ローマを陰で支える名脇役。ティブルティーナ門

ローマを陰で支える名脇役。ティブルティーナ門|イタリア観光ガイド

ティブルティーナ門に行ってきました!

「ティブルティーナ門(ティブルティーナ門)」は古くは水道橋の下を通れるようにするためのアーチ。その後は城壁としても活躍してきました。時代に合わせて役割を変えてきたティブルティーナ門の魅力に迫ります。

ティブルティーナ門とは?絶対行くべき理由ベスト3

おすすめのポイント
  1. ローマ・テルミニ駅から徒歩圏内の観光スポットである点。
  2. 古代ローマの城壁の歴史に触れることが出来る点。
  3. ローマの人々が築き上げた水道文化の一端に触れることが出来る点。

「ティブルティーナ門(Porta Tiburtina/ポルタ・ティブルティーナ)」は、ローマ・テルミニ駅から歩いて10分ほどの所にある古代ローマ時代の遺跡。今日では門として、下をくぐることは出来ませんが、その長大な歴史と文化的背景から生まれたオーラは、首都ローマまで来ないと、なかなか味わうことのできない貴重なもののひとつです。

ティブルティーナ門 押さえておくべき魅力とは?

Arco di Sisto V

こちらはティブルティーナ門…ではなく、ローマ・テルミニ駅にドッキングしている「シクストゥス5世の門」。この門自体は1585年に出来たものなのですが、ちょうど門の片側がティブルティーナ門へと続く「アウレリアヌス城壁(西暦271年から275年に建設)」へ接続しており、ここからティブルティーナ門までの約200メートルの道中、古代ローマをぐるりと囲んでいたアウレリアヌス城壁の跡を楽しむことが出来ます。

3つの水道の合流地点

ティブルティーナ門は後年、アウレリアヌス城壁の一部となってしまいましたが、もともとは「マルキア水道(Aqua Marcia/紀元前144年から140年頃建設)」「テプラ水道(Aqua Tepula/紀元前126年頃建設)」「ユリア水道(Aqua Iulia/紀元前33年頃建設)」の3つの水道橋の合流地点に、紀元前5年に初代ローマ皇帝アウグストゥスが建てたアーチ。下を通れるようにしたことで、ローマの街の更なる発展につながりました。

ティブルティーナ通り

さて、気になるのは「ティブルティーナ」という名前。これは、ティブルティーナ門の前からティーブルという街(現:ティヴォリ)へ向かって伸びていたローマ街道「ティブルティーナ街道 (Via Tiburtina)」に由来するものでした(諸説あり)。ティヴォリは今日でも、風光明媚なリゾート地として大人気。古代ローマ時代も、貴族たちの別荘地として名高く、アウグストゥスもこの地に別荘を所有していました。

門に開いた5つの穴

西暦270年から275年にかけて、ティブルティーナ門は、ローマをぐるりと囲むようにして造ったアウレリアヌス城壁の一部として組み込まれてしまいました。(城壁は当時、敵から街を守るために一刻も早く作る必要があった為、使えそうな建物はどんどん壁の一部として組み込まれていってしまいました)。その後、西ローマ帝国初代皇帝ホノリウスが、401年から402年にかけて門を強化。その際、現在見られる5つの穴がつくられました。

5つの穴の後ろに残された碑文

ティブルティーナ門は、反対側(穴のない方)に回ると今日でも、アウグストゥスがつくった部分を見ることができます。当時刻まれた碑文も残されており、保存状態良好。3段にわたって刻まれている碑文のうち、一番上にあるのがアウグストゥスの時代(紀元前5年)に刻まれたもので、その下にも、後の皇帝たちが改修時に刻んだ碑文が残されています。

ティブルティーナ門 是非食べてほしい逸品

Baccalà fritto alla romana

「バッカラ・フリット・アッラ・ロマーナ」は”ローマ風バッカラ(たら)のフリット”という意味のイタリア語。特にひねりのある料理ではないのですが、観光で歩き回った後はくたくたの身体にローマ料理の定番、フリットがよく合います。ビールやワインなどとの相性も抜群。塩のみのシンプルな味付けなので、メイン料理の前でも、ついついパクパクつまんでしまいます。

ティブルティーナ門ワンポイントアドバイス

「門の横ををちょっと歩いてみる!?」
ローマは観光スポットがとにかくたくさん!なかなかゆっくりとお散歩する時間は取れないかもしれませんが、ご興味がある方は現在残されているアウレリアヌス城壁の遺跡を少し歩いてみるのも面白いですよ。ティブルティーナ門からお隣にあるマッジョーレ門(Porta Maggiore)までは約800メートル。10分程の道のりに連なる遺跡群をお楽しみください。

ティブルティーナ門観光での注意点

ティブルティーナ門観光での注意点
  1. 車の往来が激しい場所ですので、交通事故にはお気を付けください。
  2. 訪問は明るいウチに行いましょう。
  3. 出来るだけ荷物は少なめで。身軽な格好で向かいましょう。

ティブルティーナ門周辺は交通量が多い場所。出来るだけ明るいウチに訪問を済ませましょう。駅前ゆえに移民なども多く、スリやひったくりなどの軽犯罪も発生しがち。その点もご注意ください。

まとめ

ティブルティーナ門はローマにある他の門と比べると(下をくぐることが出来ないので)モニュメント的要素が強い場所。しかし、見る角度によって紀元前から紀元後まで、さまざまな時代へタイムスリップ出来る、ローマならではの魅力に溢れた場所です。周辺に残るアウレリアヌス城壁の跡や、市内にある水道橋の跡などを巡れば、さらに知識を深めることもできます。是非立ち寄ってみてください。

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