ヴェネツィア、カナル・グランデ沿いに立つ。サン・マルクオーラ教会

ヴェネツィア、カナル・グランデ沿いに立つ。サン・マルクオーラ教会|イタリア観光ガイド

サン・マルクオーラ教会に行ってきました!

ヴェネツィアの真ん中を流れるカナル・グランデ(大運河)沿いに立つ「サン・マルクオーラ教会」。水上バス越しにも楽しめるオーラのある教会の見どころを5つ、厳選してご紹介します!

サン・マルクオーラ教会とは?絶対行くべき理由ベスト3

おすすめのポイント
  1. カナル・グランデとの絶景コラボレーションを楽しめる点。
  2. 観光客が少なく、のどかな雰囲気を味わえる点。
  3. ヴェネツィアを代表する芸術家の絵画を楽しめる点。

「サン・マルクオーラ教会(Chiesa di San Marcuola/キエーザ・ディ・サン・マルクオーラ)」は、ヴェネツィア本島の中心部を流れるカナル・グランデ沿いに立つ教会。聖エルマゴラスと聖フォルトゥナートの2人の聖人に捧げられた教会で”サン・マルクオーラ”の名は、聖エルマゴラスの地元での呼び方に由来します。駅から徒歩約10分のアクセスの良さも魅力。

サン・マルクオーラ教会 押さえておくべき魅力とは?

大運河に面した教会

サン・マルクオーラ教会があるのはヴェネツィアの中心部を流れるカナル・グランデ(大運河)沿い。教会の目の前の広場(Campo san marcuola)に同名の船着き場(S. Marcuola Casino/サン・マルクオーラ・カジノ)もあるため、上陸しなくとも教会のファサード(正面口)だけであれば、いつでも船上から気軽に楽しめます。特に水上バスで1番線、2番線を利用する方はお見逃しなく!

実は未完成!?ファサード

ビスケットのような色と形をしたサン・マルクオーラ教会のファサード(正面口)。遠くから見ると、味があるように思えるのですが…実はコレ、いまだ完成していない状態なんです。紆余曲折あって、1730年にようやく教会を現在の姿へと整える為の工事がスタートしたサン・マルクオーラ教会。1766年に一旦の完成を迎えるものの、その後もなかなか内装が完成せず、ついに今日まで、ファサードに手が回らない状態が続いています。

左に控えるメンモ家の館

現在の場所にサン・マルクオーラ教会の前身となる建物が整えられたのは12世紀のこと。ヴェネツィアの名門貴族、メンモ家(Memmo)、サン・ジョルジョ・マッジョーレ島(ヴェネツィア本島のすぐ傍にある小さな島)のオーナー、ルパニッツァ(Lupanizza)らの尽力で建設が進められました。今も教会の左隣には、メンモ家ゆかりの地「メンモ・マルティネンゴ・マンデッリ館(Palazzo Memmo Martinengo Mandelli)」があります(写真の煙突のある建物です)。

右に控えるカ・ガッティ・カサッツァ

教会右手、メンモ・マルティネンゴ・マンデッリ館と向かい合うように立っている暖色系の建物は「カ・ガッティ・カサッツァ(Ca’ Gatti Casazza)」です。”カ”はヴェネツィアの方言で「館」のこと。19世紀に芸術家のジュゼッペ・ガッティ・カサッツァ(Giuseppe Gatti Casazza)が建てたお屋敷で、中に入ることはできませんが、館内にあった彼のコレクションは、いまでも市内の美術館(カ・レッツォーニコ等)で鑑賞することが出来ます。

館内で観るべき一枚

館内で最も有名な宝物は、ヴェネツィアの有名画家、ヤコポ・ティントレットの描いた「最後の晩餐(Ultima Cena)」です。ティントレットの最後の晩餐といえば、死の直前に完成させたサン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂(ヴェネツィア)の中にあるものが有名ですが、サン・マルクオーラ教会に飾られているのはその47年前、20代の頃に描いたもの。同じテーマの作品にも関わらず構図などが全く違う点は、とても興味深いです。

サン・マルクオーラ教会 是非食べてほしい逸品

Pasticceria Nobile

「パスティッチェリア・ノビーレ」は、1818年創業の老舗のお菓子屋さん。サン・マルクオーラ教会から北へ1~2分歩いた所にあり、ひととおりのヴェネツィア銘菓をいただくことが出来ます(イートインスペース有)。「Pizzette di pane(ピッツェッテ・ディ・パーネ)」と呼ばれるミニピザが人気。その他、ティラミスやフリッテッレ(Frittelle,ヴェネツィアのカーニバルの時に食べるスイーツ)などもオススメです。

サン・マルクオーラ教会ワンポイントアドバイス

「ティントレットと最後の晩餐」
ヴェネツィアにはティントレットの描いた「最後の晩餐」が何枚も残されています(一説によると7点はあるそう!)。今回ご紹介した「サン・マルクオーラ教会(制作年:1547年)」のものとセットで見学しやすいのが、教会から、500メートルほど先にある「サン・フェリーチェ教会(1559年)」に飾られているもの。時間があればぜひセットで鑑賞してみてください。

サン・マルクオーラ教会での注意点

サン・マルクオーラ教会での注意点
  1. 毎日9時から11時、17時半から19時迄開いています。
  2. 入場無料です。
  3. 冬季に徒歩で行く場合は足元の防寒対策をお忘れなく。

サン・マルクオーラ教会は運河沿いに立つ教会。ゆえに特に秋から春にかけては水辺から冷たい冷気が流れ込んでいる為、底冷えします。足元が冷えるので、ブーツや中敷きなどで防寒対策をしっかりしてくと吉。

まとめ

サン・マルクオーラ教会は、開館時間が朝夕に限られている為、ヴェネツィア一日観光の際は、駅到着後スグorヴェネツィアを発つ前の訪問がオススメ。周辺の景色も大変美しく、その光景はヴェネツィアを代表する画家、カナレットの「Il Canal Grande a Venezia da Palazzo Flangini a Campo San Marcuola(所蔵:J・ポール・ゲティ美術館/ロサンゼルス)」を通じて、海外でも高く評価されています。ヴェネツィアにお越しの際はぜひ立ち寄ってみてください。

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