意外な名画に出会える場所。ヴェネツィア、チーニ館
チーニ館に行ってきました!
ヴェネツィア本島にある「チーニ館」は、人気観光スポット、アカデミア美術館の目と鼻の先にある貴族の邸宅。中は美術館になっていて、優雅な気分で美術鑑賞を楽しむことが出来ます。
チーニ館とは?絶対行くべき理由ベスト3
- アカデミア美術館からスグの好立地である点。
- ルネサンスを代表する画家たちの共演を楽しめる点。
- トマソ・ブッツィの建築美を鑑賞できる点。
「チーニ館(Palazzo Cini/パラッツォ・チーニ)」は、ヴェネツィア本島の南方面、アカデミア美術館からスグの所にある元貴族の邸宅です。現在中は美術館(Galleria di Palazzo Cini/ガレリア・ディ・パラッツォ・チーニ)として一般公開されており、優雅な邸宅の中でイタリアを代表する芸術家たちの絵画や、建築美に触れることが出来ます。
チーニ館 押さえておくべき魅力とは?
可愛らしい広場の前に立つ、外観
「サン・ヴィオ広場(Campo San Vio)」の前に立つチーニ館(写真左)。カナル・グランデ(大運河)の絶景を独り占めできる美しい広場は、そこまで大きな場所ではないものの、空が広く、開放感に溢れています。チーニ館は広場の前のサン・ヴィオ運河に架かる小さな橋を渡った先。向かい側にあるバルバリゴ宮(Palazzo Barbarigo,写真右)も必見で、特に運河沿いから見る外観は絶景です!
Scala ovale
「スカラ・オヴァーレ」はチーニ館の名物のひとつ。オーヴァル型(オヴァーレ)のスカラ(階段,ここではらせん階段)で、お手持ちのスマホでパチリと1枚写真を撮っただけでも、絵になる1枚が完成する魅惑のスポットです。設計を手掛けたのは20世紀を代表する建築家のトマソ・ブッツィ(Tomaso Buzzi)。1958年から1959年にかけて、ネオロココ様式で整えられた名作をお見逃しなく!
Sala dei polittici
チーニ館は展示品の年代が多岐に渡っている点が大きな魅力の1つ。こちらは多翼祭壇画(Polittici)が飾られている広間「サラ・デイ・ポリッティチ(多翼祭壇画の広間)」で、部屋の名前は、写真右手にある13世紀にフィレンツェで制作された作品に由来します。左手にある聖母子の彫像も15世紀頃のもの。こちらの部屋とお隣の「Sala dei primitivi(サラ・デイ・プリミティヴィ)」は、中世の貴重なコレクションをたっぷり楽しむことが出来ます。
イタリアを代表する画家たちの作品①
個人的に最も見ごたえを感じたのは「ルネサンスの広間(Sala del Rinascimento)」です。ヴェネツィアにいながら、まるでルネサンス文化のお膝元、フィレンツェにやってきたかのような、豪華な画家たちの共演が見もので、教科書で名前を聞いたことのあるような画家がたくさん登場します(写真は、”春”ヴィーナス誕生”で有名なボッティチェッリの工房で仕上げられた「パリスの審判(Il giudizio di Paride,ギリシャ神話に登場するストーリーのひとつ)」。
イタリアを代表する画家たちの作品②
こちらはピエロ・デラ・フランチェスカ(Piero della Francesca)が15世紀中頃に描いた「聖母子像(Madonna con Bambino/マドンナ・コル・バンビーノ)」。ピエロ・デラ・フランチェスカの描いた聖母子像(聖母マリアとイエスさまを描いた作品)は、世界中にありますが、こんな贅沢な空間でゆっくり独り占めできるのは、チーニ館だけではないでしょうか?
チーニ館 近くまで来たら是非食べてほしい逸品
Corner Pub
「コーナー・パブ」は、チーニ館から1-2分歩いた所にあるカフェ(パブ)。”パブ”の名を冠していますが朝8時過ぎからオープンしているいわゆる”カフェ”のような所で、パニーニやクロワッサンなどで朝ごはんを楽しむことも出来ます。チーニ館にちょっと早く着いてしまった時、小休憩したい時、暑さ寒さをしのぎたい時…気軽に入れるお店ですので、是非利用してみてください。
チーニ館ワンポイントアドバイス
「ヴィットリオ・チーニとその奥様、リダ・ボレッリ」
20世紀に活躍した実業家、ヴィットリオ・チーニ(Vittorio Cini)の名に由来する「チーニ館」。建物はもともと貴族、ロレダン家によって16世紀後半によって建てられたもので、ヴィットリオ・チーニは20世紀の初めにこの地を購入しました。ヴィットリオ・チーニと言えば、奥様のリダ・ボレッリ(Lyda Borelli)も超有名人。イタリアを代表する大女優で、今写真で見てもうっとりしてしまうほどチャーミングな女性です。
チーニ館での注意点
- 金~日曜の12時から20時迄開いています。
- 最終入場可能時刻は19時15分です。
- チケットは10ユーロです。
入場可能日や入場可能時刻は、今後拡大される可能性アリ。現在、入館に際して、新型コロナウイルスのワクチンの接種証明提示等が義務付けられていますが、こちらも変更になる可能性がありますので、ご来館前に最新情報をご確認ください。
まとめ
チーニ館は、ヴェネツィアにある貴族の邸宅の中では比較的地味?な外観。しかし、館内にあるコレクションのラインナップには目を見張るものがあり、イタリア美術がお好きな方にとっては充実したひとときとなること請け合いのスポットです。アカデミア美術館までも、歩いて3分程ですので、セットで美術鑑賞を楽しむのもオツ。是非立ち寄ってみてください。
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