ピエモンテ州の小さな町、ブスカの丘の上にあるロッコロ城へ…
ロッコロ城に行ってきました!
北イタリアの都市トリノから南へ60キロほど進んだ所にあるクーネオ地区の小さな集落、ブスカ。ブスカの丘の上に立つ美しい「ロッコロ城」は、高台からの眺望や緑豊かな庭園もセットで楽しめる、癒しの空間です。
ロッコロ城とは?絶対行くべき理由ベスト3
- 風光明媚な丘の上にある点。
- 美しいだまし絵の世界に浸れる点。
- ピエモンテ州の田舎の魅力を体感できる点。
「ロッコロ城(Castello del Roccolo/カステッロ・デル・ロッコロ)」は、ピエモンテ州の州都、トリノから南に約60キロの所にあるクーネオ地区(Cuneo)の集落のひとつ、ブスカ(Busca)の丘の上にあるお城です。夏秋は特定の日曜日に限り館内や庭園の見学も可能。結婚式会場などにもご指名される美しい装飾で彩られたお城で、庭園やその先に広がる眺望にも定評があります。
ロッコロ城 押さえておくべき魅力とは?
丘の上に立つ、美しいお城
ブスカの丘の上に19世紀に建てられたロッコロ城。”ロッコロ”というネーミングは、イタリアで用いられる鳥を捕獲するための仕掛けに由来します。丘の上まで上るのは少々骨が折れますが(最寄りのバス停から徒歩約20分)、赤茶色の塔や外観が見えてきたときの感動はひとしお!もちろん車ですぐ近くまで上がることも出来ますので、体力やご旅程に合わせて、アクセス方法をご検討ください。
お城のトレードマーク、ギザギザ付きの塔
ロッコロ城に設置された塔は、ふもとからでもはっきり確認出来る、トレードマークのひとつ。塔の上に上がることも出来、天気の良い日はふもとの街並みを一望出来ます。お城のてっぺんにあしらわれたギザギザの装飾(鋸壁)は、ギベリン派(神聖ローマ皇帝を支持する派閥)の象徴。かつて、イタリアではお城の外壁や塔の上にあしらわれたギザギザで支持政党が分かる仕組みになっていました。
周辺に広がる、広大な庭園
塔のふもとには、広大な庭園が広がっています。敷地面積は約50ヘクタール(東京ディズニーランドと同じくらいの広さです)!園内には小さな池や橋、滝、噴水といった、とても個人宅の庭とは思えない程、贅沢な装飾が施されており、南側に設けられた温室の先のテラスからは、塔の上からとはまた違った角度で、ブスカの街並みを楽しむことが出来ます。
館内に広がる、だまし絵の世界
ロッコロ城の館内で最も印象的なものといえば、壁にびっしりと施された「だまし絵(トロンプ・ルイユ)」。窓やカーテン、その先の風景までもが、よく見ると全てだまし絵になっており、ピエモンテ州におけるこの時代の美術を代表するもののひとつとされています。部屋によっては白い漆喰やステンドグラスなどもあしらわれていて(トップ画ご参照)とにかくロマンチック!19世紀当時名を馳せたガブリエレ・カペッロ(Gabriele Capello)にてつくられた家具類も必見です。
Cappella del Castello del Roccolo
ロッコロ城の裏手には「礼拝堂(カペッラ・デル・カステッロ・デル・ロッコロ)」が、別館として設けられています。1842年に整えられた美しい礼拝堂。館内の重要な宝物等は、現在ロッコロ城から北へ30分ほど車を走らせた所にある街、サルッツォの「カーザ・カヴァッサ(Casa Cavassa)」という美術館にて大切に保管されています。
ロッコロ城 是非食べてほしい逸品
Paste d’melia
「パステ・ド・メリア(もしくはPaste di meliga,パステ・ディ・メリガ)」は、クーネオ周辺で愛されている郷土菓子のひとつ。パッと見は直径10センチほどのシンプルなバタークッキーなのですが”メリア(”とうもろこし”を意味するピエモンテ州の方言、一般的には”メリガ”)”の粉を使って作る点がポイントです。ほんのりレモンが効いていておいしい!コーヒーブレイクにもオススメですし、朝会社のデスクや教室で朝食の代わりに食べているイタリア人もよく見かけます。
ロッコロ城ワンポイントアドバイス
「Massimo d’Azeglio」
1831年に夏の離宮として、ロッコロ城を整えたロベルト・タパレッリ・ダゼーリョ公爵(Roberto Taparelli d’Azeglio)。彼の弟の「マッシモ・ダゼーリョ」は、サルデーニャ王国(かつてイタリアにあった小国の一つ)の首相で、イタリア史における超重要人物。イタリアの統一に尽力するとともに、画家や小説家としても才能を発揮しました。ピエモンテ州の州都、トリノ観光を予定している方は、旅の途中に彼の名前に触れる機会があるかも…覚えておくと旅がさらに楽しくなることと思います。
ロッコロ城での注意点
- 6月から10月の第一、第三日曜日のみ敷地内に入ることが出来ます。
- 入場料は5ユーロです。
- 一日に数回、ガイドツアーも開催されています。
ロッコロ城は冬季は積雪があるため、原則見学を受け入れていません。現在は夏秋の日曜日を中心にお庭とお城の中が一般公開されていますが、団体客等に限り、それ以外の日も見学を受け入れています(今後変更になる可能性アリ)。
まとめ
ちなみにブスカへ公共交通機関を使っていく場合は、主要都市からクーネオ駅(Cuneo)まで電車で行き、そこから91番のバスで向かうのがが、スタンダードです。最寄りのバス停(Busca – Due Termini)からお城までは徒歩約20分。車で行く方は、お城のふもとに駐車場があるので、そちらを利用すればオッケーです。ピエモンテ州の小さな街巡りにご興味がある方は、ぜひチェックしてみてください!
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