質素な外観の先には…。ナポリ、サンティ・アポストリ教会

サンティ・アポストリ教会に行ってきました！

ナポリ中心部にある「サンティ・アポストリ教会」。路地裏のようなサンティ・アポストリ広場に面した黄色の建物は、一瞬「ここ、ホントに教会⁉」とナポリっ子も目を疑ってしまうほど、質素な外観なんです。

サンティ・アポストリ教会とは？絶対行くべき理由

「サンティ・アポストリ教会（Chiesa dei Santi Apostoli/キエーザ・デイ・サンティ・アポストリ）」は、ナポリ中心部にある教会。言われなければ到底教会だとは思えないシンプルすぎるほどシンプルな外観を持つ不思議な教会ですが、一歩中に入るとまるで異次元にワープしたかのような、華やかな世界がどこまでも続いています。

サンティ・アポストリ教会 魅力とは？

素通りしてしまいそうな外観

漆喰で塗り固められたのっぺりとした外観。地元ナポリっ子たちも認める「超」シンプルな外観のサンティ・アポストリ教会は、サンティ・アポストリ広場（Largo Santi Apostoli）に立っています。目印は扉の手前に設置された可愛らしい階段。現在私たちが見ることの出来る建物は17世紀中ごろに完成したもので、階段には「1685年」の年号が刻まれています。

大きな中央祭壇

サンティ・アポストリ教会の醍醐味は外と中とのギャップ。館内に入るとまずはオーラ満点の中央祭壇に心を奪われます。ローマなどで活躍したフランチェスコ・ボッロミーニ（Francesco Borromini）のナポリでの唯一の作品。時の枢機卿（ローマ教皇の最高顧問に当たる人物）、フィロマリーノ（Filomarino）に捧げられたもので、1638年にローマでつくられ始め、1647年、ナポリにて完成しました。

正面口裏の巨大絵画

中央祭壇のちょうど反対側、出入口の上には、ジョヴァンニ・ランフランコ(Giovanni Lanfranco)によるベトザタの池にまつわる風景が描かれています（Piscina probatica）。ベトサダの池は、エルサレムにあり、イエスさまが奇跡を起こしたとされる場所。ジョヴァンニ・ランフランコは南イタリア出身の画家ではありませんが、ちょうど本作を描いた1644年頃、イエズス会に招聘され、ナポリに滞在していました。

華やかな天井画

ナポリにいた10年強の間に、市内の重要な教会の装飾を多く担当したジョヴァンニ・ランフランコ。サンティ・アポストリ教会もその中の一つで、既出の作品以外に、天井画も有名です。モチーフは、教会のテーマである「サンティ・アポストリ（聖使徒,カトリックにおける高弟子たち）」。写真右からイエスさまの十二使徒として名高い、聖トマス、聖バルトロマイ、聖マタイ、聖ヨハネの殉教にまつわる物語が順番に描かれています。

美しいクーポラ

正面口からは想像もつきませんが、教会は美しいクーポラも持っています。外から望む場合は、サン・ジョヴァンニ・ア・カルボナーラ教会（Chiesa di San Giovanni a Carbonara）の前あたりに立つと、よく見えるのでオススメ。館内から見ると、ジョヴァンニ・バッティスタ・ベイナスキ(Giovanni Battista Beinaschi)　による、天国にまつわる壮大なフレスコ画が描かれています。

サンティ・アポストリ教会 是非食べてほしい逸品

Caffè Toraldo

「カッフェ・トラルド」は、1960年にナポリで創業したカフェ。店舗展開だけでなく、自宅で使えるリテール商品も発売しているので、イタリア人の家に行くとトラルド社のアイテムを愛用している人もちょこちょこ見かけます。リテール商品は、カプセル式コーヒーメーカー用が中心なので、なかなか手に取りにくいかもしれませんが、バールなどは気軽にコーヒーを楽しめて◎トラルド社の豆を使っている店は、マグカップにロゴがあしらわれているのでスグ見つけられると思います。

サンティ・アポストリ教会 ワンポイント

「”聖”にまつわるイタリア語の略称」
イタリアの教会の名前によく付いている「サント」や「サンタ」といった言葉。日本語の「聖」にあたる言葉で、場合によっては略称が使われます。サント・サン・サンタは「S.」、サンティ・サンティッシモ・サンティッシマ・サンティッシミは「SS.」「S.S.」「Ss.」「ss.」などが定番。頭の片隅に入れておくと、道の名前や案内標識などをチェックする際役立つかと思います。

サンティ・アポストリ教会での注意点 3選

サンティ・アポストリ教会と同じ名前（もしくはそっくりな名前）の教会はローマやフィレンツェなど、イタリア各地に存在しますので、ネット検索などをする際はご注意ください。

まとめ

サンティ・アポストリ教会はナポリ中央駅から約1キロ。地下鉄のピアッツァ・カブール駅（Piazza Cavour）から約500メートル強の所にあり、徒歩でナポリ観光をする方にもアクセスしやすい観光スポットです。治安には十分注意する必要がありますが、特に館内ではイタリアを代表する巨匠たちの作品を無料で見られる点がメリットなので、是非足を運んでみてください。