美の壁画。ベルガモ、サン・ミケーレ・アル・ポッツォ・ビアンコ教会

2021.06.18ロンバルディア州

サン・ミケーレ・アル・ポッツォ・ビアンコ教会に行ってきました！

ロンバルディア州の中都市ベルガモ。低地と高台の2つのエリアから成る不思議な地形のこの場所にある「サン・ミケーレ・アル・ポッツォ・ビアンコ教会」はベルガモの豊かな宗教画の世界を楽しむことが出来ます。

サン・ミケーレ・アル・ポッツォ・ビアンコ教会とは？行くべき理由

おすすめのポイント

ベルガモの旧市街とセットで楽しめる点。
ロレンツォ・ロットの名画が見られる点。
13～15世紀の貴重な壁画を鑑賞できる点。

「サン・ミケーレ・アル・ポッツォ・ビアンコ教会（Chiesa di San Michele al Pozzo Bianco/キエーザ・ディ・サン・ミケーレ・アル・ポッツォ・ビアンコ）」は、ロンバルディア州ベルガモの高台の街、チッタ・アルタの東端にある教会です。20世紀に入ってから大量に発見、修復された中世ヨーロッパの美しい壁画が見どころ。

サン・ミケーレ・アル・ポッツォ・ビアンコ教会魅力とは？

教会らしからぬ見た目の外観

旧市街のケーブルカー発着駅（チッタ・アルタ駅）からポルタ・ディピンタ通り（Via Porta Dipinta）を東へまっすぐ5分ほど歩いた所にあるサン・ミケーレ・アル・ポッツォ・ビアンコ教会。現在私たちが見ることの出来るファサード（正面口）は1915年にカミッロ・ガリッツィ（Camillo Galizzi）によって整えられたものです。十字架が無ければ教会だとわからないようなつくり。道に迷わぬよう、この外観を頭の片隅に入れておきましょう。

壁画が連なる中央祭壇

館内に入ると、華やかな壁画たちが私たちを出迎えてくれます。3つあるアーチの真ん中（中央祭壇,中央礼拝堂）は、ジョヴァン・バッティスタ・グアリノーニ・ダヴェラーラ（Giovan Battista Guarinoni d’Averara）が1576年に整えたもの。祭壇上には金の装飾で縁取られた「よきすすめの聖母（Madonna del Buon Consiglio）」の画（イコン）が祀られています。

左手の礼拝堂①

館内で最も注目を集めるのが、イタリアを代表する画家、ロレンツォ・ロット（Lorenzo Lotto）が装飾を手掛けた左手の礼拝堂。聖母マリアの生涯にまつわる壁画（Scene della vita di Maria）が、壁じゅうに描かれています。写真は礼拝堂の外（上部の壁）に描かれた「聖母の訪問（Visitazione）」。聖母マリアがいとこのエリザベトの所へ、受胎告知を受けたことを知らせに行くシーンが描かれています。

左手の礼拝堂②

礼拝堂の中も聖母マリアにまつわる物語がぎっしり。ロレンツォ・ロットはヴェネツィアの画家ですが、1513年から1526年にかけて、地元の貴族ニッコロ・ボンギ（Niccolò Bonghi）に気に入られ、ベルガモで生活をしていました。市内に残る彼の貴重な作品群はこの時仕上げられたもの。特に有名な、「聖カタリナの神秘の結婚」は、現在同市内にあるアッカデミア・カッラーラで見ることが出来ます（後ほど詳しくご紹介します）。

入口付近に残る壁画

中央祭壇の向かい側、入口付近にもわずかにフレスコ画の装飾が残っています。左に描かれているのは、イエスさまを背負って川を渡ったという聖人、クリストフォロス（元々は約8メートルもある大きな壁画だったそう！）。こちらは15世紀頃の作品と言われていますが、最も古いものは13世紀にまでさかのぼり、館内でも最も古い壁画を鑑賞できるエリアとなっております。

サン・ミケーレ・アル・ポッツォ・ビアンコ教会今日の逸品

La Marianna

「ラ・マリアンナ」は1952年に創業した、ベルガモを代表するお菓子屋さん。チョコチップジェラート（ストラッチャテッラ）を考案した店としてイタリアじゅうで知られており、一年中、多くの人がその味を求めて店を訪れます。教会（旧市街の東端）のちょうど反対側（西端）にあるため、歩くと1キロほど離れていますが、旧市街をぐるりと巡られる方は、是非立ち寄ってみてください。

サン・ミケーレ・アル・ポッツォ・ビアンコ教会ワンポイント

「Matrimonio mistico di santa Caterina d’Alessandria」
ロレンツォ・ロットが手掛けた「聖カタリナの神秘の結婚（マトリモーニオ・ミスティコ・ディ・サンタ・カテリナ・ダレッサンドリア）」は、かつてサン・ミケーレ・アル・ポッツォ・ビアンコ教会にあった名画。1527年から28年にフランス軍による略奪から守るべく、祭壇から降ろされ、現在、同市内にある美術館、アッカデミア・カッラーラの第15室に飾られています。機会があれば是非立ち寄ってみてください。

サン・ミケーレ・アル・ポッツォ・ビアンコ教会注意点

平日（冬季）は9時から12時、14時から17時まで開いています。
平日（夏季）は9時から12時半、14時から18時まで開いています。
土日は、9時から12時、14時から18時まで開いています。

ベルガモの旧市街は景観保護の観点から、大掛かりな工事が出来ない為、道が綺麗に舗装されていません。思わぬ事故を防ぐためにも、歩きやすい靴と動きやすい服装でおでかけください。

まとめ

ちなみに「サン・ミケーレ・アル・ポッツォ・ビアンコ教会」という名前は昔（8世紀頃）この場所に白い井戸（ポッツォ・ビアンコ）があったことに由来しています。大天使ミカエル（サン・ミケーレ）に捧げられた長大な歴史を持つ教会。外観からはとても想像出来ないほど、色鮮やかな壁画の世界が広がる、古都ベルガモの隠れ家に、是非遊びに行ってみてください。