世界の巨匠たちの絵画に会いに。ジェノヴァ、スピノーラ宮国立絵画館

世界の巨匠たちの絵画に会いに。ジェノヴァ、スピノーラ宮国立絵画館|イタリア観光ガイド

スピノーラ宮国立絵画館に行ってきました!

イタリアの世界遺産にも登録されているスピノーラ宮殿。館内は「スピノーラ宮国立絵画館」として誰でも見学することが出来ます。いったいどんな絵画に出会えるのか!?個人的に心惹かれたものを5つ厳選してご紹介します。

スピノーラ宮国立絵画館とは?絶対行くべき理由ベスト3

おすすめのポイント
  1. 世界遺産の宮殿の中で絵画鑑賞出来る点。
  2. イタリア国外の著名画家の作品に触れられる点。
  3. 街中にあり徒歩で簡単にアクセス出来る点。

「スピノーラ宮国立絵画館(Gallerie Nazionali di Palazzo Spinola/ガレリエ・ナツィオナーリ・ディ・パラッツォ・スピノーラ)」は、その昔、スピノーラ家を始めとするジェノヴァの名門貴族たちが住んでいたお屋敷を国立の絵画館として一般開放しているもの。貴族たちのコレクションや彼ら自身の肖像画、イタリア国外から集められた選りすぐりの絵画が一同に会しています。

スピノーラ宮国立絵画館 押さえておくべき魅力とは?

この人を見よ

館内で最も多くの人を集めているのが、世界各国の有名美術館に作品が展示されるほどの著名画家、アントネロ・ダ・メッシーナ(Antonello da Messina)の「この人を見よ (Ecce homo/エッケ・ホモ)」という作品です。これはカトリックの宗教画でよく描かれるテーマの一つ。十字架にかけられる前のイエスさまを群衆に紹介するシーンがモチーフになっています。

ルーベンスの描いたドーリア家の肖像

こちらはルーベンスが1606年に手掛けた「馬に乗ったジョヴァンニ・カルロ・ドーリア」を描いた一枚(Ritratto di Giovanni Carlo Doria a cavallo)。ルーベンスはフランドル地方(現在のオランダ南部、ベルギー西部、フランス北部あたり)出身の画家ですが、当時フランドル地方とジェノヴァは商業での密なやりとりがあった為、ルーベンスも芸術における交流のため、何度もジェノヴァを訪れていました。

肖像画の巨匠の若き日の一枚

可愛らしい男の子が印象的なこちらの作品は、アンソニー・ヴァン・ダイク(伊:Antoon Van Dyck)が22歳の時に描いたパラヴィチーノ家のアンサルド・パラヴィチーノの肖像画(Ritratto di Ansaldo Pallavicino)。肖像画の巨匠として知られるアンソニー・ヴァン・ダイク。この作品をはじめとする、ジェノヴァでの活躍によって、その腕が評価され、その後、世界に名を馳せるようになったと言われています。

ユニークな調度品たち

ルーベンスもアンソニー・ヴァン・ダイクもフランドル地方出身の画家。このことからも、当時ジェノヴァがいかに外国との交流を盛んに行っていたかがわかります。館内にはお屋敷の中に置かれていた調度品の展示も。こちらは「トゥリパニエーラ(Tulipaniera)」と呼ばれる花瓶で、チューリップ(Tulipano)に由来する名前が付いたもの。ちょっとした調度品からも異国情緒を感じられるので見逃せません。

18世紀の陶器類

イタリアの宮殿美術館では、そのお屋敷で使われていた食器類が展示されていることがしばしば。個人的に普段はあまりじっくり見ることはないのですが(なにせ膨大な量なので…)スピノーラ宮国立絵画館の上階に展示されている食器類たちは、色やデザインが斬新なものが多く、ずっと見ていたくなるものばかりでした。例えばこちらのお皿。18世紀のものですが、お皿の上にまるで果物が乗っているかのような、臨場感に溢れています。

スピノーラ宮国立絵画館 是非食べてほしい逸品

Cappon magro

「カッポン・マーグロ」はジェノヴァのあるリグーリア州周辺でよく食べられている、魚介を使ったメインディッシュサラダ。マグロは「痩せている,脂肪がない」といった意味のイタリア語で、昔はカトリックの宗教行事(断食日等)にあわせて食べられていました。コブサラダのようなものから、煮こごりのようなもの、デコレーションケーキのようなものまで種類は様々。是非現地で味わってみてください。

スピノーラ宮国立絵画館ワンポイントアドバイス

「ドーリア家ゆかりの品もあわせてチェック」
スピノーラ宮の「スピノーラ」は、最後にこのお屋敷のオーナーであった、スピノーラ家に由来する名前ですが、かつて、肖像画でも登場した「ドーリア家」が宮殿を所有していた時期もありました(ゆえに館内にはドーリア家ゆかりの品もたくさんあります)。黄色と白の背景に、王冠を被った鷲の紋章がトレードマーク。館内のタペストリーや調度品はもちろん、街中でもちょくちょく見かけると思いますので、是非探してみてください。

スピノーラ宮国立絵画館観光での注意点

スピノーラ宮国立絵画館観光での注意点
  1. 火曜から土曜は8時半から19時半迄開いています。
  2. 日曜祝日は13時半から19時半迄開いています。
  3. 月曜休館です。

スピノーラ宮殿の見学スペースは主に5階まで。館内は意外に広いので、滞在時間が少ない方は、目的に合わせて見学ルートをあらかじめ決めておくと良いかもしれません。入場料は6ユーロです。

まとめ

スピノーラ宮国立絵画館のあるスピノーラ宮殿は、「ロッリ制度」と呼ばれる、海外からの要人たちに、地元の貴族たちのお屋敷を貸し出す制度(民泊の先駆け!?)に登録されていた由緒正しきお屋敷。海洋大国ジェノヴァの中でも特に海外との密な交流があったため、館内にも他の美術館では見られないような、ユニーク作品を目の当たりにすることがあります。荒天時の観光スポットとしてもオススメです。是非足を運んでみてください。

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