ロマネスク様式がめずらしい。ジェノヴァ、サン・ドナート教会

ロマネスク様式がめずらしい。ジェノヴァ、サン・ドナート教会|イタリア観光ガイド

サン・ドナート教会に行ってきました!

ジェノヴァ市内にある、サン・ドナート教会。街の中心部にありながら、どこか、周りの景色から取り残されてしまったかのような不思議な空間の魅力を、たっぷりとご紹介します。

サン・ドナート教会とは?絶対行くべき理由ベスト3

おすすめのポイント
  1. ジェノヴァ中心部にある巡りやすい教会である点。
  2. ジェノヴァでは珍しい、ロマネスク様式の建築美を楽しめる点。
  3. 観光客が少なく、ゆっくり教会と向き合える点。

「サン・ドナート教会(キエーザ・ディ・サン・ドナート/Chiesa di San Donato)」は、アレッツォの聖ドナート(サン・ドナート)に捧げられた教会。ジェノヴァの中心部を走る地下鉄で、ちょうど、サンタゴスティーノ駅(Sant’Agostino)とデ・フェッラーリ駅(De Ferrari)との中間あたりに建っています。

サン・ドナート教会 押さえておくべき魅力とは?

サン・ドナート広場に建つ姿

サン・ドナート広場(Piazza san donato)に建つサン・ドナート教会。なんだか日本の蔵のような雰囲気で、ジェノヴァにある華やかな教会群とは一線を画す存在です。目印は正面右手の外壁にあしらわれたほこら(伊:エディーコラ)。彫刻全体は18世紀に整えられたものですが、中にある彫像はジョヴァンニ・ドメニコ・カゼッラ(Giovanni Domenico Casella)による16世紀頃の作品です。

エディーコラの先に見える鐘楼

エディーコラから上を見上げると、正面口からは見えなかった美しい鐘楼が目の前に飛び込んできます。鐘楼は煙突のように途中で教会本体にドッキングしているタイプ。ロマネスク様式というスタイルでつくられており、ジェノヴァではちょっと珍しいタイプの鐘楼にあたります。ロマネスク様式特有のずっしりと重めの雰囲気や、可愛らしいアーチの窓にご注目ください。

味わいのある正面姿

いよいよ教会内部へ…入る前に、教会正面口にもご注目。こちらも鐘楼同様ロマネスク様式整えられており、ジェノヴァの数ある教会の中でも非常に貴重な存在となります。無駄なものがそぎ落とされた、重厚感のある壁でつくられた玄関。20世紀に入ってから追加されたバラ窓(丸窓)等を除いて、基本的には12世紀当時の姿を現在に残しています。

鄙びた雰囲気の、木製の天井

館内に入ると、ジェノヴァの教会特有の煌びやかな雰囲気は少なめで、外観同様に、厳かな雰囲気が続いていることに驚かされます。中でも興味深かったのが木製の天井。これもジェノヴァで教会巡りをしていると、他ではまず見られない景色なので、とても興味深いものがありました。館内には美しい十字架も多く飾られており必見。この天井の先にも17世紀につくられた美しい十字架の絵画があります(次項写真ご参照)。

館内に潜む、芸術品の数々

こちらは館内全体の様子。メインフロアにも貴重な宝物はたくさんありますが、さらに古い時代のものは左手にある別室の中に飾られています。絶対に見て欲しいのはニコロ・ダ・ヴォルトリ(Nicolò da Voltri)が14世紀に描いた聖母子の姿と、ヨース・ファン・クレーフェ(Joos van Cleve)の三連の祭壇画。いずれも傑作と言わており、これを見るだけでも教会に来る価値が十分にあります。

サン・ドナート教会 是非食べてほしい逸品

Torta di Carciofi

「トルタ・ディ・カルチョーフィ」はアーティチョーク(伊:カルチョーフィ)を使ったお惣菜パイ。自宅で作る人も結構いるのですが、パン屋さんやスーパーなどでも気軽に買えるので旅行者の私たちでも気軽に楽しめる一品です。写真はキッシュタイプのもの(上が閉じられていない)ですが、全体がパイ生地で包まれているものは食べ歩きにも◎是非お気に入りを探してみてください。

サン・ドナート教会ワンポイントアドバイス

「ヨース・ファン・クレーフェの祭壇画」
館内で最も貴重な一枚とされる、ヨース・ファン・クレーフェの三連祭壇画。ヨース・ファン・クレーフェはフランドル(オランダ)の画家ですが、ジェノヴァに立ち寄った折に本作を残しました。世界の名だたる美術館に作品が展示される程の有名人の描いた1枚。ゆえに、1974年に一度盗難被害にあってしまいましたが、奇跡的に発見され、1996年にこの地に戻ってきました。

サン・ドナート教会観光での注意点

サン・ドナート教会観光での注意点
  1. 月曜から土曜は10時から12時、15時から18時半迄開いています。
  2. 日曜・祝日は10時から12時迄開いています。
  3. 入場無料です。

サン・ドナート教会の最寄り駅は2つ。サンタゴスティーノ駅(Sant’Agostino)とデ・フェッラーリ駅(De Ferrari)いずれの駅からもだいたい同じくらいの距離なので、他の予定を鑑みながら降車駅を選びましょう。

まとめ

ジェノヴァの教会の多くは、16世紀~17世紀のいわゆる”ジェノヴァの黄金時代”と呼ばれた時期に、絢爛豪華な建物にお色直しされました。その中で、12世紀前後に隆盛を極めたロマネスク様式を、現在まで残しているサン・ドナート教会はとっても貴重な存在です。ジェノヴァ旅行中も、旅の良いアクセントになると思いますので是非立ち寄ってみてください。

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