監獄の上に立つ。ローマ、サン・ジュゼッペ・デイ・ファレグナミ教会
サン・ジュゼッペ・デイ・ファレグナミ教会に行ってきました!
フォロ・ロマーノのすぐ横に立つ、サン・ジュゼッペ・デイ・ファレグナミ教会。2018年の事故からの修復工事を経て、再び私たちに美しい姿を見せてくれました。次のローマ旅行で是非足を運んで欲しい教会の、魅力をご紹介します。
サン・ジュゼッペ・デイ・ファレグナミ教会とは?絶対行くべき理由
- 古代ローマ遺跡巡りとセットで足を運べる点。
- 監獄の上に立つ不思議な教会である点。
- 有名画家の絵画を堪能できる点。
「サン・ジュゼッペ・デイ・ファレグナミ教会(Chiesa di San Giuseppe dei Falegnami/キエーザ・ディ・サン・ジュゼッペ・デイ・ファレグナミ)」は、ローマに来た人のほとんどが足を運ぶであろう古代遺跡、フォロ・ロマーノのすぐ横に立つ教会です。高台にあるため、教会前の広場からの景色も抜群。ローマ観光が初めての方でもアクセスしやすい点も魅力です。
サン・ジュゼッペ・デイ・ファレグナミ教会 魅力とは?
監獄の上に立つ教会
サン・ジュゼッペ・デイ・ファレグナミ教会があるのは、カンピドリオの丘の上。もっと言うと…なんと監獄の上にあります。こちらが教会の基礎部分にある「マメルティヌスの牢獄(Carcere Mamertino/カルチェレ・マルメルティーノ)」。紀元前7世紀頃建てられた古代ローマで最も古い監獄のひとつで、8世紀頃には礼拝堂としても使われていました。
白の際立つ外観
監獄の上にある…というとなんだか不気味な感じがしますが、教会自体は白基調の、とても女性らしい姿をしています。現在私たちが見ることの出来る教会のベースは17世紀の中頃に出来たもの。しかし1880年、1932年と大改修が行われたため、近くで見ると、想像以上に新しい印象を受けるかもしれません。入口扉周辺に描かれた、アヴァンツィーノ・ヌッチ(Avanzino nucci)のフレスコ画がトレードマークです。
礼拝堂に飾られた名画
美しいフレスコ画は館内でもたっぷり鑑賞することが出来ます。こちらは中央通路左手、2番目の礼拝堂の中に飾られているカルロ・マラッタ(Carlo Maratta)の「キリスト降誕(Natività)」。日本語では「聖なる夜」とも呼ばれている有名作品で、イエスさまが生まれたシーンが描かれています。宗教画ですが、カトリック教徒でなくとも、聖母マリアの柔らかな表情や、光と影のコントラストにはグッとくるものがあるハズ。要チェックです。
天井にもある、キリスト降誕
キリスト降誕にまつわる作品は、館内にもう一つ有名なものがあります。それは、中央通路から上を見上げた時に見える、天井の中央にある金のレリーフ。手がけたのは教会のファサードも担当したジョヴァン・バッティスタ・モンタノ(Giovan Battista Montano)。天井全体は彼の工房で手分けしてつくられたものですが、中央にあるキリスト降誕にまつわるレリーフは、1611年に彼自身が手掛けました。
絢爛豪華な祈祷室
最後は教会以上!?に華やかな祈祷室(Oratorio/オラトリオ)をご紹介します。中央通路と同じように木製の格天井で彩られた豪華なつくり。祭壇も華やかで心奪われるものがありますが、対になる位置に描かれた、教会のシンボルナザレのヨセフ(サン・ジュゼッペ)と聖母マリアの結婚式にまつわる絵画も、大変大きくて見ごたえがあります。
サン・ジュゼッペ・デイ・ファレグナミ教会 是非食べてほしい逸品
Crostata di ricotta
「クロスタータ・ディ・リコッタ」は、リコッタチーズ入りのイタリア伝統的なケーキ「クロスタータ」のことです。クロスタータは日本のショートケーキのようなイタリアで最もポピュラーなケーキの一つ。お友達が「ケーキ焼いてきたの!」なんて言った時は、だいたいクロスタータが登場します。タルト風のケーキで、中身のバリエーションは数知れず!お菓子屋さんやパン屋さん、スーパーなどでも買えるので是非、お味見してみてください。
サン・ジュゼッペ・デイ・ファレグナミ教会ワンポイントアドバイス
「天井落下事故」
サン・ジュゼッペ・デイ・ファレグナミ教会は、実は2018年8月30日、午後3時前にメインフロアの天井が突然落下するという恐ろしい事故が起きました。たまたま教会は閉まっていた為、怪我人は出ませんでしたが、その後長らく修復のためクローズ。2020年の春に再び見学が出来るようになりました。原因は施工不良のようでしたが、テレビで事故現場の様子を見たときは、思わず目を疑ってしまいました。
サン・ジュゼッペ・デイ・ファレグナミ教会観光での注意点
- 毎日8時半から16時半迄開いています。
- 土曜日はクローズしています。
- 夏は熱中症にご注意ください。
サン・ジュゼッペ・デイ・ファレグナミ教会の周辺は古代ローマ遺跡の密集地帯。高い建物が少ないので、夏は日陰となる場所があまりありません。売店なども少ないので水分補給できる水などをしっかり持って、観光しましょう。
まとめ
なお、サン・ジュゼッペ・デイ・ファレグナミ教会自体は入場無料。地下の監獄は有料ですが、チケットを購入すれば誰でも見学することも出来ます。監獄の開館時間は毎日10時半から19時。ポピュラーなものでは、フォロ・ロマーノとコロッセオ、パラティーノの丘とのセット券(16ユーロ)などがありますので気になる方は、HPをチェックしてみてください。
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