聖ペトロ殉教の地。ローマ、ブラマンテのテンピエット

聖ペトロ殉教の地。ローマ、ブラマンテのテンピエット|イタリア観光ガイド

ブラマンテのテンピエットに行ってきました!

ローマ市内にある、サン・ピエトロ・イン・モントリオ教会の隣にある「ブラマンテのテンピエット」。素朴な雰囲気のお堂ですが、実は多くの人が、わざわざこれを見るためだけに足を運ぶほど、有名な建物なんです。

ブラマンテのテンピエットとは?絶対行くべき理由ベスト3

おすすめのポイント
  1. ジャニコロの丘とセットで観光出来る点。
  2. 巨匠ブラマンテの名建築を堪能できる点。
  3. 聖ペトロゆかりの地を訪ねることができる点。

「ブラマンテのテンピエット(Tempietto del Bramante/テンピエット・デル・ブラマンテ)」は、ローマにある7つの丘のうちのひとつ、ジャニコロの丘の中腹に建つテンピエット(小さなお堂のような建物)です。具体的にはサン・ピエトロ・イン・モントリオ教会の右手に広がる中庭の一角にあり、聖ペトロ(サン・ピエトロ)ゆかりの地としても、建築物そのもの自体も重要視されています。

ブラマンテのテンピエット 押さえておくべき魅力とは?

Piazza di san pietro in montorio

ブラマンテのテンピエットの正式名称は「サン・ピエトロ・イン・モントリオのテンピエット(Tempietto di San Pietro in Montorio)」。サン・ピエトロ・イン・モントリオ教会の付属施設で、目の前には「サン・ピエトロ・イン・モントリオ広場(ピアッツァ・ディ・サン・ピエトロ・イン・モントリオ)」が広がっています。ここからの眺望はローマ有数の美しさ!ぜひ、ゆっくりと味わった後、中へお進みください。

実はスペインにもゆかりのある場所

サン・ピエトロ大聖堂(バチカン)や最後の晩餐が飾られているサンタ・マリア・デッレ・グラーツィエ教会の設計にも携わった芸術家ドナト・ブラマンテ(Donato Bramante)。テンピエットは60歳手前で、アラゴン王フェルナンド2世夫婦からの依頼で制作が進められました。両名ともスペインにゆかりのある人物であることから、テンピエットの隣には、現在もスペイン文化会館があります。こちらもぜひチェックしてみてください。

有名建築も真似た、均整の取れたお堂

1502年頃から建設がスタートしたテンピエット。一見なんの変哲もないお堂に見えるのですが、古代神殿に登場しそうな柱の上にドーム屋根が乗っかったこの佇まいは、その後、多くの建築物のモデルとなりました。代表的なものでは、サン・ピエトロ大聖堂、セントポール大聖堂(ロンドン)パンテオン(パリ)国会議事堂(アメリカ)など。機会があれば、画像検索をしてテンピエットと見比べてみてください。

テンピエットの中の装飾たち

16本の柱に囲まれたお堂の中には、サン・ピエトロ・イン・モントリオ教会のシンボルである、イエスさまの愛弟子、聖ペトロ(サン・ピエトロ)の像が飾られています。おそらく16世紀にロンバルディア州出身の芸術家によってつくられたとされる大きな彫像。天井には、ドーム屋根いっぱいに青色の世界が広がり、足元は、ローマ特有のコズマーティ様式という手法で作られた大理石の装飾があしらわれています。

彫刻の前の穴

聖ペトロの彫像の前には格子状の蓋で閉ざされた、マンホールのような空洞があります。中をのぞくと地下聖堂のような空間が…。そう、こここそが聖ペトロが殉教した場所と言われており、あえて中が見えるようにしてあるのです。裏手の階段を下りたところからも中を覗くことができるので、ぜひ立ち寄ってみて!イエスさまの一番弟子であり、ローマで亡くなったといわれる聖ペトロ。カトリック教徒にとって、ここは最も大切な巡礼地のひとつです。

サン・ピエトロ・イン・モントリオ教会 是非食べてほしい逸品

Ciambellone

「チャンベッローネ」は、ドーナツ型をしたイタリアの家庭でよく作られるケーキの一種。一言でいうと、シフォンケーキ型のパウンドケーキ、凹凸の少ないクグロフ…といったところでしょうか。「チャンベッラ(Ciambella)」に「ドーナツ型の」という意味があるため、そこからチャンベッローネ(巨大なドーナツ型の)の名が付きました。

サン・ピエトロ・イン・モントリオ教会ワンポイントアドバイス

「イタリア国外で見るテンピエットの模型」
ロンドンにあるヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(Victoria and Albert Museum)。この中になんと、テンピエットの模型が展示されています。展示名は「Tempietto di San Pietro in Montorio」。ロバート・フレイドゥス(Robert Freidus)氏によってつくられた木製の模型で、異国の地で見るテンピエットはどこか不思議な気持ちにさせてくれますよ!機会があれば足を運んでみてください。

サン・ピエトロ・イン・モントリオ教会での注意点

サン・ピエトロ・イン・モントリオ教会での注意点
  1. 入口は教会とは別の場所になります。
  2. 火曜から日曜の10時から18時迄開いています。
  3. 入場無料です。

テンピエットの入り口は教会右手の柵のある扉。もしくは、そこが開いていなかった場合、スペイン文化会館から中に入る仕様になっています。教会の中からは行くことができないのでご注意ください。

まとめ

聖ペトロが殉教(カトリックのために命を捨てること)した場所は、公にはサン・ピエトロ大聖堂とされていますが、あちらはお墓がある場所。亡くなったのは、ジャニコロの丘に建つ、ここブラマンテのテンピエットのある場所と言われています。カトリック上もとても重要な場所ですが、あまり関心がない方でも、丘からの見事な眺望や均整の取れたテンピエットの風景にはグっとくるものがあるはず。ぜひ足を運んでみてください。

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