ピエモンテ州アスティの丘に立つ、ヴェッツォラーノ修道院
ヴェッツォラーノ修道院に行ってきました!
ピエモンテ州の都市アスティ(Asti)にある「ヴェッツォラーノ修道院」。ここは人里離れた場所に建っているにも関わらず、年間通して多くの観光客が訪れる人気の観光スポットです。
ヴェッツォラーノ修道院とは?絶対行くべき理由
- ブドウ畑の連なる丘陵地をセットで楽しめる点。
- 1000年以上の歴史を持つ建物に触れられる点。
- 普段とは一味違った観光スポット巡りを体験できる点。
「ヴェッツォラーノ修道院(Abbazia di Vezzolano /アバツィア・ディ・ヴェッツォラーノ)」は、ピエモンテ州の街、アスティの丘の上にある修道院(教会)です。小高い丘の上にあるため、決してアクセスが良いとは言えないのですが、その分神聖な雰囲気が辺り一面に立ち込めており、普段とは一味違ったカトリック文化に触れることが出来ます。
ヴェッツォラーノ修道院 押さえておくべき魅力とは?
長大な歴史を誇る観光スポット
ヴェッツォラーノ修道院はピエモンテ州の州都トリノから車で1時間程のところにある小さな小さな集落「アルブニャーノ(Albugnano)」の中にあります。県道から伸びる山道(Località Vezzolano/ロカリタ・ヴェッツォラーノ)をしばらく進むと見えてくる外観(写真)。伝説によると、カール大帝(在位:768年~814年)が建設を指示したとも言われており、大変長い歴史と豊かな文化を持つ観光スポットとして知られています。
周辺に広がる世界遺産のブドウ畑
ヴェッツォラーノ修道院周辺は「ピエモンテの葡萄畑の景観(Paesaggio vitivinicolo del Piemonte)」として2014年に世界遺産登録を果たした場所。道中びっくりするほど多くの葡萄畑を目にすることが出来ます。中でも同じ都市アスティに属するカネッリ(Canelli)という集落は、葡萄の一大生産拠点。ワイナリー巡りを予定している方の中には、立ち寄る予定の方もいらっしゃるかもしれません。
外観を彩る彫刻たち
現在私たちが見ることの出来る建物は、主に12~13世紀に整えられました。ファサード(正面口)に取り付けられたビフォラ(開口部が二つの窓)の前には、中央にイエスさま、両サイドに大天使ミカエルとラファエルの彫像が並んでいます。その上には、大天使より位の高い熾天使(してんし)の姿が。一方、下に目を送ると中央扉上にも、聖母とともに天使たちの姿が見られます。
回廊を彩るフレスコ画
館内でひと際存在感を放つ回廊。ここはメインの建物が整えられた翌世紀以降(14世紀以降)に完成した場所です。回廊の名物が、壁に描かれているフレスコ画。ピエモンテ州の画家たちによって1240年から1354年にかけて描かれたもので、場所によっては写真のように、かなりはっきりとその姿を確認することが出来ます(ちなみに写真の絵はアスティの集落のひとつ、モンティーリオ・モンフェッラート出身の画家が描いたものと言われています)。
メインフロアに設置された、謎の仕切り
メインフロアに入ると、まもなく仕切りのような場所(Pontile/ポンティーレ)が登場します。これは、聖職者と参拝者の席を仕切るべく設けられているもので、イタリアではちょっと珍しい存在(フランスの古い教会ではよく見られます)。上部を彩る華やかなレリーフには、聖母マリアの聖母被昇天(聖母マリアが天国にあげられること)に関わる物語などがびっしりと刻まれており、見逃せません。
ヴェッツォラーノ修道院 是非食べてほしい逸品
Asti spumante
「アスティ・スプマンテ」は日本のイタリアンレストランなどでも飲むことが出来る、世界的に有名なアスティの名産品のひとつ。一言でいうと甘口のスパークリングワインで、白ワインと違ってしゅわしゅわの泡が肉料理やピザなどの、こってりめの料理とも相性抜群です。お酒が苦手な方でも飲みやすい一品。普段お酒をたしなまない方も、せっかくの機会ですので、ちょこっとだけでも味わってみてください。
ヴェッツォラーノ修道院 ワンポイントアドバイス
「実は修道院じゃない⁉ヴェッツォラーノ修道院」
ヴェッツォラーノ修道院は、イタリアでもアバツィア(修道院)と呼ばれています。…が、実はかつて一度も修道院(修道士たちが寝食を共にしながら神への祈りを捧げる、寮のような場所)として機能していた時代はないのだそう!しかし、不思議なことに、長年管理してきた団体によって、なぜか今日「修道院」と呼ばれてしまっているそうです。
ヴェッツォラーノ修道院 での注意点
- 入場無料です。
- 土曜日は10時から18時迄開いています(最終入場時刻は17時半)。
- 日曜日は10じから17時迄開いています(最終入場時刻は16時半)。
現在土日限定で見学をすることが出来ますが、今後平日も見学できるようになる可能性もアリ。気になる方は公式HPや現地ホテル、観光案内所などで最新情報をご確認の上、お越しください。
まとめ
イタリア本土の中で最も大きな州であるピエモンテ州(全体ではシチリア州に次ぐ2位)。陸路も発達していますが、やはり場所によっては車でないとなかなか足を延ばしにくい所もあります。ヴェッツォラーノ修道院もそのひとつ。海外での運転に不慣れな方はなかなか行きづらい場所かもしれませんが、最近では日本語アシスタント付きの貸切専用車などで巡るプライベートツアーなども増えているので、それらをうまく活用しながら是非遊びに行ってみてください。
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