ナポリのカトリック文化に触れる、サン・ピエトロ・アド・アラム聖堂
サン・ピエトロ・アド・アラム聖堂に行ってきました!
サン・ピエトロ・アド・アラム聖堂は、ナポリ中央駅近くに建つ、ナポリのカトリック文化を語る上でとても重要な聖堂のひとつ。一体どのような場所なのか!?詳しくご紹介します。
サン・ピエトロ・アド・アラム聖堂とは?絶対行くべき理由ベスト3
- ナポリのカトリック文化を語る上で重要な拠点である点。
- 駅から徒歩10分圏内で巡りやすい点。
- 神秘の井戸や、地下聖堂等、珍しいものが見学出来る点。
「サン・ピエトロ・アド・アラム聖堂(Basilica di San Pietro ad Aram/バジリカ・ディ・サン・ピエトロ・アド・アラム)」はイエスさまの十二使徒のひとり、聖ペトロ(サン・ピエトロ)にゆかりのある教会。ナポリ中央駅から歩いて10分弱のところにあり、(午前中しか開いていない点はネックですが)陸路でナポリへいらっしゃる方には、巡りやすいスポットのひとつとして、オススメです。
サン・ピエトロ・アド・アラム聖堂 押さえておくべき魅力とは?
聖アスプレノと聖カンディダ
サン・ピエトロ・アド・アラム聖堂は言い伝えによると、最後の晩餐の絵画に登場する人物でおなじみの、イエスさまの十二使徒のひとり、聖ペトロが、聖アスプレノ(ナポリで最初の司祭)と聖カンディダに洗礼を行った場所に建てられたと言われています。ゆえに、館内には二人にまつわる美術品がたくさん。写真はメインフロアに設置されている聖アスプレノの像です。
Pozzo misterioso di Santa Candida
こちらは聖カンディダにまつわる重要スポット。「聖カンディダの神秘の井戸」です。長年病気に悩まされていたカンディダは、ペトロからの指示でこの井戸の水に浸ったところ、病から回復したそう。以降、水は病気の人たちにとっての万能薬のような存在に…。また出産を控える女性にとっての、痛みを和らげるための飲料水としても大切にされていたそうです。
Vestibolo
サン・ピエトロ・アド・アラム聖堂のもう一つの重要スポットは前室(ヴェスティボロ)。ジョヴァン・バッティスタ・ナウクレリオ(Giovan Battista Nauclerio)の手がけた美しい天蓋や、その中にあしらわれた壁画が見どころです。もちろん聖アスプレノなどの姿も…。また、入口側面に並ぶ彫像や、扉上のジョヴァンニ・ベルナルド・アッツォリーノ(Giovanni Bernardo Azzolino)などの作品も必見。美術品が多く並ぶエリアです。
真っ白な中央祭壇
メインフロアに入ると眩く光る、中央祭壇。手前の左右の壁には、ナポリ派の巨匠と言われた有名画家、ルカ・ジョルダーノ(Luca Giordano)のキャンバス画を見ることが出来るため、多くの人が足を止めています。絵のテーマは教会のシンボル、聖ペトロと聖パウロにまつわるもの。殉教へ向かう前、天使さまから天国への鍵を渡されている場面が描かれています。奥に控える、1950年に整えられた豪華なパイプオルガンも見逃せません。
Cripta
サン・ピエトロ・アド・アラム聖堂には地下聖堂(クリプタ)もあります。教会左手の階段から下へ。洞窟のような場所で頭蓋骨が並んでいたり、少し不気味な雰囲気もあるのですが、初期のカトリック教会の姿を現代まで残す重要な場所。聖カンディダ(西暦5-6世紀頃の人物)が暮らしていた場所とも言われています。私が来訪した際は、修復中で中に入れませんでしたが、興味がある方は是非立ち寄ってみてください。
サン・ピエトロ・アド・アラム聖堂 是非食べてほしい逸品
Fiocco di Neve
「フィオッコ・ディ・ネーヴェ」は”雪の結晶”という意味のイタリア語。ですが、最近ではスイーツの名前としても浸透しています。スイーツの正体はふわっふわのクリームパン。中にクリームとリコッタチーズが入っているのがイタリアっぽさ満点で、お店によってはチョコクリームやピスタチオクリームなどが入ったアレンジバージョンもあります。1~1.2ユーロほどで買えるので是非、手に取ってみてください。
サン・ピエトロ・アド・アラム聖堂ワンポイントアドバイス
「サン・ピエトロ・アド・アラム聖堂は元々はもっと大きかった!」
サン・ピエトロ・アド・アラム聖堂は実は18世紀の終わり頃迄は、すぐ横を走るウンベルト一世通りや、後ろにあるマンチーニ広場(Piazza Mancini)のジュゼッペ・ガリバルディの像の後ろの辺りまで回廊が広がっていました。2つあった回廊は現在無くなってしまいましたが、周辺の空が広い点から、なんとなく以前大きな建物がこの地にあったことが感じられます。
サン・ピエトロ・アド・アラム聖堂観光での注意点
- 毎日7時から12時迄開いています。
- 入場無料です。
- 入り口は正面右手(ウンベルト一世通り沿い)にあります。
サン・ピエトロ・アド・アラム聖堂の正面口の扉は現在使用されておらず、見学の際は右手のウンベルト一世通り(Corso umberto I)から入る仕様になっています。
まとめ
サン・ピエトロ・アド・アラム聖堂は近世の頃には、その豊かな歴史的背景ゆえに、聖年(カトリックにおける聖なる年)を祝うことの出来る場所にも指定されていました。聖年に、施しを受けたいカトリック教徒は、普通であればローマまで巡礼の旅に出かけなければならなかった為、その重要度合は言わずもがなです。是非ナポリのカトリック文化に触れに、立ち寄ってみてください。
この記事へのコメントはありません。