公園の中にある巡礼の場所。ローマ、 サン・パンクラツィオ教会

公園の中にある巡礼の場所。ローマ、 サン・パンクラツィオ教会|イタリア観光ガイド

サン・パンクラツィオ教会に行ってきました!

ローマの南西方面に広がる、ドリア・パンフィーリ公園の中にある「サン・パンクラツィオ教会(聖パンクラツィオ教会)」。実はカトリックにおける重要な巡礼スポットでもある教会の内部を詳しくご紹介します。

サン・パンクラツィオ教会とは?絶対行くべき理由ベスト3

おすすめのポイント
  1. ローマのパンクラティウスの聖地である点。
  2. ローマ最大規模の公園とセットで観光できる点。
  3. ローマ市内中心部より観光客が少なく、のんびり観光できる点。

「サン・パンクラツィオ教会(Basilica di San Pancrazio/バジリカ・ディ・サン・パンクラツィオ)」は広さ約184ヘクタールの広大なドリア・パンフィーリ公園の東側に立つ教会。4世紀の聖人、ローマのパンクラティウスが眠る場所としても知られており、カトリック教徒にとっての重要な聖地のひとつでもあります。ローマの中心部からは少し離れた場所にありますが、その分のんびりと過ごせる点も魅力。

サン・パンクラツィオ教会 押さえておくべき魅力とは?

教会前の大きな門

教会があるのはドリア・パンフィーリ公園の中。ローマで3番目の広さを持つドリア・パンフィーリ公園はとにかく広いので、教会にいの一番にアクセスしたい方はサン・パンクラツィオ広場(Piazza di S. Pancrazio)に面した門(写真)から入るのがオススメです。上部に描かれたイエスさまの磔刑の絵が目印。ここを抜けるとまもなく教会が見えてきます。

ルルドの聖母とロザリオ

教会の目の前には「ルルドの聖母の洞窟(Grotta di Nostra Signora di Lourdes)」という、祈りの場があります。フランスの街、ルルドにあるマッサビエルの洞窟というところに出現した聖母マリアに祈りを捧げる為の場所。洞窟を模した祈りの場には、写真のように祈りを捧げる為のロザリオ(数珠のようなアイテム)がたくさんかけられています。

ローマきっての巡礼地

さて、ルルドの聖母の洞窟を通り過ぎると、いよいよ教会の正面口に到着します。ここは元々5世紀末にローマ教皇シンマクスの命で整えられた場所。聖人伝(カトリックの聖人たちについて取り纏めた伝記)によると、ローマのパンクラティウス(サン・パンクラツィオ)という聖人がこの場所に眠っているとされており、特に16世紀以降は多くの巡礼者が遠路はるばるこの地を訪れるようになりました(それに合わせて教会も今日見られる姿へと修復されています)。

メインフロアの様子

館内は想像以上に広く、ローマの教会にしてはすっきりとした印象…というのも、サン・パンクラツィオ教会、残念ながら18世紀から19世紀にかけて続いたフランス軍との戦いの末、すっかり荒廃してしまったからです。もちろん現在は修復され、ご覧のような美しい姿に。中央付近にある2つのカタコンベ(地下墓地)への階段も必見で、1つは聖人パンクラティウスのお墓へ続くもの、もうひとつはパンクラティウスを埋葬したローマの婦人、オクタウィラ(Ottavilla)のお墓へと続くもの(立入不可)です。

ローマのパンクラティウスが眠る場所

館内右手にあるローマのパンクラティウスのモニュメントは、館内で最も多くの人が立ち寄る場所。金の胸像の上には、パンクラティウスがローマのアウレリア街道で首をはねられた場面を描いたレリーフが飾られています。時は、4世紀初め。当時カトリックは迫害の対象だった為、パンクラティウスはわずか14歳(若しくは15歳)で天に召され、その激動の生涯もあいまって死後、各地で崇拝者が相次ぎました。

サン・パンクラツィオ教会 是非食べてほしい逸品

Scalogno

「スカニョーロ」は日本でフランス語に由来する「エシャロット」の名前で出回っているお野菜。細長い玉ねぎのような形をしていて、玉ねぎよりもちょっとだけ辛味やクセがあります。甘酢漬けにしたり素揚げにしたりするのが定番。またトマト系のパスタなどとあえて食べることもあります。イタリアで品種改良された「Scalogno di Romagna(スカニョーロ・ロマーニャ)」という特別な品種もあります。是非見つけたら、チャレンジしてみてください。

サン・パンクラツィオ教会ワンポイントアドバイス

「ローマ市内にあるもう一つの”サン・パンクラツィオ”」
ローマにある「サン・パンクラツィオ」の名を冠する観光スポットの中で、特に有名なのが「サン・パンクラツィオ門(Porta San Pancrazio)」です。こちらもローマのパンクラティウスに由来するもの。元々はアウレリア門という名前だったのですが、6世紀にローマのパンクラティウスの人気が高まったこともあり、サン・パンクラツィオ門へと名前が変更されました。

サン・パンクラツィオ教会観光での注意点

サン・パンクラツィオ教会での注意点
  1. 平日は8時45分から12時、16時半から19時迄開いています。
  2. 日曜祝日は8時45分から13時、16時半から20時迄開いています。
  3. 入場無料です。

サン・パンクラツィオ教会はドリア・パンフィーリ公園の東側にあります。徒歩で向かう場合、最も近い繁華街(トラステヴェレ地区)からは約20分かかります。必要に応じて、バスやタクシーをご利用ください。

まとめ

なお、バスでサン・パンクラツィオ教会に向かう場合は「P.za S. Pancrazio」「Vitellia/S. Pancrazio」が最も教会の入り口に近い停留所となります。旅慣れている方はバスでの移動がオススメ。一方少しでも不安があれば無理せずタクシーをご利用ください。周辺は閑静な住宅街が広がっており、道中の景色も見ごたえがあります。いつもと違ったローマの風景を存分にお楽しみください。

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。