聖堂と合体したユニークなつくり。ミラノ、トリヴルツィオ礼拝堂

聖堂と合体したユニークなつくり。ミラノ、トリヴルツィオ礼拝堂|イタリア観光ガイド

トリヴルツィオ礼拝堂に行ってきました!

トリヴルツィオ礼拝堂はミラノ大学近くにある「サン・ナツァーロ・イン・ブローロ聖堂」にドッキングした礼拝堂(霊廟)です。不思議な構造の礼拝堂の背景や、内部の見どころをご紹介します。

トリヴルツィオ礼拝堂とは?行くべき理由ベスト3

おすすめのポイント
  1. 聖堂にドッキングした不思議な観光スポットである点。
  2. ミラノ、ロンバルディア州を代表する貴族の霊廟を見学できる点。
  3. 賑わいのあるポルタ・ロマーナ通りを一緒に散策できる点。

「トリヴルツィオ礼拝堂(Mausoleo Trivulzio/マウソレオ・トリヴルツィオ)」はミラノのドゥオーモから徒歩10分ほどの所にある「サン・ナツァーロ・イン・ブローロ聖堂(Basilica di San Nazaro in Brolo/バジリカ・ディ・サン・ナツァーロ・イン・ブローロ)」にドッキングした礼拝堂(霊廟)。ミラノの中でも特に長い歴史を持つサン・ナツァーロ・イン・ブローロ聖堂とセットで観光することが出来るのでオススメ。

トリヴルツィオ礼拝堂 押さえておくべき魅力とは?

サン・ナツァーロ・イン・ブローロ広場

トリヴルツィオ礼拝堂が立つのは「サン・ナツァーロ・イン・ブローロ広場(Piazza San Nazaro in Brolo)」。目の前を走るポルタ・ロマーナ通りも大変活気があり、ミラノらしいアーバンライクな街並みと、ヨーロッパ独特の歴史的情緒を一緒に感じることが出来る広場です。傍らには聖ウルデリーコ(Sant’Ulderico/写真)の像も。是非どこにあるか、探してみてください。

聖堂にドッキングした礼拝堂

聖ウルデリーコの像よりもわかりにくいのが…トリヴルツィオ礼拝堂の入り口!というのも、トリヴルツィオ礼拝堂はサン・ナツァーロ・イン・ブローロ聖堂にドッキングする形で建てられているからです(ゆえに聖堂も、礼拝堂も同じ入口から入ります。※写真ご参照)。サン・ナツァーロ・イン・ブローロ聖堂は382年に建てられた、ミラノきっての歴史ある聖堂。礼拝堂はこれらを覆うような形で、1512年から1565年にかけて建設されました。

礼拝堂らしい天井の姿

入口を抜けると、典型的な礼拝堂の形(八角形)をした神聖な部屋が広がっています。「トリヴルツィオ」とは、依頼主であるジャン・ジャコモ・トリヴルツィオ(Gian Giacomo Trivulzio)の名前から来たもの。礼拝堂は結局内部が完成してすぐ、対抗宗教改革という運動が激化し、装飾が撤去され、外観も完成しないままになってしまいました(ゆえになんとなく礼拝堂にしては、こざっぱりとした印象を受けます)。

館内に設置された霊廟①

対抗宗教改革の流れの中で、一度は撤去されてしまった礼拝堂内の霊廟。現在は元の位置に戻され、ご覧の通り、誰でも見学することが出来ます。こちらはフランチェスコ・ニコラ・トリヴルツィオ(Francesco Nicola Trivulzio)の霊廟。肉眼ではわかりにくいですが、彫像の下にレリーフがあり、そこから誰の霊廟が知ることが出来ます(すぐ傍にはジャン・ジャコモ・トリヴルツィオの霊廟もあります)。

館内に設置された霊廟②

八角形に沿って設置された8つの霊廟の中には、女性の霊廟、またトリヴルツィオ家以外の霊廟もあります。押さえておきたいのはミラノ近郊の都市、マントヴァで隆盛を極めた、ゴンザーガ家のパオラ・ゴンザーガ(Paola Gonzaga)の霊廟と、ベルガモで栄華を極めたコッレオーニ家のマルゲリータ・コッレオーニ(Margherita Colleoni)の霊廟。マルゲリータ・コッレオーニは、ジャン・ジャコモ・トリヴルツィオの最初の奥様でもあります。

トリヴルツィオ礼拝堂 是非食べてほしい逸品

Panarello

「パナレッロ」はトリヴルツィオ礼拝堂の前を走るポルタ・ロマーナ通り(Corso di Porta Romana)沿いにあるお菓子屋さん。礼拝堂から50メートルほど歩いた所にあります。元々はジェノヴァで誕生したお店ですが、1935年にミラノに進出し、今では市内5店舗以上出店している人気店。店内で頂く生菓子もおいしいですし、お土産になりそうな焼き菓子等のアイテムも充実しています。

トリヴルツィオ礼拝堂ワンポイントアドバイス

「芸術家Bramantino」
ブラマンティーノは、トリヴルツィオ礼拝堂を建設した人物。トリヴルツィオ家の寵愛を受けた芸術家で、建築家としてよりは、どちらかというと画家として、才能を発揮しました。作品はボストン美術館(アメリカ)やナショナル・ギャラリー(イギリス)にも展示されるほど有名。ミラノ市内では、アンブロジアーナ絵画館(Pinacoteca Ambrosiana)やブレラ絵画館(Pinacoteca di Brera)などで見られるので、気になる方は立ち寄ってみて下さい。

トリヴルツィオ礼拝堂観光での注意点

トリヴルツィオ礼拝堂での注意点
  1. 入り口はポルタ・ロマーナ通り(Corso di Porta Romana)沿いにあります。
  2. 月曜から金曜は7時半から12時、15時半から18時半迄開いています。
  3. 土日は8時から12時半、15時半から19時迄開いています。

入場料は無料。地下鉄で向かう方は、ミッソーリ駅(Missori)から徒歩約6分、クロチェッタ駅(Crocetta)から徒歩約5分でアクセスできます。目の前の通りは交通量が多いのでご注意。

まとめ

トリヴルツィオ礼拝堂は、ドゥオーモなどのあるミラノ中心部からちょこっとだけ離れた場所にあります。ゆえに、観光客でごった返していないので、ミラノの地元の雰囲気を感じられる点も魅力です。館内ではセットでサン・ナツァーロ・イン・ブローロ聖堂、サンタ・カテリーナ礼拝堂(ベルナルディーノ・ラニーノの絵画が有名)も見学することができます。是非、機会があれば立ち寄ってみてください。

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