ソレントの守護聖人が眠る由緒正しき場所、サンタントニオ聖堂

サンタントニオ聖堂に行ってきました！

ナポリ近郊の都市、ソレントの街の中心部にある「サンタントニオ聖堂（聖アントニオ聖堂）」は、ソレントを語る上でとても重要な存在です。その理由とは⁉聖堂内外の必見スポットも含め、詳しくご紹介します。

サンタントニオ聖堂とは？絶対行くべき理由

「サンタントニオ聖堂（Basilica di Sant’Antonino/バジリカ・ディ・サンタントニオ）」は、南イタリアの都市ソレントの中心に位置する「サンタントニオ広場」の象徴的建物です。サンタントニオ（サンタントニオ・アバーテ）とは、ソレントの街の守護聖人（氏神様のような存在）。広場はもちろん、聖堂の内外にもサンタントニオにまつわる様々なスポットがあります。

サンタントニオ聖堂 押さえておくべき魅力とは？

Piazza Sant’Antonino

サンタントニオ聖堂があるのは「サンタントニオ広場（ピアッツァ・サンタントニオ）」。ここは、まさにソレントの街の中心部となる場所で、5分ほど北に歩けば、美しいナポリ湾の景色を独り占めすることもできます。広場の目印は中央を飾る「サンタントニオ・アバーテ像（写真）」。その奥には、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ音楽院の大きな建物も控えています。

聖堂らしからぬ⁉外観

サンタントニオ聖堂は、テトリスやレゴブロックを積み上げて出来たような角ばった形をしていて（鐘楼が建物本体に埋め込まれているためか）正直あまり聖堂らしい雰囲気はありません。見どころは傍らのゲート下に飾られた、謎の大きな骨！マンモスの角のようにも見えるのですが、実はクジラの骨で、サンタントニオがクジラに飲み込まれた子供を助けたという伝説にちなんで飾られています。

華やかさ極まる、天井画

装飾の少ないシンプルな外観とは正反対の煌びやかな館内。天井中央を彩るジョヴァンニ・バッティスタ・ラマ（Giovanni Battista Lama）の絵画がひときわ印象的で、ベネヴェント公シカルドの娘を、サンタントニオが悪魔から解放した名シーンが、ダイナミックに描かれています。1734年に描かれた本作。入口方面から紙芝居のように物語が連なっているので、1つ1つゆっくりとご覧ください。

優美な中央祭壇

優美で上品な印象の中央祭壇。2つの祭壇画や後ろに控える聖歌隊席は、17世紀後半にジャコモ・デル・ポー（Giacomo Del Po）によって整えられたものです。上のくぼみ（アプス）には5人の聖人の姿も。アプスも祭壇や聖歌隊席と同時期に整えられたもので、5人の中に聖堂のシンボル、サンタントニオもちゃーんと描かれています。是非他の絵画や彫刻作品などをもとに、どれか当ててみてください。

Succorpo

中央祭壇下には「スッコルポ」と呼ばれる、聖人の遺物を安置するため地下室も設けられています。祭壇横の階段から下へ。祭壇を飾るのはもちろんサンタントニオ像で、2010年から2011年にかけて修復作業が行われていた為、地下のわりに明るく華やかな印象です（ちなみに下まで行く余裕のない方は、1階の中央祭壇手前からスッコルポを覗き見ることもできます）。

サンタントニオ聖堂 おすすめの逸品

Gelateria Primavera

「ジェラテリア・プリマヴェーラ」は、ソレントの目抜き通り「イタリア通り（Corso Italia）」沿いにある大人気ジェラート専門店。店内の壁をびっしりと埋め尽くす有名人のサインや写真を見るだけでテンションアップ。フレーバーも面白いものが多く、いずれも色鮮やかなのが嬉しい！是非聖堂や、イタリア通りの街並みと一緒に味わってみてください。

サンタントニオ聖堂 ワンポイントアドバイス

「もうひとつのサンタントニオ聖堂」
イタリアにはソレント以外にも有名な「サンタントニオ聖堂」があります。場所はヴェネツィアから40キロほど内陸に進んだ場所にあるヴェネト州の都市パドヴァ。こちらは「パドヴァのサンタントニオ（Sant’Antonio di Padova）」に捧げられた聖堂で、同姓同名ですが、ソレントで祀られているサンタントニオ・アバーテとは違う人物です。

サンタントニオ聖堂での注意点

サンタントニオ聖堂の周辺には、教会や聖堂がたくさんあります（ポンティフィーチャ・ディ・サンタントニオ聖堂、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会等）。名前が似たものも多いので、外観の雰囲気を覚えておくと安心です。

まとめ

ちなみにサンタントニオ聖堂は、ソレントの守護聖人であるサンタントニオを祀っていますが、ドゥオーモ（街で最も重要な宗教施設）ではありません。ソレントのドゥオーモ（ソレント大聖堂）は「サンティ・フィリッポ・エ・ジャコモ教会（Cattedrale dei Santi Filippo e Giacomo）」。歩いて5分ほどで行くことができますので、時間があればどちらも見学してみてください。