「ピサの斜塔」は脇役!?真のヒロイン、ピサ大聖堂
ピサ大聖堂に行ってきました!
世界的に有名なピサの斜塔。実はこれ、すぐお隣に建つ「ピサ大聖堂(ピサのドゥオーモ)」の鐘つき堂(鐘楼)なのです。「え、ピサ大聖堂って何?!」その全貌を、このあと詳しくご紹介します。
ピサ大聖堂とは?絶対行くべき理由ベスト3
- ピサの街で最も重要な教会(ドゥオーモ)である点。
- イタリアの中でも歴史あるドゥオーモの一つである点。
- ピサの斜塔の真横にあり、セットで観光出来る点。
「ピサ大聖堂(Duomo di Pisa/ドゥオーモ・ディ・ピサ)」はピサの街で最も重要な教会。聖母被昇天の大聖堂(Duomo di Santa Maria Assunta)とも呼ばれており、いわゆる聖母マリアに捧げられた教会であることがわかります。建設がはじまったのは11世紀。ピサの斜塔の真横にあるため、セットで観光しやすい点も魅力です。
ピサ大聖堂 押さえておくべき魅力とは?
オリエンタルの香りが漂う建物
ピサ大聖堂の建設が始まったのは、1063年。1063年はちょうどヴェネツィアでも、最も有名な教会である「サン・マルコ寺院」の建設がスタートした年で、両者はヨーロッパ風の装飾の中にちょっぴりオリエンタルな雰囲気が織り交ざっている点に、共通点があります。写真はピサ大聖堂の中の様子。ところどころにあしらわれたモザイク画や、アーチの雰囲気がどことなくオリエンタルな雰囲気を醸し出していることがわかります。
様々な時代を刻んだ正面口
さて、1063年に建設が始まったピサ大聖堂。いったん、1092年に完成するのですが、その後幾度かの災難に見舞われてしまいます。中でも被害が大きかったのが1595年に遭った火災。これにより壊滅的な被害を受けた大聖堂は、修復時、その当時の流行りのスタイルが取り入れられ、結果として、1か所で様々な時代の建築様式を見られる味わい深い建物となりました。例えば正面口。重厚感のあるロマネスク様式が主でありつつ、扉の上のモザイク画(写真)等が、他の時代の「美」の定義を感じさせます。
美しい中央祭壇
中に入ると真正面にある大きなモザイク画が目に留まります。実はこれ、先述の1595年の火災で、奇跡的に焼失しなかったもののひとつなんです。つくられたのは14世紀前半。横約4メートル弱×縦約2メートル強のとても大きなモザイク画で、聖堂内で抜群の存在感を放っています。ちなみに中央が、玉座に座ったイエスさま、左右には聖母マリアと聖ヨハネが控えています。
聖ラニエリの遺骸
天井から壁から床から、美の傑作が多すぎて、どんどん時間が過ぎてしまうピサの大聖堂。その中で、最も押さえておかなければならないものの一つは、館内奥、右手にある「聖ラニエリの遺骸(Tomba di san Ranieri/トンバ・ディ・サン・ラニエリ)」です。聖ラニエリはピサの街の守護聖人(守り神)。カトリック文化では、亡くなった偉人の遺骸を信仰する習慣があり(ちょっと怖いですが)ピサ大聖堂では、人々から見えるよう、透明なガラスの箱の中に入り、高い位置に遺骸が置かれています。
ジョヴァンニ・ピサーニの説教壇
遺骸はちょっと怖い…という方に是非見て欲しいのが「説教壇(Pulpito/プルピト)」。日本の物見やぐらのような形の説教をするための台で、館内に設置されています。見どころは驚くほど美しい装飾。ピサ出身の有名な彫刻家、ジョヴァンニ・ピサ―ニの傑作と言われており、つくられたのは1301年。こちらも、1543年の火災で奇跡的に難を逃れた傑作です。
ピサ大聖堂 是非食べてほしい逸品
Torta co’ bischeri
「トルタ・コ・ピスケリ」はタルト生地と具だくさんチョコレートブラウニーを合体させたような魅惑的なケーキ!ピサの郷土菓子のひとつで、見た目よりもさらに食べるとサクサク食感です。フォークよりも手で食べたほうがポロポロこぼれなくて、楽チンなくらい!お菓子屋さん以外に、スーパーなどにも置いてありますし、型崩れの心配も少ないので、日本へのお土産にもオススメです。
ピサ大聖堂ワンポイントアドバイス
「大聖堂への入場の仕方」
ピサ大聖堂は入場無料。但し、一度に中に入れる人数に限りがあるので、チケットカウンター(大聖堂のすぐ傍にあります)でチケットを発券してもらい、決められた時間に中に入る必要があります(テーマパークのファストパスのイメージです)。もし、ピサの斜塔等、同じ広場内にある別の施設のチケットを買っていれば、その券を見せれば、それだけでオッケー!時間問わず入場することが出来ます。
ピサ大聖堂観光での注意点
- 周辺は、スリ・軽犯罪多発エリアです。
- 荷物は少なめで行きましょう。
- ハイシーズンは朝イチが狙い目です。
ピサ大聖堂は世界的観光地。スリや軽犯罪もたくさんいるので、ご注意ください。また、6-8月頃のヴァカンスシーズンは、とにかく大混雑します。朝イチ(10時頃まで)は団体ツアーが動き出さないので見学待ちの列が短く、中に入りやすくて◎
まとめ
ピサ大聖堂は、実際に目の前で見ると、すぐ横にあるピサの斜塔よりも感動する人が少なくないそう。かくいう私も、ピサの斜塔を見る為にピサ旅行に行ったところ、完全に「ドゥオーモ」の虜になって帰ってきました(笑)。出来たら中にも入って欲しいですが、外から望むだけでも、とても見応えがあり、11世紀頃のピサの栄華が偲ばれます。是非ピサの斜塔に行く際は、大聖堂もたっぷりと、お楽しみください♪
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