古代ローマの城壁をリノベーション！城壁博物館

2021.04.09ラツィオ州

城壁博物館に行ってきました！

「城壁博物館」はローマ市内にある無料の博物館。建物自体は古代ローマ時代に建てられた城壁（門）を利用しており、館内では様々な古代ローマの歴史文化に触れることが出来ます。

城壁博物館とは？絶対行くべき理由ベスト３

おすすめのポイント

古代ローマの城壁の中へ潜入出来る点。
荒天時も無料で楽しめる観光スポットである点。
屋上から素晴らしい眺望を楽しめる点。

「城壁博物館（ムゼオ・デッレ・ムーラ/Museo delle Mura）」は、ローマにかつて存在した「アウレリアヌス城壁」の歴史について無料で学べる博物館。ローマはその昔、街をぐるりと城壁が囲んでおり、城壁博物館を構成するサン・セバスティアーノ門もそのウチのひとつでした。館内では、実在した城壁の中で、城壁について楽しく知識を深めることが出来ます。

城壁博物館押さえておくべき魅力とは？

博物館がある、サン・セバスティアーノ門

城壁博物館があるのは、ローマのサン・セバスティアーノ門(Porta San Sebastiano)の中。門は、元々はローマの「アウレリアヌス城壁（西暦271年から275年に建設）」の出入り口の一つでした。アウレリアヌス城壁は外敵からローマを守るべく、ぐるりとローマ全体を囲っていた全周約19キロの巨大な壁。まずは、当時の情景に想いを馳せつつ、全体像をじっくりとご覧ください。

ユニークなモザイク画

城壁博物館の出入り口は、西側（上写真左）の塔のふもとにあります。中に入ると出迎えてくれるのは美しいモザイク画。1940年から1943年にかけて制作されたもので、円筒形の建物に絶妙にマッチしています。門を博物館にリノベーションするにあたって指揮をとったのは、政治家兼軍人のエットレ・ムーティ(Ettore Muti)。建築家のルイジ・モレッティ（Luigi Moretti）の元で、改装工事が進められました。

感覚的に学べる展示品の数々

博物館自体が本格的にオープンしたのは、1990年に入ってからのコト。それまでは第二次世界大戦後、開館と閉館を繰り返しながら細々と運営されていたそうです。展示物や映像は基本的にはイタリア語（一部英語有）ですが、感覚的に理解できるものもたくさんあります。写真は古代ローマ時代のジオラマ。これを見るだけでも「本当にローマって壁でぐるりと囲まれてたんだ！」と、しみじみしてしまいます。

実際に城壁を歩けるコーナー

城壁博物館自体がアウレリアヌス城壁の一部ではあるのですが、上階では”まさに城壁だった”場所を歩くことも出来ます。ローマ観光中、アウレリアヌス城壁やその出入り口として使われていた門に出会う機会は幾度となくあります。しかし、門の中に入れたり、壁の上を歩けたりする機会は、まずありません。イタリアの学生さんたちが遠足などで来ることも多い、とっておきのスポット。貴重な体験をお見逃しなく。

絶景のパノラマビュー

屋上階では、二つある塔のちょうど間部分、テラッツァ（Terrazza）と呼ばれる場所から、かつてのローマの中と外を一気に見渡すことが出来ます。爽快感抜群の空間。サン・セバスティアーノ門といえばローマ街道のひとつ、アッピア街道（紀元前312年につくられ、現在でも使われている古代ローマ時代の街道）のスタート地点としても有名で、テラッツァからは見張り役気分で、特等席からアッピア街道を望むこともできます。

城壁博物館是非食べてほしい逸品

Melanzane

「メランザーネ」は”茄子”を意味するイタリア語。イタリアの茄子はとにかく大きくてぷっくりしているので、家で煮びたしや御新香をつくろうとすると、かなり不格好になってしまうのですが、ピザや重ね焼きなどにすると、見栄えも良く味も抜群です。ローマ以外のどこにでも売っていますが、夏野菜ゆえ、中央～南イタリアのものは美味しい！ぜひ機会があったら召し上がってみてください。

城壁博物館ワンポイントアドバイス

「テラッツァから見えるもの」
城壁博物館の名物のひとつ「テラッツァ（”テラス”のこと）」。屋上からはアッピア街道以外にも様々なものを見ることができます。ひとつは横に続くアウレリアヌス城壁（上写真にてご紹介している風景）。また、アッピア街道と反対側の道（かつてのローマ市内に当たる部分）では「アルコ・ディ・ドゥルーゾ（Arco di Druso）」という、古代ローマの水道橋の遺構なども見ることが出来ます。

城壁博物館観光での注意点

入場無料です。
毎日9時から19時迄開いています。
最終入場は閉館時刻30分前となります。

城壁博物館はローマの中心部から少し離れた場所にあります。最寄り駅が近くにない（いずれの駅からも20分程歩きます）ので体力やスケジュールなどと相談しながら移動手段を決めましょう。

まとめ

城壁博物館は、アウレリアヌス城壁に関する知識が全くない方でも、パノラマビュ―を楽しめるスポットとして十分行く価値があります。しかし、古代ローマ時代の歴史文化について、1つでもいいので予備知識があれば、さらに楽しくなること請け合い。時間の許す限り、インターネット・書籍などで古代ローマについて頭の中に入れておくことをオススメします。本記事も参考になれば幸いです。