新しく見えて歴史アリ!ローマ、サン・パンクラツィオ門
サン・パンクラツィオ門に行ってきました!
その昔、ローマを外敵から守るべく、ぐるりと囲んでいたアウレリアヌス城壁。その城壁の出入り口として活躍していた「サン・パンクラツィオ門」の歴史や見どころについて、ご紹介します。
サン・パンクラツィオ門とは?絶対行くべき理由ベスト3
- ローマの城壁の歴史に触れることが出来る点。
- 館内の博物館が無料で見学可能な点。
- ジャニコロの丘とセットで巡れる点。
「サン・パンクラツィオ門(Porta San Pancrazio/ポルタ・サン・パンクラツィオ)」は、3世紀から19世紀まで使われていた、アウレリアヌス城壁というローマを守る壁の出入り口のひとつ。風光明媚な観光スポットとして知られる、ジャニコロの丘からも歩いて5分くらいのところにあり、セットで楽しむことも可能です。門の中には、イタリア近代史について学ぶことの出来る博物館も併設。
サン・パンクラツィオ門 押さえておくべき魅力とは?
美しく、新しい外観
アウレリアヌス城壁が、ローマ皇帝アウレニアヌスの指揮のもと建設されたのは、西暦275年頃のこと。その割に門がなんだか新しく見えるのは、最後に改修されたのが1854年だからです。3世紀につくられた門(城壁)が、19世紀まで改修を重ねながら使われていたということに、ただただ驚きを隠せません。まずはローマの偉大な歴史の産物を、広場からじっくりとご覧ください。
外観にあしらわれた装飾たち
城壁として活躍してきたサン・パンクラツィオ門は大きな戦争が起こる度に、再建や改修を繰り返してきました。歴史に残る大きな再建の一つが1644年。ローマ教皇ウルバヌス8世の指示で、新しい壁の材料を使って整えられました。この時、建築を手掛けたのが、巨匠ベルニーニの愛弟子、マルカントニオ・デ・ロッシ(Marcantonio De Rossi)。壁には、装飾の1つとして、ウルバヌス8世のご実家であるバルベリーニ家の紋章が、堂々と掲げられています。
碑文に刻まれたメッセージ
最後の改修となった1854年に設計を担当したのは、ヴィルジリオ・ヴェスピニャーニ(Virginio Vespignani/ちなみに、彼は時のローマ教皇ピウス9世からの信任が厚く、ちょうど反対側方面に位置するピア門(こちらもアウレリアヌス城壁の一部)の改修も担当しています)。1849年の戦争によって破壊され、増強に至ったサン・パンクラツィオ門。当時のことは、上の碑文からも読み取ることができます。
館内にある、イタリア共和国にまつわる博物館
サン・パンクラツィオ門の中は現在「Museo della Repubblica Romana(イタリア共和国への歩みの博物館/ムゼオ・デッラ・レプブリカ・ロマーナ)」という無料の博物館になっています。”イタリア共和国”とは、イタリアが統一されて”イタリア王国”となる少し前に一時的に出来たローマを中心とした政府のこと。館内には戦争で使用した軍服や、イタリア共和国成立時の貴重な文書(写真)などが展示されています。
目の前を走る、ガリバルディ通り
サン・パンクラツィオ門の周りはロータリー(円形の交差点)になっており、そこから何本もの重要な道がのびています。散策にオススメなのがガリバルディ通り(Via Garibaldi)。約5分ほど歩くとアクア・パオラの噴水(Fontana dell’Acqua Paola)という美しい噴水があり、その目の前には美しい景色が広がっています。写真は名前の由来となったジュゼッペ・ガリバルディ。博物館の中に肖像画があるので、こちらもお見逃しなく。
サン・パンクラツィオ門 是非食べてほしい逸品
Bar Gianicolo
「バール・ジャニコロ」はサン・パンクラツィオ門の目の前にあるアウレリオ広場(Piazzale Aurelio)に建つ、小さなカフェ(バール)。私が行った時はあいにくお休みでしたが、火曜から日曜まで営業していて、朝も6時頃からやっているので、時差ボケ等で早く起きてしまった方は、朝のお散歩がてら門を見た後、こちらでコーヒーや軽食を楽しむのもオススメです。
サン・パンクラツィオ門ワンポイントアドバイス
「Porta Aurelia」
「ポルタ・アウレリア(アウレリア門)」はサン・パンクラツィオ門の元々の名前。アウレリア街道(Via Aurelia)という、古代ローマの重要な街道の起点となる場所に建てられたことから、この名が付きました。その後、6世紀にローマ市内の門がカトリック風の名前に変更するようお達しがあった為、門も”聖パンクラツィオ(サン・パンクラツィオ)”の名を冠することに。昔の名前も頭の片隅に入れておくと、何かの役に立つかもしれません。
サン・パンクラツィオ門観光での注意点
- 博物館は毎週火曜から金曜の10時から14時、土日祝は10時から18時迄開いています。
- 最終入場時刻は閉館45分前となります。
- 入場無料です。
イタリア共和国への歩みの博物館は月曜、クリスマス、元旦、メーデーはお休み。4月25日は、イタリア解放記念日にあたりますが、他の祝日と同じスケジュールで営業しています。
まとめ
サン・パンクラツィオ門は、紀元前の遺跡がごろごろしているローマ市内の中で、予備知識を持たずに見ると、なんだか新しすぎて味気ない印象を持ってしまうかもしれません。しかし!知れば知るほどその歴史は、とてつもなく深い!本記事を通して、少しでも気になった方は是非、足を運んでみてください。門から200メートルほど歩くと、いまだ現役で活躍している、アウレリア街道を歩くことも出来ます。
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