日本との深いつながりも。ヴェネツィア、国際近代美術館
国際近代美術館に行ってきました!
ヴェネツィアの名門貴族、ペーザロ家の元お住まいだった「カ・ペーザロ(ペーザロ邸)」。ここは現在「国際近代美術館」としてヴェネツィアで人気の観光スポットのひとつとなっております。今日は、美術品に的を絞って、見どころをご紹介します。
国際近代美術館とは?絶対行くべき理由ベスト3
- 選りすぐりの近代美術を鑑賞できる点。
- 観光客でごったがえすことが少ない点。
- 貴族の邸宅を一緒に味わえる点。
「国際近代美術館(Galleria Internazionale d’Arte Moderna /ガレリア・インテルナツィオナーレ・ダルテ・モデルナ)」は、”カ・ペーザロ(Ca’ Pesaro)”の2階と3階を利用して1902年に整えられた美術館。ジョルジョ・モランディ(Giorgio Morandi,トップ画の作者)、ジョルジョ・デ・キリコ(Giorgio de Chirico)といった、世界的に有名な近代の芸術家たちの作品をたっぷりと楽しむことが出来ます。
美しい17世紀のお屋敷のすがた
ヴェネツィアの陸の玄関口、ヴェネツィア・サンタ・ルチーア駅と、リアルト橋とのちょうど中間あたりに位置する「カ・ペーザロ」。リアルト橋やサン・マルコ広場といった、ヴェネツィア本島を代表する観光スポットに行く際、ほとんどの方が前を通過する場所なので、外観だけでも目にしたことがある方は多いのではないでしょうか?絵葉書でもご指名率の高い、バロック様式の白亜の邸宅は、一見の価値アリ!
Antonio Donghi
館内はイタリア国内外の近代画家たちの傑作が揃い踏み。日本ではあまりなじみがないものの、個人的に柔らかい色使いに心を奪われたのが、ローマ出身の画家「Antonio Donghi(アントニオ・ドンギ)」の作品です。色鮮やかな構図の中に漂う静けさが病みつきに。写真は「行楽客(Le villeggianti/レ・ヴィレッジャンティ)」という作品(1934年発表)で、マジックリアリズムという技法(日常と非日常をドッキングさせる技法のコト)で描かれています。
Il pensatore
こちらはほとんどの方がご存じであろう超有名彫刻、ロダンの「考える人(イタリアでは”イル・ペンサトーレ”と呼ばれています)」です。考える人の複製は世界中にありますが、イタリアではここ、カ・ペーザロに行けば、パリのロダン美術館まで行かずとも見ることが出来ますよ!ロダンのもう一つの代表作「カレーの市民(伊:I borghesi di Calais)の複製も館内で楽しむことが出来ます。
もうひとつのユディト
こちらは”接吻”などでおなじみの、オーストリアで最も有名な画家、グスタフ・クリムト(Gustav Klimt)の「ユディトⅡ(Giuditta Ⅱ/ジュディッタ・セコンド)」です。クリムトのユディト(”ユディト”は旧約聖書に登場する勇敢な女性です)と言えば、官能的な表情が印象的な”ユディトⅠ”が超有名。その約8年後に誕生したユディトⅡは、前作とは打って変わってどことなく恐ろしいユディトの表情が印象的です。
Joaquín Sorolla
可愛らしい雰囲気のこちらの絵画は、スペインの画家、ホアキン・ソローリャが描いた「Rammendo della vela(ラッメンド・デッラ・ヴェラ/帆の修理)」です。絶妙な光の加減が印象的。国際近代美術館はイタリアの美術館や教会で定番の、”殉教””磔といったものをテーマにしたちょっと不気味な宗教画がほとんどないので、それらに苦手意識がある方にも、リラックスして楽しめる空間になっています。
国際近代美術館 近くまで来たら是非食べてほしい逸品
Trattoria ai Cugnai dal 1911
「トラットリア・アイ・クニャイ・ダル・ミッレノヴェチェントウンディチ」は、アカデミア美術館の近くにある大衆食堂(写真のプレースマットに描かれた地図の指し示す場所です)。残念ながら国際近代美術館からは直線で2キロほど離れた場所にあるのですが、シーフード類のメニューがお皿に豪快に盛られて出てくるので、ヴェネツィア料理をお腹いっぱい食べたい!という方はぜひ!
国際近代美術館 ワンポイントアドバイス
「Museo d’arte orientale」
国際近代美術館の4階は「東洋美術館(ムゼオ・ダルテ・オリエンターレ)」となっています。国際近代美術館への入場券で同時に入場可能。館内は東洋の中でも特に”日本”にまつわる展示品が多く(体感7割ほどが日本にまつわるものです)どこか懐かしい気持ちに…。日本で普段博物館や美術館に行く機会のない方は、国際近代美術館と同じかそれ以上の満足感があるかもしれません。
国際近代美術館での注意点
- チケットは10ユーロです。
- 木曜から日曜の11時から17時迄開いています。
- 最寄りの船着き場は「San Stae」です。
最終入場可能時刻は16時。国際近代美術館へのチケットで、上階にある東洋美術館へも入場可能ですが、単体でのチケット販売はありません。最寄りの船着き場は「サン・スタエ」です。
まとめ
国際近代美術館は、外から見た時のヨーロッパならではの外観と館内に歩みを進めた時の、近代芸術が織りなす新鮮な空気感との違いが非常に興味深い場所。ロダンやクリムト…といった、イタリア人以外のアーティストの一級品を楽しめる点も魅力です。館内の地上階にあるミュージアムカフェ(Ca’ Pesaro Caffè)も運河沿いの美しい景色を楽しめて◎ぜひ足を運んでみてください。
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