ヴェネツィア、最古の教会のひとつ。サン・ジャコモ・デローリオ教会

ヴェネツィア、最古の教会のひとつ。サン・ジャコモ・デローリオ教会|イタリア観光ガイド

サン・ジャコモ・デローリオ教会に行ってきました!

ヴェネツィアに6つある地区(セスティエーレ)の中で、駅周辺から本島の真ん中あたりを司る”サンタ・クローチェ地区”。ここにある「サン・ジャコモ・デローリオ教会」は、見ごたえのある教会の1つとして知られています。

サン・ジャコモ・デローリオ教会とは?絶対行くべき理由ベスト3

おすすめのポイント
  1. ヴェネツィア最古の教会の一つである点。
  2. ヴェネツィアを代表する画家たちの名画を間近で楽しめる点。
  3. 比較的大きな教会で、外のみならず中も開放感に満ちている点。

「サン・ジャコモ・デローリオ教会(Chiesa di San Giacomo dell’Orio/キエーザ・ディ・サン・ジャコモ・デローリオ)」は、ヴェネツィア本島の真ん中あたりにある教会。(幾度かの改修工事はしているものの)ヴェネツィア最古の教会のひとつとして知られており、開放感溢れる広場、奥行きのある館内でリラックスしながら見学を楽しむことが出来ます。

サン・ジャコモ・デローリオ教会 押さえておくべき魅力とは?

ヴェネツィア最古の教会のひとつ

イエスさまの12人の高弟(いわゆる”十二使徒”)のうちのひとり”ヤコブ (ゼベダイの子ヤコブ,サン・ジャコモ)” に捧げられた「サン・ジャコモ・デローリオ教会」。教会はヴェネツィア本島のサンタ・クローチェ地区の真ん中あたりに建てられました。残された文献等によると、なんと、その起源は4世紀から5世紀頃に遡るそう!ヴェネツィアの長い歴史を感じながら、まずは外観の様子をたっぷりとお楽しみください。

道しるべとなる、大きな鐘楼

13世紀に入り、現在私たちが観ることのできる教会の姿にお色直しされたサン・ジャコモ・デローリオ教会。改修時に併せて建設されたのが、教会の北側に立つ高さ約44メートルの大きな鐘楼です。遠くからでもよく見える鐘楼は、13世紀当時は今よりもっともっと目立つ存在。9世紀にヤコブの遺体が発見されたことで、カトリックの聖地の1つとなった”サンティアゴ・デ・コンポステーラ(スペイン)”に巡礼に向かう人々にとっての出発地としても重要な役割を担ってきました。

Pala di San Giacomo dell’Orio

館内で観るべき作品のひとつが中央祭壇にある、ルネサンス期に活躍したヴェネツィア出身の画家、ロレンツォ・ロット(Lorenzo Lotto)の「サン・ジャコモ・デローリオの祭壇画(パーラ・ディ・サン・ジャコモ・デローリオ)」です。66歳の時、ヴェネツィアを発つ前に故郷に捧げるべく仕上げた作品。聖母マリアの左前にいる男性(赤い服を纏って、手を合わせている人物)が、ヤコブです(右手前は、同じく十二使途のひとり、聖アンデレ)。

祭壇画と双璧をなす館内の貴重な名画

こちらは、ロレンツォ・ロットと並ぶ、ヴェネツィア出身の美の巨匠、パオロ・ヴェロネーゼ(Paolo Veronese)の描いた一枚。元々はラウラ・バルバリゴ(Laura Barbarigo)というご婦人が亡き夫を弔うためにパオロ・ヴェロネーゼに依頼した作品でしたが、現在は館内左手に設けられた新聖具室 (Sagrestia Nuova) の中に飾られています。

想像以上に華やかな、クーポラの内部

最後は中央祭壇の上に広がるクーポラ(丸屋根)の様子をご紹介します。ファサードの前に立った時、右手奥にちょこんと据えられているクーポラ。内側には想像を超える麗しの世界が広がっており、ヤコポ・グアラナ(Jacopo Guarana)によって1753年に描かれた、音楽を奏でる天使たちの絵が、美しい化粧しっくい(スタッコ)とともに楽しめます。

サン・ジャコモ・デローリオ教会是非食べてほしい逸品

La Patatina di San Giacomo

「ラ・パタティーナ・ディ・サン・ジャコモ」は、サン・ジャコモ・デローリオ教会のスグ裏にあるレストラン。夏はテラス席も設けられ、教会の背面(後陣)を見ながら優雅に食事を楽しむことが出来ます。”ポテト(パタティーナ)”の名を冠していますが、お店の推しはシーフード!少々値は張りますが、生魚(カルパッチョ)も安心安全に楽しむことが出来ますし、イカスミパスタなどのヴェネツィア定番シーフードメニューも楽しむことが出来ます。

サン・ジャコモ・デローリオ教会ワンポイントアドバイス

「”デローリオ”の由来とは」
ヤコブ(サン・ジャコモ)に捧げられたサン・ジャコモ・デローリオ教会。”デローリオ(dell’Orio)”の由来は諸説あり、近くを流れる運河(イタリア語で”Rio/リオ”)に由来するという説や、ヴェネツィアの貴族、オリオ家(Famiglia Orio)に由来するという説。昔周辺一帯が沼地(当時のイタリア語でLuprio/ルプリオ)のような湿地帯だったことに由来するといった説があります。

サン・ジャコモ・デローリオ教会での注意点

サン・ジャコモ・デローリオ教会での注意点
  1. 月曜から土曜の10時半から13時半、14時半から17時迄開いています。
  2. 入場料は3ユーロです。
  3. チケット売り場は閉館時刻の10分前に閉まります。

サン・ジャコモ・デローリオ教会は運河沿いに立つ教会。ゆえに特に秋から春にかけては水辺から冷たい冷気が流れ込んでくる為、底冷えします。特に足先が冷えるので、ブーツや中敷きなどで防寒対策をしっかりしておくと安心です。

まとめ

長い歴史を持つサン・ジャコモ・デローリオ教会。地味にややこしいのが「どこが正面玄関なのか⁉」という問題です。現在の正面玄関の位置は、南側(小見出し内、一番上の写真ご参照)。同じく広大な広場に面していますが、北側(鐘楼のふもと)は背面。東側(運河沿いに面している部分)はかつての正面玄関となりますので、入館時ご留意ください。

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