兵どもが夢の跡。ミラノ、ヴィットリア広場(勝利の神殿)

兵どもが夢の跡。ミラノ、ヴィットリア広場(勝利の神殿)|イタリア観光ガイド

ヴィットリア広場に行ってきました!

「ヴィットリア広場(勝利の神殿)」はミラノで最も古い、サンタンブロージョ教会の裏手に鎮座するカッコイイモニュメント。モニュメントの正体とは!?その秘密に迫ります。

ヴィットリア広場とは?絶対行くべき理由ベスト3

おすすめのポイント
  1. サンタンブロージョ教会とセットで観光出来る点。
  2. イタリアの近現代史に触れることが出来る点。
  3. 20世紀の美しい建築美を愛でることが出来る点。

日本で”ヴィットリオ広場”と呼ばれている場所は、イタリアでは「テンピオ・デッラ・ヴィットリア(Tempio della Vittoria/勝利の神殿)」と呼ばれています。ミラノで最も古い教会として知られる、サンタンブロージョ教会の裏手に広がるアゴスティーノ・ジェメッリ広場(Largo Agostino Gemelli)に建設された大きな神殿。イタリアの20世紀の歴史と芸術に一気に触れることが出来ます。

ヴィットリア広場 押さえておくべき魅力とは?

神殿前の荘厳なアーチ

ヴィットリオ広場があるのは、サンタンブロージョ広場(Piazza Sant’Ambrogio)と呼ばれる通りの前。現地まで行くと、まずは神殿の前に鎮座する、荘厳なアーチに圧倒されます。アーチの上部には、”戦争で命を落としたミラノの人々へ捧げる”という内容の碑文が…。そう、このモニュメントは第一次世界大戦にて命を落とした地元の人たちを弔うべく制作されたものなのです。

アーチの左右にある噴水

アーチの両サイドには美しい噴水が設置されています。ヴィットリオ広場が建設されたのは、第一世界大戦の終戦から10年後の1928年。手前のアーチや噴水も同時期につくられたものですが、ちょうど100年後の2018年。終戦100年の節目の年に大掛かりなクリーニングを実施。現在、すっかりお色直しされ、さらに輝きを増しております。

勝利の神殿

アーチの先にはいよいよ勝利の神殿が鎮座しています。手前の柵が開いていればスグ目の前まで見学可能。オリジナルを制作したのは自らも戦地へ赴いた経験のある、ジョヴァンニ・ムツィオ(Giovanni Muzio)ら複数名のアーティスト。残念なことにその後勃発した第二次世界大戦にて、神殿は深刻なダメージを受けましたが、マリオ・バッチーニ(Mario Baccini)の設計で再建され、今日のような美しい姿を取り戻しました。

Adolfo Wildtの像

神殿の中で最も目を引くのが真正面に据えられた巨大な彫像です。有名彫刻家のアドルフォ・ヴィルト(Adolfo Wildt)が手掛けた作品。7つの大罪(カトリックの教えの一つで、人に罪を犯させる可能性がある7つの悪欲を指す言葉)を足で踏みつける聖人の勇ましい姿がモチーフになっています。こちらも神殿の落成式にあわせ、1928年につくられたものですが、どこか現代的で新しい雰囲気があります。

神殿の周りに刻まれたレリーフたち

神殿は八角形をしており、周りにはぐるりと様々なレリーフが刻まれています。こちらは丸いアーチで縁取られた面にあしらわれたレリーフ。第一次世界大戦で赴いた戦地の風景などが刻まれており、第一次世界大戦の期間(4年間)に合わせ八角形のうちの4つの面に均等に収まるように配置されていました。設置されている場所も、もともとサンタンブロージョ教会の殉教者墓地があった場所にする等、細かなこだわりが詰まっています。

ヴィットリア広場 是非食べてほしい逸品

Panini Durini

「パニーニ・ドゥリーニ(Panini Durini)」は、ミラノに複数店舗構える、チェーン系カフェ。ご当地色は薄いものの、日本にあるスターバックスやドトールコーヒーのような感じで、いつでも気軽に利用できる点が魅力です。フリーWi-Fiなども完備されている為、観光途中の小休憩にももってこい。種類豊富なドリンクとともに、ショーケースの中には、おいしそうなパンやスイーツも豊富にラインナップされています。

ヴィットリア広場ワンポイントアドバイス

「名前にまつわるエトセトラ」
なぜか日本では”ヴィットリオ広場”と呼ばれている、テンピオ・デッラ・ヴィットリア(勝利の神殿)。地元の人に道を尋ねる際「Piazza della Vittoria(*ヴィットリア広場の伊語訳)」などと聞いてしまうと、おそらく場所が思い当たらず困った顔をされてしまうかと思います。是非神殿の名前のイタリア語を頭の片隅に入れておきましょう。

ヴィットリア広場観光での注意点

ヴィットリア広場観光での注意点
  1. 水曜、土曜、日曜、祝日の9時から12時、13時半から17時迄開いています。
  2. 1/1、復活祭とその翌日、5/1、6/2、8/15、クリスマスとその翌日は午前のみ開館。
  3. 8月の土日も午前のみ開館。

ヴィットリア広場は屋外にある施設ですので、柵越しであれば24時間365日見学可能です。すぐ目の前まで行ってレリーフや碑文などをじっくりと鑑賞されたい方は開館日をご確認の上ご来訪ください。

まとめ

世界史の時間に第一次世界大戦の項で登場したイタリアの話題は、確か1-2行。”連合国側について勝利した”くらいの記述しかなかったように思います。実際、目の前で戦没者慰霊碑を見ると、その1行の中に詰め込まれていたものがどっと沸きだし、多くの兵士たちの奮戦の後に現在のミラノが築かれていることを改めて感じます。少々マニアックな観光スポットですが、アクセスは抜群!興味のある方は是非立ち寄ってみてください。

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。