エトルリア文明を知る。ローマ、ヴィラ・ジュリア国立博物館

エトルリア文明を知る。ローマ、ヴィラ・ジュリア国立博物館|イタリア観光ガイド

ヴィラ・ジュリア国立博物館に行ってきました!

ローマの北側にある地下鉄「Flaminio(フラミニオ)駅」から徒歩10分ほどの所にある「ヴィラ・ジュリア国立博物館」。16世紀に建てられたユリウス3世の別荘を使った博物館の見どころをご紹介します。

ヴィラ・ジュリア国立博物館とは?絶対行くべき理由ベスト3

おすすめのポイント
  1. ローマ教皇の別荘を利用したユニークな博物館である点。
  2. 古代都市、エトルリアについての理解を深められる点。
  3. 美しい別荘と美術品をセットで鑑賞できる点。

「ヴィラ・ジュリア国立博物館(Museo Nazionale Etrusco di Villa Giulia/ムゼオ・ナツィオナーレ・エトゥルスコ・ディ・ヴィッラ・ジュリア)」は、元ローマ教皇の別荘を使って1889年にオープンした博物館。主にエトルリア(紀元前10世紀から紀元前1世紀頃にイタリア中部で栄えた都市)にまつわる美術品が一堂に会しており、普段とは一味違ったイタリアの文化に触れることが出来ます。

ヴィラ・ジュリア国立博物館押さえておくべき魅力とは?

Sarcofago degli sposi

ヴィラ・ジュリア国立博物館の「顔」といえば、こちらの19世紀に発見された「夫婦の棺(サルコファーゴ・デッリ・スポージ)」です。宴会場で”トリクリニウム”と呼ばれる寝椅子に横たわる夫婦を表現した棺。紀元前6世紀頃の富裕層の暮らしぶりを伺い知ることの出来る貴重な宝物で、男女が身分の差無く、平等に描かれている点もポイントです。

Lamine di Pyrgi

「ピルジの金箔(ラミネ・ディ・ピルジ)」は、エトルリアの都市ピルジで1964年に見つかった貴重な3枚の金箔。遠くから見るとただの金箔に見えますが、近くで見ると文字(エトルリア語とフェニキア語)が書かれています。こちらも夫婦の棺と同じく、紀元前6世紀頃のもの。この金箔の発掘によって、エトルリア語とフェニキア語の解読が一気に進みました。

エトルリアの壺たち

こちらもエトルリアの文化を知る上で重要な手がかりとなる壺。素材や形状、美しい装飾から当時の文化を伺い知ることが出来ます。(写真は別のものですが)とりわけ有名なのが「Olpe Chigi(オルペ・キージ)」。紀元前640年頃につくられたと言われる取っ手付きの壺(オルペ)で、ローマの貴族、キージ家が所有していたことからその名が付きました。

Tempio di Alatri

「アラトリ神殿(テンピオ・アラトリ)」は博物館の南側の庭園に立つお堂。ローマから80キロほど東にあるアラトリという街で1882年に見つかったもので(現在は修復され綺麗な状態で展示されていますが)オリジナルのものは紀元前3世紀から2世紀頃に建てられたと言われています。博物館の開館当時からある貴重な展示品のひとつ。周辺の美しい庭園も必見です。

Testa di Leucotea

こちらは「レウコテアの頭(テスタ・ディ・レウコテア)」(”レウコテア”はギリシャ神話に登場する海の女神です)。紀元前4世紀頃にピルジ(金箔が見つかった都市と同じ場所)に建っていた神殿の装飾品として使われていたと言われています。ピルジはローマから電車で1時間ほどの所にある港町。現在ピルジ自体はありませんが、サンタ・セヴェーラ(Santa Severa)というリゾート地が広がっており、夏は多くの海水浴客で賑わいます。

ヴィラ・ジュリア国立博物館 是非食べてほしい逸品

Insalata di anguria

「インサラータ・アングリア」はすいか(アングリア)のサラダ(インサラータ)のコト。日本ではあまり見かけないかもしれませんが、イタリアでは結構定番で、夏になるとレストランでもちょくちょく見かけるようになります。塩とオリーブオイルで頂くので、スイカの自然な甘みが引き立って疲れた身体に効果テキメン!夏にローマ旅行をされる方は、是非頼んでみてください。

ヴィラ・ジュリア国立博物館ワンポイントアドバイス

「エトルリアとは」
エトルリアは現在のフィレンツェの辺りにあった都市。紀元前7世紀から6世紀頃に最も栄えたため、その頃の出土品が博物館でも多く見られます。最終的にはローマに制圧され衰退。エトルリア語が解明されてないことから、まだまだヴェールに包まれた部分の多い文明ですが、それだけに1つの発見が全体を大きく左右する面白さがあります。

ヴィラ・ジュリア国立博物館での注意点

ヴィラ・ジュリア国立博物館での注意点
  1. 入場料は10ユーロです。
  2. 火曜から日曜の9時から20時迄開いています。
  3. 元旦とクリスマスはお休みです。

ユリウス3世(ジュリオ,ジュリア)の邸宅(ヴィラ)や庭園のみ見学したい方も、入場券が必要となります。また夏場は日差しが強いので、庭園を散策予定の方は熱中症などにご注意ください。

まとめ

ヴィラ・ジュリア国立博物館では、ローマ市内で多く観られる古代ローマ遺跡、中世ヨーロッパ遺跡よりさらに昔の歴史に触れることが出来ます。教会や宗教画などをたくさん見学し「ちょっとお腹いっぱい…」なんて時に、雰囲気をガラリと変えるべく訪れるのにも最適。日本でいう縄文時代、弥生時代に遠く海の向こうで興った文明を、たっぷりとお楽しみください。

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。