屋内に広がる秘密の花園。フィレンツェ、マルテッリ美術館
マルテッリ美術館に行ってきました!
フィレンツェのフェルディナンド・ザネッティ通り(Via Ferdinando Zannetti)にある「マルテッリ美術館」。知る人ぞ知る穴場スポットの見どころをご紹介します。
マルテッリ美術館とは?絶対行くべき理由ベスト3
- 駅から徒歩圏内の好アクセスな点。
- お屋敷と美術品を一緒に楽しめる点。
- マルテッリ家の歴史の一端に触れられる点。
「マルテッリ美術館(Museo di Casa Martelli/ムゼオ・ディ・カーサ・マルテッリ)」は、フィレンツェの陸の玄関口、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅から10分弱歩いたところにある邸宅美術館です。もともとマルテッリ家のお屋敷(Palazzo Martelli)だった場所をフィレンツェ市が買い取り、美術館として一般公開しているもの。こじんまりしていて、ゆっくりできる空間が自慢です。
マルテッリ美術館 押さえておくべき魅力とは?
紋章が輝く、エントランス
コンティ通り(Via dei Conti)からフェルディナンド・ザネッティ通りに入ったスグのところにある「マルテッリ美術館」。名前の由来はもともとこの建物のオーナーだった「マルテッリ家」に由来します。入口を抜け、メインフロアへと続く階段を上がった先には、赤地×金のグリフォン(鷲の上半身とライオンの下半身を持った伝説の生き物)が特徴的なマルテッリ家の紋章が掲げられていますので、お見逃しなく。
Scalone
マルテマルテッリ家の紋章が掲げられている「大階段(スカローネ)」自体も有名。ピエトラ・セレーナ (Pietra Serena) と呼ばれる一級品の石を使った階段は、アンティーク調の可愛らしい手すりが良いアクセントになっています。階段の上に広がる大きな天井画も傑作のひとつ。メディチ家の住むピッティ宮殿の装飾なども手掛けた、ルイージ・サバテッリ(Luigi Sabatelli)によって製作されました。
Giardino d’inverno
館内で最も有名なのが「冬の庭(ジャルディーノ・ディンヴェルノ)」と呼ばれる部屋。”パーゴラ”というぶどう棚が、壁じゅうに描かれており、窓がないにも関わらず、なんだか晴れやかな気持ちになってしまう不思議な空間です。さらに、この部屋の大きな特徴といえば「トロンプ・ルイユ(Trompe-l’œil)」。いわゆる日本で”だまし絵”と呼ばれている絵画の手法で、小さな部屋の中に架空の奥行きが広がっている点が特徴です。
Salotto giallo
こちらは「黄色の広間(サロット・ジャッロ)」と名付けられた空間。壁紙が、黄色×18世紀から19世紀の花模様で統一されている可愛らしい広間で、ルネサンス期を代表する画家のひとり、ピエロ・ディ・コジモ(Piero di Cosimo)の「幼子キリストの礼拝(Adorazione del Bambino)」も、あわせて楽しむことができます(写真ご参照)。
おめでたい天井画のある広間
こちらはニッコロ・コンネスタービレ(Niccolò Connestabile)によって描かれた、初代トスカーナ大公、コジモ1世(Cosimo I de’ Medici)と、マルテッリ家のカミッラ・マルテッリ(Camilla Martelli)との結婚式(1570年)の時の様子が描かれた広間。写真中央がカミッラで、当時25歳。絶世の美女と言われていた彼女の姿をぜひお見逃しなく。
マルテッリ美術館 是非食べてほしい逸品
Panzanella
「パンツァネッラ」は、フィレンツェのあるトスカーナ州やローマのあるラツィオ州など、中部イタリアでよく食べられているパンのサラダです。硬くなったパン(Pane raffermo/パーネ・ラッフェルモ)の救済レシピのひとつ。フィレンツェにはサラダ・スープなど、硬くなったパンを使った救済レシピがたくさんあるので、現地でいろいろチェックして、帰国後試してみるのもよいかもしれません。
マルテッリ美術館 ワンポイントアドバイス
「名前がイロイロ、マルテッリ美術館」
マルテッリ美術館は、イタリアでは「Museo di Casa Martelli」と呼ばれています。日本の観光ガイドでは現地と同じ”ムゼオ・ディ・カーサ・マルテッリ”と呼んだり「マルテッリ家博物館」「マルテッリ家の邸宅博物館」「カーサ・マルテッリ」など呼び方が様々。もちろん、すべて同じ場所を指しますので、ご安心ください。
マルテッリ美術館での注意点 押さえておくべき事項3選
- 入場料は3ユーロです。
- ガイドさん同行のもと、中を見学するスタイルです。
- 開館日がここ数年流動的なので、念のためHPにて最新情報もご確認ください。
マルテッリ美術館は、毎週土曜の9時、10時、11時、12時出発のガイドツアーに参加する形で中を見学することができます(少し前までは木曜日も開いていたので、今後変更となる可能性アリ)。
まとめ
通りから見ると、かなり質素で思わず素通りしてしまいそうになるマルテッリ美術館(カーサ・マルテッリ/マルテッリ邸)。中には素晴らしい絵画の世界が広がっており、比較的可愛らしい部屋が多いことも特長ですので、ぜひ開館日にフィレンツェご滞在予定の方は、足を運んでみてください(ガイドツアーではありますが、語学がわからなくとも、ついていくだけで十分館内を満喫できます!)。
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