ヨーロッパ最古の歴史ある施設。フィレンツェ、孤児たちの病院

ヨーロッパ最古の歴史ある施設。フィレンツェ、孤児たちの病院|イタリア観光ガイド

孤児たちの病院に行ってきました!

フィレンツェのサンティッシマ・アンヌンツィアータ広場の一角に設けられた「孤児たちの病院(イノセント病院)」というユニークな名前の施設。その歴史や館内の秘密、見どころをご紹介します。

孤児たちの病院とは?絶対行くべき理由ベスト3

おすすめのポイント
  1. ヨーロッパ最古の孤児院である点。
  2. フィリッポ・ブルネレスキが手掛けた優雅な建物を見学できる点。
  3. 街中にあり、初めてのフィレンツェ観光でも立ち寄りやすい点。

「孤児たちの病院(Ospedale degli Innocenti /オスペダーレ・デッレ・インノチェンティ)」は、ヨーロッパ最古の孤児院として15世紀に整えられました。現地の方言で「Spedale degli Innocenti(スペダーレ・デッレ・インノチェンティ)」と呼ばれることも。観光客でも中を見学することが出来、普段なかなか見ることの出来ない世界を覗くことが出来ます。

孤児たちの病院 押さえておくべき魅力とは?

有名な広場の一角に立つ建物

13世紀後半に聖母マリアに捧げられた「サンティッシマ・アンヌンツィアータ広場」。美しい広場の南東側に1417年から1436年にかけて整えられたのが、孤児たちの病院(罪のない病院)です。伊語名の中にある「インノチェンティ(Innocenti)」とは”無垢な””罪のない”といった意味のイタリア語。転じてこの地では孤児たちを示す言葉として使われています。

印象的な青のメダリオン

建物に近づいていくと孤児たちの病院ならではのモチーフがいたるところで見て取れます。印象的なもののひとつがロッジア(ひさしのような部分)の縁にあしらわれているメダリオン(円型の芸術作品)。おくるみのようなリボンを纏った赤ちゃん天使”プット”があしらわれたテラコッタの作品で、著名な芸術家アンドレア・デッラ・ロッビア(Andrea della Robbia)によってつくられました。

歴史ある、赤ちゃんポスト

ロッジアの下、正面向かって左手にはいわゆる”赤ちゃんポスト”が今でも残されています。1875年迄実際に使われていたもので、どうしても子供を育てていくことの出来なくなってしまった親がここへ来て、赤ちゃんを預けていました。館内にある美術館(捨て子養育院美術館)では、今日でも当時の親たちが赤ちゃんに託していった形見のチャームなどが展示されています。

2つの回廊①

孤児たちの病院は今日でも孤児の為の施設、保育園、託児所、そしてユニセフのオフィスなどに利用されていますが、一部は「捨て子養育院美術館(Museo degli Innocenti)」として一般開放されているため、私たち観光客でも中を見学することができます。こちらは入り口入ってスグの所にある「女性たちの為の回廊(Chiostro Delle Donne)」。周りを囲む優美な柱が特徴的です。

2つの回廊②

女性たちの為の回廊のすぐ左隣には「男性たちの為の回廊(Chiostro degli uomini)」もあります。これらは巨匠フィリッポ・ブルネレスキ(Filippo Brunelleschi)が設計に携わったことで有名。ブルネレスキは、フィレンツェで最も有名な建物のひとつ、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(フィレンツェのドゥオーモ)のクーポラ(丸屋根)をつくった人物として知られています。

孤児たちの病院 是非食べてほしい逸品

Pasticceria Buonamici

「パスティッチェリア・ブォナミチ」は、フィレンツェを流れるアルノ川の南側にあるお菓子屋さん。周辺一帯は観光スポットが密集している川の北側に比べ、ローカル感満載で、フィレンツェっ子たちが普段使いしているレストランやカフェなどがたくさん並んでいます。朝~日中であれば、楽しく散策できるハズ(夜はやや治安が悪いです)。是非足を延ばしてみてください。

孤児たちの病院 ワンポイントアドバイス

「実はあの映画にも登場している!孤児たちの病院」
フィレンツェの美しい街並みがたっぷり盛り込まれた、大ヒット映画「冷静と情熱のあいだ(2001)」。劇中にはなんとサンティッシマ・アンヌンツィアータ広場でのやり取りのシーンで、孤児たちの病院も登場しています。今でもロケ地巡りでやってくる日本人も多数。機会があれば是非チェックしてみてください。

孤児たちの病院での注意点 押さえておくべき事項3選

孤児たちの病院での注意点
  1. 館内は美術館のみ見学可能です(但し有料)。
  2. 美術館は、水曜から月曜の11時から18時迄開いています。
  3. 最寄り駅から約20分歩きます。

フィレンツェは市の中心部を電車や地下鉄が走っていません。フィレンツェの陸の玄関口こと「サンタ・マリア・ノヴェッラ駅」からは、孤児たちの病院まで徒歩約20分です。

まとめ

”孤児たちの病院”は、日本語名があまり聞きなれないものゆえ、初めてフィレンツェを訪れた方は中を見学するのをためらってしまうかもしれません。しかし、現在では館内はほぼ”美術館”として運営されているので、ちょっとでもご興味がある方は是非足を運んでみてください。カトリックの教えに基づく孤児の考え方について見聞を広めることができる素敵な施設です。

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