ロンバルディア州の隠れた美術品が大集合。クレモナ市立博物館

クレモナ市立博物館に行ってきました！

ロンバルディア州の都市クレモナ。北イタリアの優雅でのどかな雰囲気が漂う街の中にある「クレモナ市立博物館（アラ・ポンツォーネ市立美術館）」は、クレモナで美術鑑賞を楽しみたい方には絶対外せないスポットです。

クレモナ市立博物館とは？行くべき理由

「クレモナ市立博物館」は正式名称を「アラ・ポンツォーネ市立博物館（Museo Civico Ala Ponzone/ムゼオ・チーヴィコ・アラ・ポンツォーネ）」と言います。16世紀に建てられた貴族のお屋敷に集められた美術品の数々は、クレモナ市内で最も重要な宝物ばかり。駅からのアクセスも良いので、冬の寒い日や荒天時の観光スポットとしてもオススメです。

クレモナ市立博物館 魅力とは？

Palazzo Affaitati

1561年から1570年にかけて、地元クレモナの貴族、アッファイターティ家が建てた「アッファイターティ宮殿（パラッツォ・アッファイターティ）」を利用して開館した博物館。入口のある「ダーティ・ウゴラニ通り（Via Dati Ugolani）」からは少々わかりにくいですが、中はかなりの奥行きがあり、名家のかつての栄華を忍ばせます。

バラエティー豊かな展示品

館内の宝物たちは地元出身の美術品収集家、ジュゼッペ・シジスモンド・アラ・ポンツォーネ（Giuseppe Sigismondo Ala Ponzone）が寄贈したコレクションが中心となっています。展示品は絵画のみならず、彫刻、装飾品、家具といったものまでさまざま。ヴァイオリンの聖地、クレモナならではの楽器の展示も見応えがあります。

見逃せない作品①

館内で最も貴重な作品が、クレモナ市唯一のカラヴァッジオ作品「瞑想する聖フランチェスコ（San Francesco in meditazione）」です。元々ジュゼッペ・シジスモンド・アラ・ポンツォーネのコレクションの一つだった本作。同名の作品がローマ（国立古典絵画館）にもあるため、チャンスがあれば是非双方見比べてみてください。

見逃せない作品②

宗教や歴史などにあまり興味関心が無くとも、感覚的に楽しめる作品がジュゼッペ・アルチンボルド（Giuseppe Arcimboldo）の「庭師(Ortolano）」です。どうしてこの絵のタイトルが”庭師”なのか。秘密はこの絵を上下反対にして見ると明らかになります。館内には鏡が設置されていて、反対向きから簡単に鑑賞できるようになっています。是非、現地にて庭師の正体を解き明かしてみてください。

北イタリアの巨匠たちの作品

こちらはエルコレ・ プロカッチーニ（Ercole Procaccini）の「聖家族と聖ジョヴァンニーノとアレッサンドリアの聖カテリーナ（Santa famiglia con Santa Caterina e San Giovannino）」です。どうしても既出の2作ばかりに人気が集中してしまうクレモナ市立博物館ですが、北イタリアを代表する画家たちの傑作が実はたくさん飾られています。気になる作品があれば写真だけ撮っておいて、後ほどゆっくり内容を紐解いてみるのも面白いかもしれません。

クレモナ市立博物館 今日の逸品

Torta Bertolina

「トルタ・ベルトリーナ」はクレモナの郷土菓子のひとつ。ウーヴァ・フラーゴラ(Uva Fragola)という小さなブドウがたっぷり入ったケーキで、ホールで焼いて切り分けていただくのが定番です。一応秋の名物なのですが、お菓子屋さんやパンやさんでは一年中買うことが出来ます。ホテルの朝食会場などで出されるケースもあるので、旅行中は朝食会場でも探してみてください。

クレモナ市立博物館ワンポイント

「複数のパートに分かれる館内」
クレモナ市立博物館の中には「絵画館（Pinacoteca）」「考古学博物館（Museo Archeologico）」「バイオリン博物館（Museo del Violino）」「自然史博物館（Museo Civico di Storia Naturale）」「農民文明博物館（Museo Civico della Civiltà Contadina）」があります。いずれも自由に行き来することが出来るので、是非色々なジャンルの展示品を楽しんでみてください。

クレモナ市立博物館 注意点

毎週月曜（但し復活祭の翌日、いわゆるイースターマンデーを除く）、元旦、12月25日と12月26日はお休みです。また、平日は午後からの開館なので来訪時、ご注意ください。

まとめ

なお「クレモナ市立博物館」の中にある「バイオリン博物館」は市内で最も有名な「Museo del Violino（バイオリン博物館）」とは別の施設となります（バイオリン博物館は10分ほど南に進んだ所にあります）。クレモナの文化がぎゅっと濃縮されたクレモナ市立博物館。クレモナは中都市ゆえに、中々長期滞在される方は少ないかもしれませんが、もし少しでも時間が取れる方は、足を運んでみてください。