実は隠れた傑作の宝庫。フィレンツェ、捨て子養育院美術館
捨て子養育院美術館に行ってきました!
フィレンツェ中心部のサンティッシマ・アンヌンツィアータ広場の目の前にある「捨て子養育院美術館」。一体どのような所なのか⁉ここでは絶対見るべき”美術作品”に的を絞って、現地よりレポートいたします。
捨て子養育院美術館とは?絶対行くべき理由ベスト3
- 15世紀の養育院の中にあるユニークな美術館である点。
- イタリアを代表する芸術家たちの作品を鑑賞できる点。
- 観光客でごった返すことが少なく、ゆっくり美術鑑賞できる点。
「捨て子養育院美術館(Museo degli Innocenti/ムゼオ・デッリ・インノチェンティ)」は、サンティッシマ・アンヌンツィアータ広場(Piazza della Santissima Annunziata)前にある「捨て子養育院(Ospedale degli Innocenti/オスペダーレ・デッリ・インノチェンティ)」の一部を利用して整えられた、ユニークな歴史的背景を持つ美術館です。
捨て子養育院美術館 押さえておくべき魅力とは?
養育院の一部を利用した美術館
1419年にヨーロッパで最も古い養育院(孤児院)として整えられた「捨て子養育院(Spedale degli Innocenti/スペダーレ・デッリ・インノチェンティ ※こちらはフィレンツェの方言を使った呼び方です)」。捨て子養育院美術館はその一角(回廊等)を利用して2016年にオープンしました。展示内容は「歴史(Storia)」「建築(Architettura)」「芸術(Arte)」の3本柱で構成されており、養育院のコレクションを中心に貴重な芸術作品が展示されています。
館内イチの有名作品、東方三博士の礼拝
館内で最も見るべき作品のひとつが、あのミケランジェロの師匠としても知られるドメニコ・ギルランダイオ(Domenico Ghirlandaio)が描いた「東方三博士の礼拝(Adorazione dei Magi)」です。”東方三博士の礼拝”とは、東方の三博士という人物たちが、イエスが生まれた知らせを受け、イエスさまのところへ向かい、到着した時の様子を描いた宗教画。実物はかなり大きく、縦約285㎝×横約243㎝もあります。
捨て子養育院ならではの、聖母の姿
先ほどの絵画と同じく中央に赤い服をまとった聖母が描かれている本作。ヤコピーノ・デル・コンテ(Jacopino del Conte)の「捨て子の聖母(Madonna degli Innocenti)」です。ヤコピーノ・デル・コンテは、ドメニコ・ギルダンライオが亡くなった20年ほど後に誕生したフィレンツェ出身の画家。本作は、捨て子養育院美術館ならではのテーマを持った作品なだけに、見逃すわけにはいきません。
ボッティチェッリの初期の傑作
横を向いた聖母が印象的な一枚は、あの「ヴィーナスの誕生」や「春」の作者として有名なサンドロ・ボッティチェッリにより描かれたもの。ドメニコ・ギルランダイオの”東方三博士の礼拝”と並ぶ宝物で、1465年から1467年頃(ギルランダイオの作品の少し前,”春”を手掛けた約10年前)描かれました。ボッティチェッリがハタチの頃に仕上げた、初期の傑作をお見逃しなく!
Putti in fasce
館内で絶対に見逃せない作品”その5”は、アンドレア・デッラ・ロッビア(Andrea della Robbia)が1487年に手掛けた「プッティ・イン・ファッシェ」です。”おくるみにくるまれた赤ちゃん天使”という意味のタイトルがついたレリーフ。同モチーフのレリーフは養育院の中庭の外壁にもあしらわれており、建物全体のシンボル的存在となっております。
捨て子養育院美術館 是非食べてほしい逸品
La Giostra
「ラ・ジオストラ」は、捨て子養育院美術館から10分弱歩いた所にあるレストラン。普段使い用…というよりは、ハレの日に利用するような高級レストランなので、気軽な旅行や一人旅の方にはあまりオススメできませんが、とっておきの一日に花を添えるのにはもってこいの場所!店内の雰囲気も映画のワンシーンのようで、特に夜はライティングがキレイで、ムード満点です。
捨て子養育院美術館 ワンポイントアドバイス
「実は長い歴史を持つ、捨て子養育院美術館」
現在の捨て子養育院美術館は2016年にオープンしたものですが、実はその歴史は1853年にまで遡ります。1853年に提案された「捨て子養育院の中の宝物たちをまとめた美術館をつくろう!」という構想は、1890年に実現。その後、1971年に、より安全に作品たちを保管できる場所へと施設を移動し、修復作業などを経て2016年にリニューアルオープンを果たしました。
捨て子養育院美術館での注意点 押さえておくべき事項3選
- チケットは13ユーロです。
- 水曜から月曜の11時から18時迄開いています。
- 最終入館時刻は17時半(閉館30分前)です。
美術館は、毎週火曜日および元旦、8月15日、クリスマスはお休みです。ここ最近は開館日、チケット料金が変動しているので、ご来館の際は、最新情報をご確認いただくことをオススメします。
まとめ
捨て子養育院美術館は、日本のガイドブックなどでは紹介されないことも多いですが、実は、教科書でもおなじみのイタリアを代表する芸術家たちの作品も多数展示されている、超穴場スポット!ヨーロッパで最も古い”捨て子養育院”という独特の施設の雰囲気も一緒に味わうことが出来るユニークなスポットですので、是非気になる方は足を延ばしてみてください。
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