティレ”という、大理石やガラスなどを使ってつくる中世ならではの装飾技法が取り入れられており、貴族の象徴である鹿、忠実さの象徴であるガチョウが大きな魚の上に描かれています(魚の秘密は後ほどご紹介します!)。

ベノッツォ・ゴッツォリの聖母子像

こちらはフィレンツェ出身の初期ルネサンス時代を代表する画家、ベノッツォ・ゴッツォリ(Benozzo Gozzoli)の描いた聖母子と天使のフレスコ画(Madonna col Bambino e angeli)。館内左手に飾られている貴重な一枚で、当時売れっ子だったベノッツォ・ゴッツォリが、バチカン宮殿礼拝堂の装飾を担当するべくローマへ赴いた際に、本作も制作されました。

サンタンジェロ・イン・ペスケリーア教会 是非食べてほしい逸品

La dolceroma

「ラ・ドルチェローマ」は、サンタンジェロ・イン・ペスケリーア教会の正面左手にあるお菓子屋さん。オーストリアやドイツのお菓子を中心に扱っているローマではちょっと珍しいお店で、店内ではイタリアではなかなか食べることの出来ない逸品をチョイスすることが出来ます。写真は薄いスポンジとチョコレートクリームを重ねて作る”ドボシュトルタ”。ご興味のある方は、是非覗いてみてください♪

サンタンジェロ・イン・ペスケリーア教会 ワンポイントアドバイス

「ペスケーリアとは」
教会の名前の中にある”ペスケーリア”とは「魚屋さん,魚市場」のコト。その昔、この場所が魚市場で栄えていたことからその名が付きました。聖アンドレアの礼拝堂の床装飾の中にある魚の絵も、このことに由来するもの。現在でも魚屋さんや魚市場のことは「ペスケーリア(Pescheria)」と言いますので、街歩きの際は魚売場の看板にぜひ注目してみてください。

サンタンジェロ・イン・ペスケリーア教会での注意点

サンタンジェロ・イン・ペスケリーア教会での注意点
  1. 入口はオッタヴィーアのポルティコの奥にあります。
  2. 毎日見学可能ですが、夕方(17時半~19時半頃)はミサをやっている可能性があります。
  3. 入場無料です。

サンタンジェロ・イン・ペスケリーア教会の入口はオッタヴィーアのポルティコの奥にあります。夕方になると毎日ミサが行われますので、ミサ中に来館した時は、いつも以上にマナーを守って見学しましょう。

まとめ

オッターヴィアのポルティコがドッキングした不思議なサンタンジェロ・イン・ペスケリーア教会。教会の周りをぐるり一周すると、他の場所でもオッターヴィアのポルティコの遺跡を見ることが出来ます。事前にインターネットなどで、当時のオッタヴィーアのポルティコやカンプス・マルティウスの街の復元画像、映像などを見ておくと、より理解が深まりますよ!是非時間がある方は、試してみてください♪

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