ルネサンス芸術の傑作。フィレンツェ、パッツィ家礼拝堂
パッツィ家礼拝堂に行ってきました!
フィレンツェのサンタ・クローチェ聖堂(サンタ・クローチェ教会)の中庭に建てられた「パッツィ家礼拝堂」。敷地内でもひと際ゴージャスな建屋の内外を、詳しくご紹介します。
パッツィ家礼拝堂とは?絶対行くべき理由ベスト3
- サンタ・クローチェ聖堂とセットで見学できる点。
- イタリアきっての豪華な礼拝堂である点。
- パッツィ家の栄華の名残を感じられるスポットである点。
フィレンツェきっての観光スポット、サンタ・クローチェ聖堂の中庭にある「パッツィ家礼拝堂(Cappella Pazzi/カペッラ・パッツィ)」。長い年月と莫大な費用を費やして建設された、名門貴族パッツィ家のための礼拝堂は、ルネサンス建築の傑作のひとつ、そして、芸術家フィリッポ・ブルネレスキの傑作のひとつとして知られています。
パッツィ家礼拝堂 押さえておくべき魅力とは?
中庭に鎮座する巨大な建屋
1442年、サンタ・クローチェ聖堂の中庭にて建設がスタートした、パッツィ家礼拝堂。当初はサンタ・クローチェ聖堂の為の礼拝堂として建設が進められたのですが、完成に至るまでにフィレンツェの名門貴族、パッツィ家が多くの建設費を負担したため、結果的にはパッツィ家の私的な礼拝堂と化してしまいました。この時代に隆盛を極めた「ルネサンス建築」という建築様式の傑作のひとつとも言われる美しい佇まいを、まずはじっくりとご覧ください。
ブルネレスキが手掛けた美しい佇まい
パッツィ家礼拝堂を手掛けたのは、フィレンツェのドゥオーモに設置されたクーポラ(丸屋根)を手掛けたことで、その名を歴史に刻んだ芸術家、フィリッポ・ブルネレスキ(Filippo Brunelleschi)。残念ながらブルネレスキは1446年にこの世を去った為、存命中に完成には至りませんでしたが、礼拝堂は、現在でもなお、彼の晩年の傑作のひとつとして、知られています。
美しい館内装飾①
館内での礼拝堂の見どころは「装飾」。壁上部に見られる青基調のテラコッタ(陶器)の装飾たちは、ルカ・デッラ・ロッビア(Luca della Robbia)らによって手掛けられました。ルカ・デッラ・ロッビアのご実家、ロッビア家はルネサンス期に陶器彫刻家として名を馳せた一族。上部にあしらわれた12個のメダリオン(円形の肖像)は特に有名で、イエスさまの12人の弟子をモチーフにしており、彼の傑作のひとつと言われています。
美しい館内装飾②
こちらの華やかな天井もルカ・デッラ・ロッビアの作品。一見フレスコ画のように見えますがテラコッタで出来ていて、中央にはパッツィ家の紋章があしらわれています。青地に2匹のイルカが背中合わせに描かれているのがパッツィ家の紋章。こちらの小クーポラ(Cupoletta/クポレッタ)以外に大きなクーポラ(正面口から見える丸屋根)の内側四隅にも同じ紋章が確認できますので、探してみてください。
美しい館内装飾③
こちらも館内奥にある小クーポラの天井の様子。星座のようなものが描かれた天井は、1442年7月4日のフィレンツェの空の様子を表しています。この日はルネ・ダンジュー(伊ではRenato d’Angiò/レナート・ダンジョー)という要人がフィレンツェを訪問した日。ここから1キロ強離れたサン・ロレンツォ聖堂の旧聖具室(教会の道具をしまっておく神聖な部屋)の天井にも同日の美しい夜空が描かれていることが、知られています。
パッツィ家礼拝堂 是非食べてほしい逸品
Pan di ramerino
「パン・ディ・ラメリーノ」は、フィレンツェのあるトスカーナ州周辺でよく食べられているローズマリー(ラメリーノ)入りのパン。元々はイースターの時に食べられていたそうなのですが、今では一年中食されています。ローズマリーの他にレーズンが入っているので、ほのかに甘いのも特徴。一般的なイタリアのパンより柔らかい食感なので、海外のパンに慣れていない方にも食べやすいと思います。
パッツィ家礼拝堂ワンポイントアドバイス
「パッツィ家とは」
メディチ家と並んで、フィレンツェの歴史に欠かせない名門貴族、パッツィ家。大きな聖堂の中庭に巨大な礼拝堂をつくってしまうほどの富と権力を持っていた名家です。歴史上の出来事では「パッツィ家の陰謀」という1478年4月26日に起こった、メディチ家の当主、ロレンツォ・デ・メディチらを暗殺しようとした事件が有名。お芝居などにもなるほど、日本でも知られているストーリーですので、気になる方はその歴史を紐解いてみてください。
パッツィ家礼拝堂での注意点
- 入場料は8ユーロです。
- 月曜から土曜は9時半から17時半迄開いています。
- 日曜祝日は14時から17時半迄開いています。
入場券はサンタ・クローチェ聖堂と共通のもののみ売られています。また、元旦、イースター、6月13日、10月4日、クリスマス、12月26日は見学不可となりますのでご注意ください。
まとめ
ルネサンス文化の中心地、フィレンツェの中にある数ある建物の中でも「傑作」と言われているパッツィ家礼拝堂。小難しい話は無視しても、実際目の前にすると素直に「美しい」と思える、圧倒的オーラを放っています。礼拝堂のあるサンタ・クローチェ聖堂、その前に広がるサンタ・クローチェ広場も圧巻の見ごたえ。フィレンツェ旅行に必ずや花を添えてくれることでしょう。
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